毎日が山のこと

最近の山歩きの記録はもちろん、作ってみた山行プラン、過去の山歩きの記録も順次掲載中です。

高取山と仏果山(2020年12月27日)

2020-12-29 11:12:29 | 山日記

今年の納の山歩きとして、妻と友人を誘って東丹沢の高取山と仏果山に行ってきました。この辺は電車やバスでは埼玉からのアプローチが悪く、行ったことがありませんでした。

車で行くとなると駐車場が問題ですが、仏果山山麓には愛川ふれあい村という施設があって大きな駐車場があります。大体はここを起点に歩くようですが、なんと新型コロナの第3波拡大で12月12日から登山客の駐車はお断りとなってしまいました。しかたがないので、中津川の対岸にある県立あいかわ公園に駐車してそこから高取山、仏果山と周回することにしました。ただし駐車料金は500円です。

公園の中の遊歩道を歩いて風の丘に登ると目の前に宮ヶ瀬ダムが大きく見えてきます。なかなか大きなダムです。途中、芝生でサルが何頭かくつろいでいました。日差しが暖かです。

ダムの堰堤を対岸に渡って、ダム見学用の駐車場の脇から登り始めます。入口は標識に気がつかないと通り過ぎてしまうような感じのところです。このコースかなり急です。丸木の横木で整備された道ですが、最後にはロープに頼りたくなるほどです。

急登をおえると展望が開けます。ここで小休止。このあとは歩きやすい尾根道になりました。

尾根道は、一部にスギやヒノキの植林地がありますが、大部分は自然林。針葉樹と落葉樹がまざって生えています。日差しが漏れて気持ち良いコースです。しばらく歩くと送電線のための切り開きがあって2番目のビューポイント。宮ヶ瀬湖が見渡せます。

そこからふたたび尾根歩きとなります。ゆるやかな歩きやすいところ、道が狭まって岩があるところ、木の段々が続くところとなかなか変化があります。高取山はまだかなと思い始める頃ようやく大展望の高取山山頂です。山頂は東側が大きく開けた草の斜面になっているので、関東平野が一望。まっ平らな平野のあちこちに高層ビルのかたまりが。一番右側のかたまりが横浜なのでしょう。天気はいいのですが、ややかすんでいました。

展望台もありますが、ベンチからでも十分に楽しめます。ベンチではそれぞれ登山者が休憩しています。ひとつだけ空いていたベンチに座って昼食です。我が家は作ってきたペンネナポリタンを温めて食べましたが、今回も多すぎて残してお持ち帰りとなりました。

ダムからの急登もあったので疲れたのではないかと心配していましたが、みんな案外元気です。予定通り仏果山へと向います。いったん少しくだって、ふたたび登り返しますが、西からゆるやかに回り込む感じなので思ったより楽に歩けます。そしてこの尾根にはかなり立派なモミの木がたくさんありました。モミの木はこういう尾根が好きなんですね。

仏果山は残念ながら林の中です。石仏がかなりあります。しかし、展望台に登れば360度の展望。今度は南が望めるので空気が澄んでいれば相模湾が見えるはずですが、この日は靄がかかってはっきりしませんでした。

丹沢山も大山も逆光に霞んでいます。ここから半原へと下るのですが、下り始めに修験道についての説明版があり、この仏果山、すぐとなりにある三峰山、そして南の大山にかけて修験道の修行の地域だったことが説明されていました。

仏果山からの下りは整備された道で歩きやすいですが、ぐんぐん下り、木の段々も多くあり、あまり展望が開けません。かなり下るとまた送電鉄塔があって切り開きになり半原や関東平野が望めます。鉄塔下の一帯は昔の茅場という感じです。今は茅葺き屋根もなくなって利用されていないでしょうが。

いったん車道に飛び出しますが、登山道はそれを横切って下へと続きます。二度目に車道が見えてきますが、車道には出ずに左に下って車道の下をくぐる舗装の道に出ます。そこからはひたすら舗装道路を歩いて国道412号にでて、その道を歩いてあいかわ公園の駐車場に戻りました。

 

 

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都市近接の山仏果山を高取山から経ヶ岳まで(2020年12月)

2020-12-20 11:13:20 | 山の計画

埼玉県に住む私は神奈川の山とは縁が薄かった。電車とバスを乗り継いだら山麓まで2時間20分くらいかかってしまう。でも圏央道ができてみると意外に短時間でアプローチできることがわかった。車なら中央線沿いの山に行くのと同じかむしろ便利なのだ。

先日妻をつれて南山にのぼったので、今度はそのとなりにある仏果山に登ってみようと思う。計画は愛川ふれあい村の駐車場に車をおき、まず高取山(705m)に登る。ふれあい村から高取山まではコースタイムで1時間45分くらい。

ただし、コロナ禍第3波の広がりで、ふれあい村では12月12日から登山者の駐車や通過を禁止したとの情報だ。少しあるくことになるが、中津川対岸の県立あいかわ公園の駐車場を利用するしかない。この場合は、宮ヶ瀬ダムサイトから登るコースも考えられる。

高取山からは南東にのびる尾根をたどっていったん宮ヶ瀬越という峠にくだり、こんどは登り返して747mの仏果山に登る。高取山も仏果山も展望台があるので、ゆっくりと展望を楽しめるはずだ。

普通のコースとしてはこの両山を登ったらそのまま下山となるところ。そうすればふれあい村にそのまま戻れる。しかし、それではつまらないので尾根をたどって経ヶ岳まで足を伸ばそう。

仏果山から1時間15分ほどで半原越という峠にでる。ここは車道が峠を越しているようだ。さらに尾根をそのままたどると経ヶ岳(633m)となる。この山も展望がよさそうだ。頂上でゆっくり休憩をとることができる。山頂手前には経石という石もあるようだ。

ゆっくり休んだら、首都圏自然歩道をたどって平山坂下へとくだる。そこには神奈川中央交通のバス停、半僧坊前があるので、半原行きのバスを利用して愛川ふれあい村野外センター前でおりて車に戻る。ただし、県立あいかわ公園に止めた場合は一つ先の愛川大橋で降りたほうが便利のようだ。

全体のコースタイムは5時間10分。

半僧坊前のバスは、13:53、14:33、15:13と40分おきにある。ちょっと残念なのはちかくに立ち寄れる温泉がないことかな。一番近いのは車で25分ほど走った下九沢温泉湯楽の里くらい。帰るのに少し遠回りになってしまうのだ。

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風布のみかん山周辺(2020年12月11日)

2020-12-12 09:43:21 | 山日記

12月11日、奥武蔵山地の北のはずれ、寄居の風布というところを妻と歩いてみた。みかんの産地でかつては北限のみかんなどといわれていたようだが、温暖化でそんなことも言われなくなったように思う。

風布にはみかん狩り客のための無料の駐車場がある。そこに車を留め、まずはお昼にとおにぎりを出していると、観光案内所の男性が組立式の手作りテーブルを出してくれた。食事後、ハイキングコースというわけではないが、みかん畑の斜面を適当に登ってみた。

舗装された車道を避け、無住のお寺のわきから畑道をたどって登ると日当たりのよい山間の地が見渡せていい気分になる。12月に入ったのでもうみかん狩りはほとんど終わっている。それでも黄色い実がたくさん見えているが、大半はユズやキンカンなどのようだ。周囲の山々はまだ紅葉で覆われている。

まず風布集落の上部にあがり、風布と小林みかん山を結び道をのぼると峠のようになったところに聖観音の像が祀られていた。そしてその脇には秩父事件顕彰碑があった。秩父で農民が蜂起した時、この風布でも農民がたちあがった。その歴史を刻んである。

そこから葉原峠へ登る車道へ山道を伝って出ようとしたのだが、今はすっかり廃道になっていて歩けそうもない。しかたなく車道をもどって登りなおした。

ずっと舗装の道を歩くのではつまらないので、途中から林道にはいった。道はいいのだが、周囲が杉の林となって、しかも北東斜面なので薄暗い。しばらく歩いて尾根を回り込むとようやく落葉樹の森となって明るくなった。

ふたたび舗装の道に出る手前が、明るく手入れのいきとどいた森になっていたので、そこで休憩した。どうも浦和一女で管理している森らしかった。その森の一角で一人の男性がチェーンソーを使って作業をしていた。

休憩後林道に出て、今度は小林みかん山へと下る道をたどった。もう少し車道を登れば葉原峠なのだが寄らずに下ってしまった。この道は、野上から峠をこえて波久礼駅に抜けられるハイキング道なので道ははっきりしており、標識も整備されている。道の片側は杉林だが、左側は落葉樹なので明るい。

小林の集落の近くで舗装道路に出た。そこから風布に戻るまでしばらく舗装道路を歩くことになるのだが、その道沿いには大きなモミジの木がたくさんあってみごとな紅葉のトンネルになっていた。つまらない車道歩きが思いがけず紅葉鑑賞になった。

道は途中で分岐していて、右に行くと最初の聖観音がある峠に出る。しかし少し登り返しになる。そこで左の道をくだって、川沿いにある風の道というハイキングコースを利用して風布の駐車場に戻った。

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甲武信岳 (1986年5月15日・16日)

2020-12-02 15:57:38 | 山日記

 日野春で目がさめた。時計を見ると4時半でもう外は明るくなっている。鳳凰の山々が中腹から雲をかぶって見えている。もう雨はあがっていた。反対の奥秩父の側を見ると、山並みのむこうに、なんと青空ものぞいているではないか。

 小淵沢では、日がさしだして青空も広がりだした。駅のホームで顔を洗い、水を補給した。小海線の列車は6時6分の発車で、キハ58系を真中に前後にサーモンピンクのキハ52系を連結してとまっていた。5時半になると町の放送塔のラウドスピーカーからチャイム音がながれ、乗務員があらわれて電源を投入した。

 小海線の沿線は新緑の盛りだ。まだ開ききっていない若葉が昨夜の雨のしずくを落としている。展望の開けるところではまだ黄色味を残したなかにカラマツのすこししずんだ緑が穂をならべて涙がでるほど美しい。

 信濃川上駅から7時7分の村営バスにのり梓山へと向かう。乗客は3人。540円だった。バスは梓川の橋の手前で折り返し川端下へとむかう。千曲川も梓川も昨夜の雨で茶褐色の水を押し出している。

 十文字峠へののぼりは地図より上手に移っており、なにやら軌道跡らしい。橋脚のあとが残っているが一部は渡渉が必要なところがあった。八丁の頭まではきつかったが、頭から峠まではカラマツの落葉をふみながらの快適な道だった。十文字小屋には10時25分に到着。小屋番の竹内氏は梓山に下っていて(竹内氏とは途中でであって今夜小屋に泊まるかと声をかけられた)、「2時頃帰ります」と黒板に書いてあった。

 十文字峠は樹林に囲まれた静かな峠だ。両神方面が開けている。小休止しながら案内板をみると、この先の大山が岩場になっていて展望がよいと書いてあったので、昼食はそこにしようと先へ進んだ。しかし、夜行の疲れがでたのか足は極端に重くなってきた。

 大山は案内どおりの好展望台だ。これからのぼる三宝山の大きさに圧倒される。南風にのって甲武信の方角から雲が吹き上がってきた。

 武信白岩へののぼりから残雪があらわれ、だんだんと多くなってきた。三宝ののぼりはうんざりするほど長いのだが、それにくわえて雪を踏み抜くことによる体力の消耗がこたえてきた。

 三宝山は山体の大きな、頂上ののっぺりした山だが、頂上からの展望は、一望にというわけにはいかないが、場所を移せば八ヶ岳、金峰、国師から甲武信、木賊と見渡せる。

 甲武信への最後ののぼりのきつかったこと。甲武信の小屋は外面丸太のいかにも秩父らしい小屋だった。風がやんですっかり曇ってしまったが、雨になるような天候ではなさそうだ。

 小屋の経営者は大滝村の山中徳治氏。他に泊り客はいないものと思っていたら、昨日から埼玉県の職員らしい人が4人泊まっていて、荒川の源流までの距離を実測していた。約400メートルだそうだ。明日天気がよければえらい人がヘリで来るらしく、ヘリポートの整地に小屋番もいっしょに出て行った。夕方の4時50分で外気温9度。わりあい暖かく感じる。夕食は県の人と一緒に焼肉をごちそうになった。

 朝5時起床。外気は氷点下2度。天気は昨日とかわらない。6時10分に小屋を出発した。

 木賊山は頂上をとおらない巻き道もあるがせっかくの機会なので山頂への道をめざした。雪は昨日よりしまっているようだが、ゆだんすると踏み抜いてしまう。たえず山梨側からガスが吹き上げてくる。これからの稜線は風当たりが強そうなので、チョッキを脱いでヤッケを着込んだ。

 木賊の山頂は樹林の中で、登山道方向だけ狭く展望できるようだが、ガスの中ではなにも見えない。破不山へののぼりにかかる鞍部に避難小屋があった。そのあたりから周囲は疎林とカヤトにかわってきた。のぼりの途中から木の丈が低くなってきて、晴れていれば展望のある快適なのぼりになるはずである。頂上近くには背丈が4~5メートルなのに幹の径が40~50センチもある古木帯があった。山頂は展望がないが、東破不までの稜線は高低もなく山梨側の展望がひらけている。風が吹き上げて気持ちよい。

 東破不からのくだりの途中からガスが切れだし、雁坂嶺の山体や峠が見え始め、鞍部についたときには雁坂嶺の全容と水晶や古礼の方まで望めるようになった。

雁坂嶺頂上到着は9時40分。山梨側から吹き上げる風はあいかわらず強い。しかし、雲の切れ間から日もさしだした。展望はよいはずだが、甲武信の方角はまだ雲の中だ。行く手には雁坂峠とそのはるか下に広瀬湖が見える。

雁坂峠。私にとって実になつかしいところだ。学生時代に来てから18年ぶりになる。カヤトの斜面に黒木の添繍。広瀬の谷はまだ芽吹き前のぼやっとした色をしている。峠には1組だけが休んでいた。吹き上げる風が実に気持ちよい。

10時18分、峠を出発。時間があるので直接広瀬にくだらずに雁峠をまわることにした。水晶ののぼりは途中から原生林となるが、急なところのない快適な道だ。古い倒木にコケがびっしりとついて寂寥の世界だ。頂上は木立のなかの広場になっていて休憩には落ち着ける場所だ。古礼への尾根道も急なところはなく、途中鞍部近くで笠取から唐松尾、白石山。右奥には飛龍ものぞめる。古礼は黒木に覆われているが、山頂はとおらずに北面をまいて雁峠にむかう。電光型に斜面をくだるとそこがカヤトの雁峠だ。

雁峠でも風が強く吹きぬけ、その風にのって流れる雲からポツリと雨粒が落ちてきた。広瀬のバスは2時すこしすぎ。くだりは2時間で充分なのであわてることはないのだが、天気も悪くなってきそうなので少しとばしてくだりはじめた。

くだりは急なところもなくすぐに樹林帯にはいり、沢沿いの道になった。家族連れなら遊ぶところにはことかかない。ただ予想以上に林道が奥までのびていて少々退屈してしまう。しかし、水の流れとカラマツの新緑になぐさめられながら、広瀬には1時40分に到着した。

バス停の前が酒屋だったので喜んで店をのぞいたが、いくら呼んでも応答がない。やむをえず自動販売機で缶コーヒー(しかもあたたかいものしか売っていない)を買い込んで菓子をほおばっていると、にわかに雨が強まって雷までなりはじめた。

ひさしぶりの広瀬は、ダムができたせいですっかり民宿部落になって建物もみなあたらしい。しかし、平日の午後とあって、人影はなく、たまに通り過ぎる車以外まったく静かだった。2時29分、雨上がりの陽光のなか、ふたたびすがたをあらわした破不や木賊の山々、そして水蒸気をあげる新緑の山々をあとにバスにのりこんだ。

後記:古い記録で写真がないため雁坂小屋のブログ写真を見出しに使いました。

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