早稲田大学が他の大学と圧倒的に違うのは地域との緊密な連携です。
「まちの中の大学、大学の中のまち」と言われるだけでなく、卒業生からは「学んだ
のは大学だけど育ったのはまちだ」という地元で商売している人間としては涙が
出て来るほど嬉しいお言葉をいただくことが有ります。
その緊密な連携を維持、構築する重要な会合が毎年2回開催されます。
早稲田大学と7つの商店会で組織される早稲田大学周辺商店連合会(W商連)
の意見交換会、懇親会です。毎年1月が商店会側、7月は大学側が主催します。
昨日(7月26日)大隈会館を会場にしてその会合が開催されました。午後6時から
意見交換会、商店会サイドからの質問と要望を大学の管理職の皆さんが答えます。
「教育学部でカエルを飼育していた池が西門通りに面した所に有るが今は使われて
いないようだ。しかし水が溜っているので蚊が湧いてくる。埋められないか」
「自転車の駐輪所が足りないのか、私有地にも置いて行く。マナーが悪い」
「新3号館にはコンビニを入れないようにして欲しい」等々の意見、要望に対して
真摯に答えてくれます。他の大学では出来ないだろうなあと思う会合です。
意見交換会の後は会費制の懇親会です。昨日はここにサプライズが起こりました。
早稲田大学総長の鎌田 薫先生がお見えになったのです。大学の幹部職員さんも
驚く総長の出現です。
W商連の事務局長を30年にわたりお務めになった商店会の先輩、桜井一郎さんが
勇退する事になり、なんと大学からの感謝状を総長直々に手渡すセレモニーが行われ
たのです。左が桜井さん、真中が鎌田総長です。
「大学に文句ばかり言っていた桜井さんに感謝状を出すなんて、なんて懐の深くて広い
大学なんだ」と軽口をたたいたら、また桜井さんから怒られました。日本中に「大学まち」
と言われる所は数多く有るでしょうが、こんな事が出来るのは「うち」だけだと思います。