足早に紅葉のシーズンが過ぎていく。
そんな10月も押しつまった26日、赤城山の北東にある前袈裟丸山に出かけてみた。
袈裟丸山は春のヤシオツツジで有名で、その時期のレポはヤマレコなどにたくさん掲載されている。
そんな山は秋の紅葉もいいのではないかと思いいってみることにしたのだ。
渡良瀬渓谷の国道122号線をさかのぼり、草木湖の先にあるわたらせ渓谷鐵道の沢入駅付近から林道に入った。
道は狭いがちゃんと舗装されている。
林道走りが長かった。もうついてもいいのでは、と思ってからさらに奥へとすすんで、ようやく折場登山口の駐車スーペスに到着した。
かなり広くて、東屋やトイレもあった。
駐車スペースからは南の方角が開けている。
よくみると関東山地の上に白くなった富士山が顔をのぞかせていた。
歩き始めは、横木をならべた階段だった。
さっそく紅葉の森が迎えてくれる。道は歩きやすい。
尾根に沿った道はカエデ類の色づきもまずまず。これを期待してきたのだから。
歩いている足元に黒いケーブルが続いていた。なんのためのものかわからない。
20分ほど登ると突然視界が開けて、目の前にめざす袈裟丸山が見渡せた。
斜面をおおう紅葉もなかなかいい。
この付近だけ木がなくて笹とススキにおおわれた斜面になっている。どうしてこうなったのだろう。
樹木が伐採されたあととも思えない。切り株がみあたらないのだ。
袈裟丸山の左手に目をやると赤城山だ。最高峰の黒檜山が思ったより間近に見える。
登っていく尾根の右側は紅葉のすすんだ落葉樹の森だ。気分良く歩けるなぁ。
登るにつれて斜面がゆるやかになり、笹におおわれた疎林のなかを行く。
突然目の前をニホンジカがかけて通り、少し先で立ち止まって私を振り返った。
久しぶりの山での遭遇だ。
鹿にであった地点の右手に岩場があった。見た感じでは火山性のように感じる岩だ。
登ってみた。別に展望があるわけではなかった。
岩場からおりて先に進もうとすると先ほどの鹿とまたであった。こんどは若鹿がいっしょだった。
ほんの5~6mに近づいても逃げようとせず、私をじっとみつめていた。
このあたりもシカが増えすぎて困っているらしく、登山コースは狩猟禁止になっているが、ニホンジカは除外されている。
このあたりから奥はツキノワグマが多いらしいが、オオカミとは違って、シカを捕まえて食べるわけではないようだ。
増えすぎて人間が捕獲する必要があるということらしい。
歩き始めて1時間ほどで賽の河原に到着。黒っぽい岩がごろごろしている。
ここは塔ノ沢登山口からの登山コースとの合流点でもある。
このコースには、こんな黒っぽい岩がゴロゴロしたところがところどころにある。
ここから塔ノ沢コースを少しくだるとトイレがあると書いてあった。
広々として気持ちのよい尾根道がゆるやかにアップダウンしながら続いている。
広々としたカラマツ林のなかを歩いたり、シラカバかダケカンバの疎林の向こうに袈裟丸山を望みながらすすんだり。
とにかく気分がいい。千頭星山への道を思い出すが、あの時はあんまり天気がよくなかった。
千頭星山(2020年7月15日) - 毎日が山のこと (goo.ne.jp)
そしてところどころで鮮やかに紅葉にもであう。途中の森の中の開けたところにはロボット雨量計の施設もあった。
アップダウンが繰り返されるのだが、ゆっくり歩いている分にはあまり疲れない。
少し登りが長く続いたその先が小丸山だった。
周囲の視界がひらけていて、奥日光の山々が見渡せる。
これは袈裟丸山の峰々。
袈裟丸山は、南北にいくつもの峰からなる山の総称らしい。
私が向かっている前袈裟丸山から後袈裟丸山。中袈裟丸、奥袈裟丸と続いている。
北には、庚申山と皇海山。その間に奥白根山が見えている。
こちらは男体山。その左のあたりは社山や黒檜岳あたりだろうか。
景色を見渡しながら少し休憩し、おにぎり1個と豆大福を食べた。
時間がないときは、この小丸山を目的地にしても十分に楽しめると思う。
ふたたび前袈裟丸山へむかって鞍部へとくだるとドラム缶型の避難小屋があった。
扉を開けてみると、日差しにあたたまった空気がもわっと流れてきて、カメラのレンズが曇ってしまった。
床には断熱用のウレタンマットが用意してあった。
そして近くには木造のトイレもあった。
この山はあちこちにトイレが設置してあってなかなかの心配りだ。
いよいよ大詰めだが、まだ小さなアップダウンがあった。
周囲がシラカバ林になって、目の前に前袈裟丸がせまってきた。
その登りの斜面の日陰に雪が残っていた。
ようやく頂上稜線に出ると視界が開け、遠くに雪をかぶった浅間山が見えた。
笹の道を登りつめたところが前袈裟丸の山頂だった。
折場登山口から3時間30分かかった。
少し樹木があって視界を遮られるが、そのあいだから武尊山が見えた。
こちらは谷川岳など上越国境の山々。
山頂からみわたす山々はやわらかn暖色におおわれていてなかなか美しい。
少し雲がひろがって日陰になってきてしまったが、日のあたっているところを探して写真におさめた。
この山頂にはベンチみたいなものはなくて、腰をおろして休める場所が少ない。
地面に木の板を横たえてあったのでそこで残りのおにぎり等を食べた。
そうしているうちに一人の男性が登ってきたので、休憩をきりあげて下山を開始した。
山頂にいたのは15分くらいだったろうか。
かえりは同じ道をひきかえしたので省略する。
最初に展望が開けた地点にあった紅葉。
最後に午後の日差しをあびて暖かな色につつまれた袈裟丸山の姿をカメラにおさめて今回の登山は無事終了。
こんどは郡界尾根から後袈裟丸へ登ってみたい。
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