これは前回投稿した花の秋田駒ケ岳の翌日に行った、乳頭山の北西、1200m付近にひろがる田代平を歩いた記録。
この日も妻を連れての山歩きだったので、できれば乳頭山頂上まで行きたかったのだが、妻が疲れてしまったので田代平まで引き返した。
宿の大釜温泉をでて、10分ほどで乳頭山の田代平コース登山口に到着。
秋田駒ケ岳は二度目だが、これから登る乳頭山はまったくの初めて。
にぎやかだった秋田駒ケ岳に比べてこちらは静かでうっそうとした森におおわれた山だ。
登山口のすぐ奥が孫六温泉だった。泊まるならこちらのほうがよかったなぁなどと思いつつ登山開始。
すぐにブナの深い森へと入っていく。
入り口には鉄パイプが置いてあって、熊さんにこれから山に入るよと知らせるためにこれを鳴らした。
妻は少々怖い様子だ。
湿り気をおびたブナ林の林床にはいろいろな花が咲いている。
さっそくギンリョウソウがお出迎え。
30分ほどのぼると沢の反対側の斜面が見渡せたが、一面がブナの純林だ。
丸っこい樹冠がもこもこと広がっていた。
すごい、これほどの純林は初めて見た。
マイヅルソウ。
下草もよく育っているので少し見通しがよくない。
熊さんと出くわさないか少し心配。そこでときどき大きな声をだす。
コイワカガミかな。
ブナの森を抜けると今度は湿原の花がお出迎え。
見晴らしのいい湿原はとても気持ちがいい。
それに安心だし(笑)。
登山口からちょうど2時間で分岐点にでた。右(手前)に行けば乳頭山。左(向こう側)に行けば田代平。
ここで妻が疲れたと口にしたので田代平までで引き返すことにした。
6月下旬の湿原は花盛り。コイワカガミとハクサンチドリ。
ワタスゲもたくさん。
チングルマも盛りだった。
広い田代平の中心部へ。
振り返ると乳頭山の特徴のある山頂が見えた。やはり行きたかったなぁ。
湿原の中心あたりまで歩いて木道に腰を下ろし昼食。
そよ風が吹いて、頭の上は少し雲が多いものの青空も見えている。
ほかには誰もいない。静かだ。
風にゆらゆらゆれるワタスゲ。
池塘にはミツガシワ。風で水面がわずかにゆらめいている。
そろそろ戻ることにする。乳頭山ともお別れだ。
機会があったらまた来て、今度は山頂まで行ってみたい。いやいやいっそ秋田駒ケ岳から縦走してみたいものだ。
木道にそってチングルマがびっしり。
これは、コヨウラクツツジみたいだけど花の付け根にへたみたいなのがついている。なんだろう。
遠くに昨日登った秋田駒ケ岳が見えた。
花も豊富で歩きやすくて、ほんとうにいい山だったな。
ハクサンチドリが並んでお見送り。
ふたたびブナの森へと向かう途中では、はるかかなたに田沢湖も見えた。
とうとう誰にもあわずに旅は終わった。
すばらしいブナの森と花の豊富な広い湿原。
体力のない妻でもゆっくり歩けば問題なく歩けるところだった。
また来たい。今度は孫六温泉あたりを早めに予約して、乳頭山まで歩いてみたいと思ったが、このあと妻はやっかいな病気が見つかり、手術後のいまも治療を続けている。
治療の合間に軽い山歩きなどはできていたのだが、最近始めた治療はほぼ3日がかりで点滴をするものなので、体力を奪われるしすっかり痩せてしまった。
なんとかもう一度つれていけるように回復してほしい。
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