『フレンチアルプスで起きたこと』(リューベン・オストルンド監督、2014年)を観た。
スウェーデン人の一家が、スキーを楽しむためにフランスアルプスのリゾート地にやって来た。
幸せそうなその家族は夫のトマスと妻エバ、それに娘のヴェラに息子ハリー。
普段仕事に忙しいトマスは、たまに取った休暇を利用し、ここぞとばかり家族サービスに精を出す。
2日目の昼に山腹のレストランのテラスでランチを食べていると、目の前の山が雪崩になって迫って来た。
トマスは一人で逃げてしまい、結果的には全員無事だったが、残りの休暇は気まずいものになって・・・・
突発的な雪崩が来て、妻のエバは子供たちを庇ったのに、夫のトマスは逃げた。
映画は、観客のこちらに向かって、あなただったらどうしますかと問いかけているみたい。特に男のあなたは?
予期せぬ突発的な災害や事故が起きた場合、冷静な判断が必要だろうけど、その時、人は本能的にどのような行動を取るかわからない。
私だったら、ひょっとして逃げてしまうかもしれない。
万一、重大な結果になった場合は、非常にまずいことになるけど。
でも、身に危険が及ばなかったら、「怖かった、怖かった、ゴメン、ゴメン」と謝るよりしょうがない。
それを、トマスは逃げなかったと言うから、話がややこしくなる。
エバからすれば、この言葉から不信感が募る。そして、夫婦の間に亀裂が入る。
挙句の果てに、決定的な溝ができてしまう。
しかし、この夫婦、ちょっとどこか変。
まず、エバに常識がない。
バカンスを楽しみに来た友人カップルに向かって、夫は逃げたとなじる。
唐突にこんな話をされても、カップルは面白くもないし、案の定、その後で深刻な話になってしまう。
トマスの方はと言えば、例の県議会議員よろしく号泣したりする。みっともないったらありゃしない。
要は、二人とも大人に成りきっていない。
それを、この監督は無批判に映し出すから、段々とこちらの気が重くなってしまった。
それでも、心理描写がきめ細やかなので、話にのめり込んで飽きずに観れた。
ただ、誰もいない視界不良の場所で子供も連れて、四人だけでスキーをするかなぁと、その不自然さに驚いてしまう。
ラストのバスのシーンといい、話の必然性が欠けてて、あれれと思ってしまう。
でも、このオストルンド監督、管理人の雰囲気とかリフトの音とか、これからどんなサスペンスが展開されるのかと変に気を持たせるところが凄い。
ちゃんとしたサスペンスを作らせたら、ビックリするような傑作が出来るんじゃないかと思ってしまった。
スウェーデン人の一家が、スキーを楽しむためにフランスアルプスのリゾート地にやって来た。
幸せそうなその家族は夫のトマスと妻エバ、それに娘のヴェラに息子ハリー。
普段仕事に忙しいトマスは、たまに取った休暇を利用し、ここぞとばかり家族サービスに精を出す。
2日目の昼に山腹のレストランのテラスでランチを食べていると、目の前の山が雪崩になって迫って来た。
トマスは一人で逃げてしまい、結果的には全員無事だったが、残りの休暇は気まずいものになって・・・・
突発的な雪崩が来て、妻のエバは子供たちを庇ったのに、夫のトマスは逃げた。
映画は、観客のこちらに向かって、あなただったらどうしますかと問いかけているみたい。特に男のあなたは?
予期せぬ突発的な災害や事故が起きた場合、冷静な判断が必要だろうけど、その時、人は本能的にどのような行動を取るかわからない。
私だったら、ひょっとして逃げてしまうかもしれない。
万一、重大な結果になった場合は、非常にまずいことになるけど。
でも、身に危険が及ばなかったら、「怖かった、怖かった、ゴメン、ゴメン」と謝るよりしょうがない。
それを、トマスは逃げなかったと言うから、話がややこしくなる。
エバからすれば、この言葉から不信感が募る。そして、夫婦の間に亀裂が入る。
挙句の果てに、決定的な溝ができてしまう。
しかし、この夫婦、ちょっとどこか変。
まず、エバに常識がない。
バカンスを楽しみに来た友人カップルに向かって、夫は逃げたとなじる。
唐突にこんな話をされても、カップルは面白くもないし、案の定、その後で深刻な話になってしまう。
トマスの方はと言えば、例の県議会議員よろしく号泣したりする。みっともないったらありゃしない。
要は、二人とも大人に成りきっていない。
それを、この監督は無批判に映し出すから、段々とこちらの気が重くなってしまった。
それでも、心理描写がきめ細やかなので、話にのめり込んで飽きずに観れた。
ただ、誰もいない視界不良の場所で子供も連れて、四人だけでスキーをするかなぁと、その不自然さに驚いてしまう。
ラストのバスのシーンといい、話の必然性が欠けてて、あれれと思ってしまう。
でも、このオストルンド監督、管理人の雰囲気とかリフトの音とか、これからどんなサスペンスが展開されるのかと変に気を持たせるところが凄い。
ちゃんとしたサスペンスを作らせたら、ビックリするような傑作が出来るんじゃないかと思ってしまった。