これは鳥海山と月山(2019年8月11日~13日)前半の続きです。
鶴岡に泊まった翌朝は鶴岡駅前6時発のバスで月山へ向かった。
このバスは、途中羽黒山に寄ってから延々と走り、月山八合目まで行く。
そのバスには、前日鳥海山にのぼってこれから月山へという私と同じ穴のむじな、しかも同年配の男性が2人もいた。
バスは長距離を走るので羽黒山の山頂で15分の休憩。
バス停から羽黒山神社までは320mくらい。急げば、バスをおりて羽黒山神社まで往復してくることも可能。
月山八合目まではさらに1時間10分もかかる。駅からだと休憩含めて2時間15分。たいへんな長距離路線バスだ。
八合目の駐車場からは昨日のぼった鳥海山が雲海の上に姿を見せていた。
乗ってきた登山者たちはゆっくりと支度をしながら、次々に山へと向かう。
この日は月山頂上をめざし、その後姥沢にくだって、シャトルバスと鶴岡発山形行きのバスを利用し、新幹線で帰宅という行程。
この日月山は上空に雲はあるもののいいお天気だったが無風状態。暑さにへばった。
暑さだけではなく、旅の疲れも出たのかもしれない。
八合目駐車場からゆるやかな斜面を標高差にして60mほどあがると弥陀ヶ原だ。
弥陀ヶ原は広大な湿原で、池塘がたくさんあり、木道で周回できる。
私は妻と以前歩いたことがあるので周遊はしないで直接山頂へと歩き始めた。
高原状に広がる月山の山頂部を道はゆっくり南へと登っていく。それにしても暑い。心の中で「ちっとは吹いてくれよ」と悪態をつきながら登った。
少し傾斜が出てきて高原の一段上に登る感じになって登りつくとそこが佛生池小屋だった。
出羽三山のひとつ月山らしく池のほとりには石の仏やお供えの赤い花飾りが並んでいた。
佛生池小屋をすぎた斜面から振り返る。
こうして高原台地を一段づつあがっていく感じ。
一段あがるとそのたびにそろそろ山頂が見えるかななどと思っては裏切られた。
風があってもう少し涼しければこんないい山道はないだろうと思うが、風は吹いてくれない。
それにしてもこの広大な斜面はどうだ。
コバイケイソウが群落をつくっていた。
とてもいい景色なんだけど・・・暑い。
ようやく山頂の建物が見えた時にはほっとした。
八合目から山頂まで水平距離で4.5kmほどなのだが、なんだかほんとに長く感じた。
山頂に着いた時は軽い熱中症気味でおにぎり1個をむりやり水で胃袋へいれた。
体調はそれ以上悪くはならなかったので山頂の神社には寄らず早めに下山を開始することにした。
歩き始め、姥沢へと下り始めるあたりでは一時雲も広がったので日差しが遮られ、足取りも少し軽くなった。
山頂から西南西にのびる姥ヶ岳への稜線をくだる。
お盆休み真っ只中なので子ども連れの登山客も大勢いたが、暑さにうんざりした様子で、せっかくの月山にいい思い出が残ってくれるといいなと思った。
稜線からはずれて日当たりのいい南斜面をくだる。樹林がないので日陰もない。
何人かが休憩をしているあたりでふと見上げると白い雲に虹のような色がついている。
彩雲だ。結構あざやかな彩りだった。
休んでいた人たちも次々にカメラを向けていた。
途中から月山リフトで下るか迷ったが、沢から登り返すのがなんだかいやでそのまま下ってしまった。
でも地図を確認すればわずか30mをゆるやかに登るだけだったのだ。
もう一つは稜線からそれずに姥ヶ岳を経由して月山リフトに至るコースも楽に歩けそうでおすすめだ。
姥沢にはロッジの建物やトイレ、広大な駐車場があった。
姥沢からは町営のシャトルバスを利用した。これがかなりの距離を走る。
国道112号線の旧道、六十里越を走り、月山湖の畔で国道の新道、月山道路に合流。
そこからも延々と走って山形自動車道の西川インター近くの高速バス停まで送ってくれた。
このあと高速路線バスで山形に出て、東北遠征の旅を終え新幹線で帰路についた。
一人で出かけた鳥海山と月山をめぐる2泊3日の夏の山旅が終わった。