今日の商店会長 (早稲田商店会相談役 安井潤一郎)

日本でただ一人、商店会の会長現職で衆議院議員になった、早稲田商店会前会長日記。公式ホームページは左下ブックマークから。

新規事業、モデル事業、試験的な試み

2009-01-29 12:04:43 | 商店会長のコメント
第2次補正予算にも、平成21年度の本予算にも「新規」とか「モデル」とか「新たな」という文言の付いた補助事業が大変多く見られます。これは今回の補正予算や本予算にだけ見られる特異なことではなく、毎回のようです。

そう言えば新宿区の商店街活動の担当部局の方とお話していた時に「この申請では昨年との差異がありません。何か新しいことをしていただかないと補助金申請は受け付け辛いのですが」と言われ、「毎年同じことしかやらない役所から言われたくないなあ」と返答したことを思い出しました。

一昨年の4月まで15年間地元早稲田の商店会長を務めていました。この間、「先進商店街活性化」や「モデル事業」という冠の付いた補助事業をいくつも行ってきましたがただの一度も損益計算書、貸借対照表、資金繰り表等の財務諸表提出を求められたことはありません。

何故だろうと考えて分かりました。役所の担当者の方が読めないのです。自分で読めないから提出を求めないのです。私だって全ての業種の決算書は読めません。でも物品販売業なら、人件費率は13%を超えてはいけない、労働分配率は40%を目標にする、借り入れは月商2カ月分を超えると危険だ、純利益2.4%以上は社会に還元する等々のセオリーを読み取ることは出来ます。

物品販売業以外に飲食業、製造業、製造販売業、サービス業などで決算書の読み方はあるはずですし、それを読めて初めて「モデル事業」や「新規事業」が本当に地域商業の活性化に役立つのだと思います。

経験に裏打ちされた「勘」を否定はしません。しかし第2次補正予算や新年度の補正予算が成案になったからといって今の状況のままで中小零細事業者が活性化するとは思えません。「だからどうするのか」については次回に書きます。もうすぐ代議士会召集から本会議の開催です。
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