『鶴八鶴次郎』(成瀬巳喜男監督、1938年)を観た。
鶴次郎と鶴八は、浄瑠璃の一流派・新内節の芸人である。
鶴次郎は幼い頃から、今は亡き鶴八の母に弟子入りし、鶴八と二人して一緒に芸を仕込まれた。
そして今では、名人会にも出演しその看板にもなっていた。
しかし、二人には喧嘩が絶えない。
鶴次郎は、鶴八の三味線の腕を認めるが、ここが違うと注文をつける。
それに対して鶴八は、母の娘としてこの道を受け継いでいるプライドがある。
ある時、二人を贔屓にしている旦那の松崎が鶴八と食事をする席で、鶴次郎との結婚を盛んに勧めてみたが、彼女にはそんな気は毛頭なかった。
だったら自分と結婚したらどうかと、松崎は言う。
そのような状況の中で、鶴次郎と鶴八は協会の幹部の勧めで温泉にいく。
そこで鶴次郎は鶴八に求婚し、鶴八はそれをずっと待っていたのに話がないので諦めていた、と言う。
そして松崎から求婚された話をし、それを聞いた鶴次郎はあいつとは会うなと言って、結婚を約束する。
二人は結婚をする前に、安定した基盤を作るため高座の掛かる小屋を買おうと考える。
何やかんやとようやく手にした小屋のお披露目の日、招待客の中に松崎の名があった。
鶴次郎は鶴八に詰め寄り、彼女の言うには、母の遺産では少し足りなくそのため寄付を申し出てくれたのだと言う。
鶴次郎はそれは何だと怒り狂い、全てを破談にしてしまう。
時が経って、鶴八は松崎の妻となり芸はやめている。
片や、鶴次郎はどさ廻りをしながら零落し、酒に溺れてすさんだ生活を送る。
ある日、元番頭の佐平が鶴八を訪ね、今一度鶴次郎と組んで名人会に出られるようにしてくれないかと頼む。
鶴八が了解してくれたので佐平は鶴次郎を探し出し、頼んでみると彼は案外とあっさりと承諾した。
高座は大成功に終わり、帝劇での披露という又とない話が舞い込んでくる。
鶴八はまた芸人に戻ろうと考えるが、鶴次郎がまた例のごとく、彼女の三味線の弾き方に文句をつけた。
黙っていられない鶴八は、頼まれたから一緒にやってやったのに、と言って楽屋から出て行く・・・
鶴次郎が長谷川一夫で、鶴八は山田五十鈴。
山田五十鈴はまだ二十歳を過ぎた辺りで、その凜々しい姿が、後年だけを知る身からすれば成る程と感心し納得する。
ラストで、鶴次郎は鶴八の幸せを考えて、その芸にわざとケチを付け身を引いていく。
折角舞台も成功し、今後とも二人して芸に生きていけばいいのにと思わせて、あっけなく終わってしまう。
そこをもう一工夫ほしいなと思うが、それでも内容の木目の細かさも手伝って、これは上等の出来だなと頷いてしまった。
鶴次郎と鶴八は、浄瑠璃の一流派・新内節の芸人である。
鶴次郎は幼い頃から、今は亡き鶴八の母に弟子入りし、鶴八と二人して一緒に芸を仕込まれた。
そして今では、名人会にも出演しその看板にもなっていた。
しかし、二人には喧嘩が絶えない。
鶴次郎は、鶴八の三味線の腕を認めるが、ここが違うと注文をつける。
それに対して鶴八は、母の娘としてこの道を受け継いでいるプライドがある。
ある時、二人を贔屓にしている旦那の松崎が鶴八と食事をする席で、鶴次郎との結婚を盛んに勧めてみたが、彼女にはそんな気は毛頭なかった。
だったら自分と結婚したらどうかと、松崎は言う。
そのような状況の中で、鶴次郎と鶴八は協会の幹部の勧めで温泉にいく。
そこで鶴次郎は鶴八に求婚し、鶴八はそれをずっと待っていたのに話がないので諦めていた、と言う。
そして松崎から求婚された話をし、それを聞いた鶴次郎はあいつとは会うなと言って、結婚を約束する。
二人は結婚をする前に、安定した基盤を作るため高座の掛かる小屋を買おうと考える。
何やかんやとようやく手にした小屋のお披露目の日、招待客の中に松崎の名があった。
鶴次郎は鶴八に詰め寄り、彼女の言うには、母の遺産では少し足りなくそのため寄付を申し出てくれたのだと言う。
鶴次郎はそれは何だと怒り狂い、全てを破談にしてしまう。
時が経って、鶴八は松崎の妻となり芸はやめている。
片や、鶴次郎はどさ廻りをしながら零落し、酒に溺れてすさんだ生活を送る。
ある日、元番頭の佐平が鶴八を訪ね、今一度鶴次郎と組んで名人会に出られるようにしてくれないかと頼む。
鶴八が了解してくれたので佐平は鶴次郎を探し出し、頼んでみると彼は案外とあっさりと承諾した。
高座は大成功に終わり、帝劇での披露という又とない話が舞い込んでくる。
鶴八はまた芸人に戻ろうと考えるが、鶴次郎がまた例のごとく、彼女の三味線の弾き方に文句をつけた。
黙っていられない鶴八は、頼まれたから一緒にやってやったのに、と言って楽屋から出て行く・・・
鶴次郎が長谷川一夫で、鶴八は山田五十鈴。
山田五十鈴はまだ二十歳を過ぎた辺りで、その凜々しい姿が、後年だけを知る身からすれば成る程と感心し納得する。
ラストで、鶴次郎は鶴八の幸せを考えて、その芸にわざとケチを付け身を引いていく。
折角舞台も成功し、今後とも二人して芸に生きていけばいいのにと思わせて、あっけなく終わってしまう。
そこをもう一工夫ほしいなと思うが、それでも内容の木目の細かさも手伝って、これは上等の出来だなと頷いてしまった。
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