ゲノム編集について前回書きました。この技術は画期的であるとともに、生命倫理の問題を提起しています。ゲノム編集、という言葉が表すように、生物の設計図であるゲノムを書き換えることができる技術であるため、使いようによっては生物の多様性を破壊して行く危険を孕んでいます。
今はまだ、技術が未完成なため、膨大な遺伝子のある一カ所を変化させているつもりでも、実は他の場所でも変化している場合があります。とてもヒトへ応用する段階では無いようです。とはいえ、例えばある遺伝子変異による疾患の方にとっては究極の治療法であり、今後もこの技術はさらにブラッシュアップされることでしょう。
諸刃の刃は使いようなので、倫理規定を整備して、正しい運用がされるような法整備が待たれます。
その間に畜産、養魚方面で、応用が広まって行くことでしょう。
ところで、例のジカウイルスの件で、なにかウイルスが胎児の遺伝子に影響を与えているかのような話しを聞きました。風疹も同様ですが、妊娠中のこれらのウイルス感染で胎児遺伝子に影響を与えることはありません。
これらのウイルスは胎盤経由で胎児に入り、胎児の細胞に感染し、増殖して胎児の細胞にダメージを与えることがあるのです。遺伝子には影響をしませんが、発生途中の胎児の細胞がダメージを受けると、大人のダメージと甚大さが異なります。
風疹は以前から問題になっていました。ワクチンがありますので、お子さんをもつ予定の方は、ご夫婦でワクチン接種を確認し、していないならワクチンを接種しておくべきでしょう。
遺伝子とは関係ないですが、ワクチンの話しのついでに、麻疹のワクチンも是非。大人になっての感染は命に関わることがあります。是非受けておくべきと思います。