18きっぷで会いに行く『日本製』第9弾は、岩手県二戸市浄法寺町。
JR盛岡駅~いわて銀河鉄道線二戸駅~JRバス東北 天台寺バス停より徒歩10分。
漆の原材料が採れる日本一の産地で、工房兼販売施設の「滴生舎」さんを訪ねた。
日本で使われている漆は97~98%が中国産で、国産は2~3%でその7割が浄法寺産という。
更に、一本の木から採れる漆は、たった200cc牛乳瓶一本位とのこと。
外国産の漆は器にためておくため雨水や虫などの不純物も入ってしまうが、浄法寺産は
一滴づつ人が丁寧に掻きとっていくため、殆ど不純物は混ざらないという。
漆の木が育つまで15年。6月上旬に最初の傷をつけ、4日後にその上に次の傷をつける。
更に4日後又4日後にと傷をつけ、傷から滲み出た樹液をヘラで丁寧に掻きとっていく。
そうやって集まった樹液は、杉材の漆樽専用の樽に入れられ保存される、一樽100万と。
滴生舎の器は浄法寺漆100%、丁寧に塗って研ぐを繰り返す塗り重ねの手法。
国産漆の希少さを知れば、それがどれだけ贅沢な漆器か分かることが出来る。
3か月かけて作られる漆器は、まだちゃんとした漆の硬さにはならないので、
買ったら仕舞って置かないで、日々使って湿度を与えて少しづつ育てると良いと。
漆の木を植え育て、漆掻き、漆塗り、道具、漆樽職人、皆揃って仕上がる漆器。
使うごとに生まれる艶や光沢、抗菌作用もあるという漆器は実は実用的だと知った。
JR盛岡駅より先は、18きっぷ使用者には不便な地となってしまった。
JR盛岡駅からいわて銀河鉄道線二戸駅まで、2000円也。
日帰りは叶わなかったが、しかしどうせならと酒田、秋田経由で二戸入りした。
さらに、今回も、二戸駅からバスが出ていて本当に良かった。730円。
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