昔、映画館で観た記憶がないので、たぶんテレビだろうと不確かなのに、映像の方は鮮明に記憶されている作品がある。
題名は『情婦マノン』(アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督、1948年)。
時は戦後。イスラエルに向う貨物船が、出港時、亡命ユダヤ人の一団を乗船させる。
船倉をユダヤ人たちにあてがったが、そこには男女二人の密航者が隠れていた。
名は、ロベール・デグリューとマノン・レスコー。
二人を送り返そうとする船長に、ロベールはマノンとのなれそめからのいきさつを話し出す。
連合軍の上陸作戦によって解放されかかっているノルマンディーの町。
ナチと通じていたとして、町の住民たちが居酒屋のマノンを取り押さえ、髪を切ろうとしている。
フランス遊撃隊は、住民のリンチを止め、警察に引き渡すまでマノンを教会に監禁することにした。
そして、その監視役はロベールがした。
監視をしていたロベールは、いつしかマノンの虜になってしまい、パリへ向けて二人で逃走する・・・・

ロベールはマノンに夢中である。マノンだってロベールが好きでたまらない。
しかし、マノンは貧乏が嫌い、おまけに家事もイヤ、する事が奔放。そんな性格。
だからロベールが、親がいる田舎に一緒に行こうと言っても、パリがいいと言う。
いつしか身飾り品をつけ出したマノンを不審に思うロベールが、彼女の後をつけていけば、そこは高級売春宿。
ひと悶着あっても、マノンを手放せないロベールは許してしまう。
闇取引の相手の米軍将校が除隊となって帰国する時、その将校と結婚するというマノン。
そのマノンを追うために、マノンの兄レオンを殺してしまうロベール。
そして、ロベールとマノンの逃避行。
いきさつを聞いた船長は情にほだされ、下船するユダヤ人の中に二人を紛れ込ます。
これで一件落着の目出度しみたいだが、そうはいかない。ロベールとマノンにとって、これからが真の逃避行となる。
それに並行して、観る者の脳裏に一コマずつ映像が焼き付いていく。
イスラエルに向けて、荒涼とした岩肌をユダヤ人たちの後についていく二人。
現れるアラブの一団。撃たれるマノン。
死んだマノンの足を持ち、背負って砂漠を歩くロベール。
力尽きるロベール。マノンの顔だけを残して砂に埋めるロベール。
「死んで、やっと僕だけのものになった」と語り、マノンに寄り添うロベール。

アべ・プレヴォー原作の『マノン・レスコー』を現代に置き換えて、戦前映画と決別した後半の斬新な作りが印象強く残っている。
これが、「究極の愛」というものかと一人で納得し、現実にマノンのような女性と知り合ったらチョット困るけど、
それでも映画の中のマノンだったら魅力的でいいな、小悪魔的な“セシル・オーブリー”が絶対いいな、とその当時から変わらず思っている。
題名は『情婦マノン』(アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督、1948年)。
時は戦後。イスラエルに向う貨物船が、出港時、亡命ユダヤ人の一団を乗船させる。
船倉をユダヤ人たちにあてがったが、そこには男女二人の密航者が隠れていた。
名は、ロベール・デグリューとマノン・レスコー。
二人を送り返そうとする船長に、ロベールはマノンとのなれそめからのいきさつを話し出す。
連合軍の上陸作戦によって解放されかかっているノルマンディーの町。
ナチと通じていたとして、町の住民たちが居酒屋のマノンを取り押さえ、髪を切ろうとしている。
フランス遊撃隊は、住民のリンチを止め、警察に引き渡すまでマノンを教会に監禁することにした。
そして、その監視役はロベールがした。
監視をしていたロベールは、いつしかマノンの虜になってしまい、パリへ向けて二人で逃走する・・・・

ロベールはマノンに夢中である。マノンだってロベールが好きでたまらない。
しかし、マノンは貧乏が嫌い、おまけに家事もイヤ、する事が奔放。そんな性格。
だからロベールが、親がいる田舎に一緒に行こうと言っても、パリがいいと言う。
いつしか身飾り品をつけ出したマノンを不審に思うロベールが、彼女の後をつけていけば、そこは高級売春宿。
ひと悶着あっても、マノンを手放せないロベールは許してしまう。
闇取引の相手の米軍将校が除隊となって帰国する時、その将校と結婚するというマノン。
そのマノンを追うために、マノンの兄レオンを殺してしまうロベール。
そして、ロベールとマノンの逃避行。
いきさつを聞いた船長は情にほだされ、下船するユダヤ人の中に二人を紛れ込ます。
これで一件落着の目出度しみたいだが、そうはいかない。ロベールとマノンにとって、これからが真の逃避行となる。
それに並行して、観る者の脳裏に一コマずつ映像が焼き付いていく。
イスラエルに向けて、荒涼とした岩肌をユダヤ人たちの後についていく二人。
現れるアラブの一団。撃たれるマノン。
死んだマノンの足を持ち、背負って砂漠を歩くロベール。
力尽きるロベール。マノンの顔だけを残して砂に埋めるロベール。
「死んで、やっと僕だけのものになった」と語り、マノンに寄り添うロベール。

アべ・プレヴォー原作の『マノン・レスコー』を現代に置き換えて、戦前映画と決別した後半の斬新な作りが印象強く残っている。
これが、「究極の愛」というものかと一人で納得し、現実にマノンのような女性と知り合ったらチョット困るけど、
それでも映画の中のマノンだったら魅力的でいいな、小悪魔的な“セシル・オーブリー”が絶対いいな、とその当時から変わらず思っている。