ポケットの中で映画を温めて

今までに観た昔の映画を振り返ったり、最近の映画の感想も。欲張って本や音楽、その他も。

『侍タイムスリッパー』を観て

2024年10月13日 | 日本映画

評判が良さそうということで『侍タイムスリッパー』(安田淳一監督、2023年)を観てきて、もう2週間以上にもなってしまった。

時は幕末、京の夜。
会津藩士高坂新左衛門は暗闇に身を潜めていた。
「長州藩士を討て」と家老じきじきの密命である。
名乗り合い両者が刃を交えた刹那、落雷が轟いた。

やがて眼を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。
新左衛門は行く先々で騒ぎを起こしながら、
守ろうとした江戸幕府がとうの昔に滅んだと知り愕然となる。

一度は死を覚悟したものの心優しい人々に助けられ少しずつ元気を取り戻していく。
やがて「我が身を立てられるのはこれのみ」と刀を握り締め、
新左衛門は磨き上げた剣の腕だけを頼りに「斬られ役」として生きていくため撮影所の門を叩くのであった・・・
(公式サイトより)

観てすぐに記事にすればよいけれど、最近書き出しては途中放棄となる作品が増え、だから下書きだらけになってしまっている。
そういうことで、この作品、観た直後の新鮮な気持ちからは遠ざかってしまっているけれど、一言で言えば、すごく面白かった。

江戸末期の侍・新左衛門が雷に打たれて、気が付けば今のこの現代。
ただ場所が時代劇撮影所だった関係上、本人は当時の時代だと錯覚し勘違いし続ける。
だから、違った服装の人も混じっているので変だなと思いながらもキョロキョロ、ウロチョロウロチョロ。

何と言っても、新左衛門の真面目さの設定がいい。
そして、それに輪を掛けての脚本の上手さ、素晴らしさ。
だから上映時間を忘れてのめり込むほどの楽しさ。
映画館で自然と声を出して笑ったのは久し振りで、思い出しても「フーテンの寅さん」の初期作品以来かもしれない。
そんな愛着を感じるこの作品、余裕があればもう一度観たい。
そしてなにもかも忘れて笑いたい。


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