毎日が山のこと

最近の山歩きの記録はもちろん、作ってみた山行プラン、過去の山歩きの記録も順次掲載中です。

天気を見て変更、水ノ塔山へ(2024年7月24日)

2024-07-29 09:25:33 | 信越・長野・西上州の山

ほぼ半年ぶりの山歩き。

常念岳を実現するためにブランクを解消したいと梅雨明けを待っていた。

 

本来は麦草峠から北八ヶ岳の縞枯山と雨池を歩くつもりだった。

ところが信越道の横川付近から雨になってしまった。

急遽佐久平パーキングで車をとめ、空をみると八ヶ岳方面も雲が厚くかぶっている。

時間がかかっても甲府の方へでも行くかと走り始めてみると途中で浅間山や高峰高原の山がきれいに見えてきた。

そこで小諸インターから高峰高原に登り、まだ登ったことのない水ノ塔山をめざすことにした。

 

車坂峠にある駐車スペースに車をとめた。

ここはすでに2000m近い標高。涼しい。雨はほとんど降っていない。

 

駐車場の近くの草原にヤナギランやニッコウキスゲが。

 

 

車坂峠から湯ノ丸へ抜ける未舗装の車道を歩いて、スキー場のゲレンデを横切り、水ノ塔山へと向かう。

この白いキク科の花がわからず、変えてから調べたら栽培種のフランスギクが野生化したものらしい。

最近、スキー場の道路に近いゲレンデで繁殖しているそうだ。

 

こんな感じで増えてきている。

以前はこのあたりはヤナギランがもっとたくさんあったように記憶している。

時とともに自然界も変化をしつづけているようだ。

湯ノ丸へと続く未舗装の林道を歩いて登山口へとむかう。

見えている右のピークが水ノ塔山。左は東篭ノ登山。

篭ノ登山は夏と冬にも登っているが、水ノ塔山は未踏だった。

 

登山口には高峰温泉の建物があり、車もたくさんとめてあった。

登山者がとめていいのかわからなかったので、車坂にとめて歩いてきたのだ。

 

天気がよくなってきたようだ。気分も明るくなった。

 

古い火山らしく岩がごろごろした登山道を登っていく。道には日差しももれていた。

この道の右側はまだスキー場のゲレンデが広がっている。

 

シャクナゲがほんの少し咲いていた。

シャクナゲの木は途中点々とみられるのだが、花はここだけだった。

たぶんハクサンシャクナゲ。

 

この花は帰ってから調べてみたけどなんだかわからない。

 

途中の岩がごろごろのところで展望が開けた。

正面にこれから登る水ノ塔山。篭ノ登山や池の平の三方ケ峰も見えてきた。

 

ホラルブクロ。

 

ミヤマコゴメグサかな。

 

雨が多いせいかもうキノコもはえている。

 

火山性の砂礫地になるとオオイタドリがあらわれた。

 

ふたたび岩礫地帯になって展望が開けた。

佐久平も見下ろせるようになってきた。いいぞ。

 

コースの4分の3くらいのところにあった岩塔。

下の方からも見えていて、ちょっとした目印になる。

 

クルマユリ。

 

こんどは黒斑山も見えてきた。

 

頂上に近づいたあたりでミネウスユキソウを発見。

まだ咲き始めらしい。この先数カ所で見られた。

 

頂上直下は岩が顔を出していて両手も使って登るところもあった。

それより、そのころから風が出てきて下界から雲がのぼってきた。

ちょっと待ってほしい。たのむよ。

 

でも願いもむなしく頂上に立った時は周囲がガスに覆われてしまっていた。

とりあえず標識をいれて記念撮影。

 

今日は足慣らしなので東篭ノ登への縦走はしない。

登山口の高峰温泉が1950mなので標高差250mしかないので時間は十分にある。

ガスが晴れるのを期待してゆっくりと食事休憩にした。

 

山頂は北側は針葉樹におおわれて展望は南側だけだ。

風に吹かれながらガスの中で休んでいるとからだが冷えてきた。

 

でも待ったかいがあってガスが一時的に晴れ上がった。

左の高峰山と右の三方が峰のあいだから佐久平が見えてきた。

 

左には高峰高原。スキー場のゲレンデが広がり、左奥には黒斑山。

その後はふたたび雲があがってきて景色はガスに隠されてしまったけど、一時でも晴れてくれてよかった。

 

まだ7月24日で、夏本番はこれからというのに気の早いナナカマドが一部紅葉していた。

 

そしてまたキノコも発見。

 

北日本はまだ梅雨のさなかなので山の天気は読みにくい。

今回は、予想以上に雨の範囲が南に広がってしまった。

帰り道から八ヶ岳を見渡すとかなり雲が少なくなっていたものの頂上稜線はまだ隠されていた。

今回は方向転換が成功したようだ。

久しぶりの娘との山歩き、余裕をもって終了出来てよかった、よかった。

 

 

 

 

 

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この夏は常念岳に再チャレンジ

2024-07-19 10:59:21 | 山の計画

安曇野から眺められる北アルプスの名峰常念岳。

私はまだ登っていない。

実は一昨年登る予定だった。車で出発し、一の沢登山口まで行ったのだ。

だが・・・。登山靴を車に積み忘れた。

足には履いていたのはサンダル。

これじゃ無理。てなわけで行き先を変更し、美ヶ原近くの三峰山を歩いた。サンダルで。

大失敗で目標変更、美ケ原近くの三峰山へ(2022年8月10日)

今年こそ、リベンジを果たすぞ、と今計画中。

本当は、常念岳に登った後、大天井岳を経て燕岳をまわって中房温泉にくだる2泊3日コースにしたい。

これだと、入山と下山が違うところになるので、行は夜行の登山バス、帰りは電車ということになるなぁ、などと思案。

計画しだすとついつい欲が出てしまう。

でも、去年から今年、妻の介護の関係であまり長い距離を歩いていない。

歳も歳だし、無理して人に迷惑かけるわけにはいかない。

だから、一昨年の計画どおり、まずは1泊で常念岳だけを往復しよう。

こんなことをブログに書くのは、欲が出てしまって計画がなかなか決まらないからだ。

ここに書いて自分に言い聞かせているってわけ。

やるぞ! 控えめに。今年こそ。

でもその前に足慣らしにどこか行こうっと。

 

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鳥海山と月山(2019年8月11日~13日)後半

2024-07-12 10:37:33 | 東北・新潟の山

これは鳥海山と月山(2019年8月11日~13日)前半の続きです。

 

鶴岡に泊まった翌朝は鶴岡駅前6時発のバスで月山へ向かった。

このバスは、途中羽黒山に寄ってから延々と走り、月山八合目まで行く。

そのバスには、前日鳥海山にのぼってこれから月山へという私と同じ穴のむじな、しかも同年配の男性が2人もいた。

 

バスは長距離を走るので羽黒山の山頂で15分の休憩。

バス停から羽黒山神社までは320mくらい。急げば、バスをおりて羽黒山神社まで往復してくることも可能。

月山八合目まではさらに1時間10分もかかる。駅からだと休憩含めて2時間15分。たいへんな長距離路線バスだ。

 

八合目の駐車場からは昨日のぼった鳥海山が雲海の上に姿を見せていた。

乗ってきた登山者たちはゆっくりと支度をしながら、次々に山へと向かう。

 

この日は月山頂上をめざし、その後姥沢にくだって、シャトルバスと鶴岡発山形行きのバスを利用し、新幹線で帰宅という行程。

 

この日月山は上空に雲はあるもののいいお天気だったが無風状態。暑さにへばった。

暑さだけではなく、旅の疲れも出たのかもしれない。

 

八合目駐車場からゆるやかな斜面を標高差にして60mほどあがると弥陀ヶ原だ。

弥陀ヶ原は広大な湿原で、池塘がたくさんあり、木道で周回できる。

私は妻と以前歩いたことがあるので周遊はしないで直接山頂へと歩き始めた。

高原状に広がる月山の山頂部を道はゆっくり南へと登っていく。それにしても暑い。心の中で「ちっとは吹いてくれよ」と悪態をつきながら登った。

 

少し傾斜が出てきて高原の一段上に登る感じになって登りつくとそこが佛生池小屋だった。

出羽三山のひとつ月山らしく池のほとりには石の仏やお供えの赤い花飾りが並んでいた。

 

佛生池小屋をすぎた斜面から振り返る。

こうして高原台地を一段づつあがっていく感じ。

一段あがるとそのたびにそろそろ山頂が見えるかななどと思っては裏切られた。

 

風があってもう少し涼しければこんないい山道はないだろうと思うが、風は吹いてくれない。

それにしてもこの広大な斜面はどうだ。

 

コバイケイソウが群落をつくっていた。

とてもいい景色なんだけど・・・暑い。

 

ようやく山頂の建物が見えた時にはほっとした。

八合目から山頂まで水平距離で4.5kmほどなのだが、なんだかほんとに長く感じた。

 

山頂に着いた時は軽い熱中症気味でおにぎり1個をむりやり水で胃袋へいれた。

体調はそれ以上悪くはならなかったので山頂の神社には寄らず早めに下山を開始することにした。

 

歩き始め、姥沢へと下り始めるあたりでは一時雲も広がったので日差しが遮られ、足取りも少し軽くなった。

 

山頂から西南西にのびる姥ヶ岳への稜線をくだる。

お盆休み真っ只中なので子ども連れの登山客も大勢いたが、暑さにうんざりした様子で、せっかくの月山にいい思い出が残ってくれるといいなと思った。

 

稜線からはずれて日当たりのいい南斜面をくだる。樹林がないので日陰もない。

何人かが休憩をしているあたりでふと見上げると白い雲に虹のような色がついている。

彩雲だ。結構あざやかな彩りだった。

休んでいた人たちも次々にカメラを向けていた。

 

途中から月山リフトで下るか迷ったが、沢から登り返すのがなんだかいやでそのまま下ってしまった。

でも地図を確認すればわずか30mをゆるやかに登るだけだったのだ。

もう一つは稜線からそれずに姥ヶ岳を経由して月山リフトに至るコースも楽に歩けそうでおすすめだ。

姥沢にはロッジの建物やトイレ、広大な駐車場があった。

 

姥沢からは町営のシャトルバスを利用した。これがかなりの距離を走る。

国道112号線の旧道、六十里越を走り、月山湖の畔で国道の新道、月山道路に合流。

そこからも延々と走って山形自動車道の西川インター近くの高速バス停まで送ってくれた。

 

このあと高速路線バスで山形に出て、東北遠征の旅を終え新幹線で帰路についた。

一人で出かけた鳥海山と月山をめぐる2泊3日の夏の山旅が終わった。

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鳥海山と月山(2019年8月11日~13日)前半

2024-07-07 12:12:20 | 東北・新潟の山

2019年の夏、お盆休みを利用して鳥海山と月山に登った。

台風の合間を縫う感じで11日朝新幹線で新潟へ、特急いなほに乗り継いで山形県の遊佐から乗合タクシーを利用した。

乗合タクシーは予約さえすれば1人でも料金は同じ。この日も私一人だけだったが、駅まで出迎えてくれて気持ちよく鉾立まで送ってくれた。

 

象潟口の鉾立から御浜小屋に泊まり翌日鳥海山頂へという計画。

鉾立到着時はすっかりガスに覆われていたが、食堂でカレーライスを食べ、歩きだす頃にはだいぶ見通しがよくなってきた。

 

鉾立から鳥海山への登山道は、昔からの信仰登山の人がたくさん利用してきただけに、スタートはしっかり舗装された遊歩道だ。

 

展望台をすぎると今度は石敷きの歩きやすい道になっていた。

あたりはすでに背の高い木は見当たらなくなっている。

登山道の左側は、奈曽川の深い谷になっているはずだが、展望所以外ではほとんど見えない。

 

花もたくさん見られるので写真を取りながらゆっくり登る。

 

ふと振り返ると日本海が見えた。

タクシーで出発した遊佐の海岸あたりのようだ。

 

奈曽川の崖淵からはなれしばらく尾根上のところを登る。

尾根から開けた谷状のところにさしかかると、御浜小屋につらなる稜線も見えてきた。

シーズンなのでたくさんの人が歩いている。

 

この付近にもたくさんの花が咲いていた。これはコオニユリかな。

 

やがて前方右手の斜面に雪渓が見えてきた。

その上部に歩いている人影が見えた。

そこは鳥海湖を取り囲む稜線のはずだが、登山道はそちらではなく、雪渓の下をかすめて傾斜を増した斜面をななめに登っていく。

 

鳥海の名をいただくチョウカイアザミも重そうな頭を垂れていた。

 

今夜の宿、御浜小屋が見えてきた。この小屋は鳥海湖を囲む稜線の上にあり、鳥ノ海御浜神社の社殿でもある。

まだ早いのだがまずは小屋に入って宿泊の手続きをした。

入ったところはなにもない板の間と左奥の部屋が宿泊所、右手が管理事務所を兼ねた社殿になっていた。

この日は左手奥の部屋は団体が使用していた。

 

まだ2時なので、鳥海湖を一周することにした。

上から眺めると鳥海湖が古い火口であることがよくわかる。

 

御浜小屋は鳥海湖の北側、1700m地点にあり、そこから反時計回りにまわった。

火口湖へと降りる途中で鳥海山の雲の切れ始め、山頂が姿を現した。周囲にはたくさんの花々が咲き乱れている。

 

鳥海湖の西側を下る途中から鳥海山の山頂を撮影。

江戸時代に噴火した新山付近は地肌がむき出しだが、ほかは全体に緑に覆われている。

御浜小屋からは手前に扇子森という山があって山頂は見えない。

 

南側の一番低いところ(標高1600m)をまわって鳥海湖の東側にまわり、ふたたび稜線にむかって登っていくと途中にニッコウキスゲの大群落があった。

 

小屋からまっすぐ山頂へ向かう稜線の道からでは見られなかったかもしれない。

標高差100mを上り下りしてくたびれたが、みごとな景色がみられたので満足だった。

 

お浜小屋には椅子もテーブルもないので食事は床に並べられる。

寝るのも布団ではなく床に毛布を敷いて寝るので少々体が痛くなった。

 

食後はほとんどの人が小屋の外に出て、日本海に沈む夕日の景色を楽しんでいた。

山頂の小屋ではなく御浜小屋に泊まるのはこれが見られるからなのだ。

日本海に長く伸びる光芒の中に飛島の影が見えていた。

風もなく、穏やかな夏の夕暮れだった。

 

翌日、山は朝からガスにおおわれ強い風も吹いていた。

この日は、七五三(しめ)掛から、むかし鳥海山が噴火に伴う山体崩壊をおこした旧火口である千蛇ケ谷をへて山頂をめざし、帰りは火口壁でもある稜線をたどって戻る計画。

 

見通しの悪い強風の中を歩くことになるが、こんな雰囲気も嫌いではない。

 

扇子森をこえて千蛇ヶ谷へくだる崖淵にある七五三掛(しめかけ)をめざす。

七五三掛から千蛇谷へ下る頃からガスが薄れ始めた。

 

鳥海山が大規模な山体崩壊をおこしたのは紀元前のことだといわれている。

 

その後の最高地点は今の七高山(2229m)だったそうだが、江戸時代の1800年に水蒸気爆発をおこし、溶岩ドームが形成され、それが新山となって、今はそこが最高地点(2236m)になっている。

 

その新山のふもと、七高山との間の谷に大物忌神社があってそこも宿坊として登山客が泊まれる。

建物はしっかりと組まれた岩壁に囲まれている。

冬、吹き付ける風雪から建物を守るためだろう。

 

いよいよ溶岩ドームを登る。

 

まだ200年そこそこしかたっていないので、大きく割れた溶岩の塊はするどく角が立っている。

 

そんな岩のあいだを縫うようにして登っていく。

 

新山の山頂は、ご覧のように角張った岩だらけ。

落ち着いて休めないので記念写真だけ撮って、外輪山の最高点である七高山に向かった。

 

新山と七高山とのあいだには残雪が残っていて、雪の上には白いもやがながれていた。

 

外輪山の急な壁を登り返す。

 

こちらが江戸時代からつづく山頂、七高山。いろいろな石碑が並んでいる。

 

七高山からは秋田県側の展望がすばらしく、遠く男鹿半島や岩手山も見えていた。

庄内平野から写した鳥海山の写真や映像をよく目にするが、秋田県からも素晴らしい姿が見え、豊かな水の恵みをはじめ、信仰の対象となっていることにも納得できた。

 

帰りは外輪山の稜線にそってくだった。

このあたりには鳥海山の固有種といわれるチョウカイフスマの花がみられるらしいのだが、時期には遅すぎるとあきらめていた。

実は注意すればまだ咲いていたらしい。下山後、鉾立のビジターセンターで教えられた。

 

ガスも消えているので右手に新山の雄姿をながめながら稜線を歩いていくことができる。

子どもをつれたグループもいた。さすがに人気の山だ。

 

チョウカイアザミの群落と花々。

 

登りの時は強風とガスでなにも見えなかった扇子森。

花と展望を楽しみながらゆっくりと鉾立にもどった。

鉾立から予約しておいた乗合タクシーで遊佐駅へ。

ローカルで酒田乗換で鶴岡に向かい、駅から少し歩いたところにある小さなビジネスに泊まった。

翌日は月山をめざす。

鳥海山と月山(2019年8月11日~13日)後半に続く)

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夏の苗場山(2014年8月13日~14日)

2024-07-04 08:47:24 | 東北・新潟の山

10年前の8月に山仲間5人で苗場山に登った。

苗場山は新潟と長野の県境にあり、一時期登ってみたい山ナンバーワンに輝いたこともある人気の山だ。

山のサイトを訪問される方ならかなりの方が登っているのではないだろうか。

なんといっても山頂台地の広大な湿原がすばらしい。

この時は、車1台に5人を詰め込み、かぐらスキー場のかぐらゴンドラの山頂駅より手前にある駐車場から出発した。

 

かぐらメインゲレンデの中間にあるレストランの近くが駐車場になっていて、トイレも設置されている。

ここからゴンドラ山頂駅まではゲレンデの中の道を歩くこともできるが、私たちは登山道を使った。

でもゲレンデを歩いたほうがよかったかもしれない。

足元が赤土で湿っているところもあってあまり歩きよくはなかったのだ。

 

なかなかきれいなヤマアジサイが。少しくらいじめついていてもその分きれいな花に出会えるといわけだ。

 

今回はこの5人のメンバー。もちろんカメラマンの私は写っていない。

 

途中にオカトラノオの大群落があって、これまたたくさんのヒョウモンチョウが蜜を吸っていた。

こんな光景は初めて見た。

さっきはゲレンデを歩いた方がいいと書いたが、そうしたらこれはみられなかったかも。

 

出発から30分ほどでゴンドラ山頂駅のそばにある和田小屋に到着。

ゲレンデを見下ろしながら一息いれた。

スキー場は木を伐り開いて自然をこわすものだが、見晴らしがよくなる点は捨てがたい。

 

ここから本格的な山道となり、大きな岩も目立つようになってきた。

このときなんと驚くことに私のすぐ後ろを歩いているメンバーは片足にギブスをはめて杖をつかっていた。

足首をねん挫したそうだ。それでも普通に歩いていたからたいしたもの。

登りはそれほど苦労しなかったようだけど、実は下りはかなり歩きにくそうだった。

 

登山道はスキーゲレンデから離れて山の斜面をななめに登っていく感じ。

立派なブナが姿をあらわした。ブナは幹も葉もなんとなくやわらかく感じるので好きだ。

 

ゆったりと幅の広い尾根筋にでると夏の花が姿を見せ始めた。

かなり雪の多いここでは尾根筋でも湿原みたいに湿っていてキンコウカが咲いていた。

 

標高1682mの下の芝のベンチに到着。

薄曇りで直射日光はないのだけれどもやはり真夏は暑い。

みんな水分補給。ここでお昼にした。

 

さらに標高で約200mあがって中の芝のベンチでまた休憩。

湿原植物とまばらに生えている針葉樹のおりなす気持ちのいい景色の中の木道を歩いて少しづつ高度をあげ、2000mの県境稜線へとむかう。

神楽ヶ峰から小松原湿原へとのびるこれもゆったりした稜線を南に進み神楽ヶ峰(2030m)をこえる。

 

ウツボグサのむらさきの群落がなんだか夢のよう。

 

神楽ヶ峰をすぎるとようやく苗場山の本体が見えてきた。

夏の雲がわきあがり、すっきりとはみえない。

 

いったん苗場山との鞍部へとくだり始めるが、そこに水がこんこんと湧き出していた。

 

雷清水だ。冷たい水でのどをうるおし、一服いれた。

ここで山小屋で使うための水を補給していくといい。

私たちも泊まった苗場山頂ヒュッテは雨水をろ過して飲み水にしている。

私たちは自炊だったのだが、自炊の水も有料だった。

私は泊り客の自炊分くらいはもらえるのかと思っていた。

だからここで2リットルくらいいれておきたいところだが、これから急登があるので重荷はつらいけど・・・

 

鞍部はいろいろな花がたくさん咲いていた。カワラナデシコ。

 

リンドウはつぼみを固く閉じていた。

 

シモツケソウなど。

 

花々でいろどられた斜面の道を苗場山をとりまく急崖へとむかう。

 

いよいよ最後の急登だ。疲れてしまったメンバーを叱咤激励。

いやいや叱咤はなし。やさしく励ましただけ。

 

ようやく山頂台地に抜けた。

 

少しガスっているけど広々とした湿原が広がる。山頂ヒュッテも見えてきた。

 

池塘のあいだに続く木道を山頂へとむかう。

 

ようやく苗場山山頂に到着。山頂といっても広い台地の少し高くなったところ。

標識がないと気が付かないかも。

その日は、すぐそばにある山頂ヒュッテに泊まった。

 

翌日も同じような天気だったけど、5時には一人で外に出て写真を撮った。

 

少しづつ明るくなってきた山頂台地を取り囲むように流れる雲の向こうに山影が見えている。

 

大きく深呼吸。見晴るかす湿原の背の低い針葉樹のあいだに池塘が白く光っていた。

 

朝露を含んでゆれる花々と小さな池塘。

静かに風が流れる中を一人で散歩する。

 

ヒュッテの近くの台地の縁まで行ってみた。

流れる雲の間から、すぐ近くにピラミッドのような三角形の山が見えた。

なかなか荘厳な雰囲気で、北アルプスの剣岳がみえているのかと思ったほどだった。

こんなに間近に見えるはずはないので、たぶん西隣、秋山郷の向こう側にある鳥甲山だと思う。

 

朝食をおえて、みんなで湿原散策に出発。湿原の中央部にある苗場神社まで往復した。

 

南にむかって少しづつ高度を下げながら広がる山頂台地。

朝早くに流れていたガスは消えて見通しはよくなっていた。

広がる湿原の向こうには雲に隠れているけど南にある佐武流山らしき山影がみえている。

 

湿原植物のイワショウブがきれいだった。白く輝く湿原の線香花火。

 

もう8月半ばなので湿原の花を楽しむには少し時期が遅いのかもしれない。

 

文字が彫られた石塔がたくさんあった。

昔々に登った人々が信仰のために担ぎ上げてきたものだろう。

 

そしてそのそばに苗場神社の小さな祠が。

小さな祠は、年とともに古びて壊れ、また地元の人々によって新しくされて受け継がれてきたものだ。

 

イワショウブの群落。

 

こちらはキンコウカの群落。

 

9時半ごろには湿原歩きを終えて登ってきた同じ道を下山開始。

ギブス付きの人もいて下山もかなりゆっくり。

なにせ足首が固定されているのだから、下りの段差は上りよりもずっと歩きづらくなる。

午後4時すぎようやく車に戻ることができた。

 

苗場山、ほんとうにいい山だった。また行ってみたい。

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