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『めし』(成瀬巳喜男監督、1951年)を観た。
大恋愛の末に結ばれた岡本初之輔と三千代。
結婚から5年を経て、今は大阪に在住する夫婦は倦怠期に突入していた。
世間からは美男美女の幸福な家庭と見られているが、些細なことで衝突が続く。
そんな中、初之輔の姪である里子が家出して、東京から大阪へやってきた。
家計をやりくりしながら家事に追われるだけの日々に、疑問を持ち不満をつのらせていた三千代は、初之輔と里子の楽しそうな姿にも苛立ちを覚える。
三千代は里子に帰京を促し、里子を送る名目で東京の実家に里帰りする。
そして久々に、のんびりとした時間を過ごす。
三千代は自立も考えていとこに東京での職探しを頼み、悶々としていた・・・
(Wikipediaより一部修正)
岡本夫婦は、上原謙と原節子。
小津作品で見慣れているはずの原節子が、所帯やつれで痛々しい。
林芙美子の未完としても原作となれば、やはりニッチも行かない生活がベースとなる。
そんな中での家庭夫婦。
原節子の“こんなはずでなかったのに”との思いの表情。
のほほんと飯を食い新聞を読む夫を見る目つき。
皮肉なことに、この夫婦が喧嘩にならないのは、夫が妻の気持ちを察する洞察力もなく脳天気なため。
こんな中に、あっけらかんとした里子が二人の生活を無意識にかき回す。
三千代は離婚を胸に秘め、東京の実家に帰る。
でも、彼女にとって居心地のいいのは数日だけ。
結婚してまだ5年だと言うのに、三千代をこのような思いにさせるのは、やはり世の中の仕組みのためか。
ラストで明るさを取り戻したとしても、やはり原節子は小津作品のヒロインように明るくさせてあげたいと、心から願うばかりだった。
大恋愛の末に結ばれた岡本初之輔と三千代。
結婚から5年を経て、今は大阪に在住する夫婦は倦怠期に突入していた。
世間からは美男美女の幸福な家庭と見られているが、些細なことで衝突が続く。
そんな中、初之輔の姪である里子が家出して、東京から大阪へやってきた。
家計をやりくりしながら家事に追われるだけの日々に、疑問を持ち不満をつのらせていた三千代は、初之輔と里子の楽しそうな姿にも苛立ちを覚える。
三千代は里子に帰京を促し、里子を送る名目で東京の実家に里帰りする。
そして久々に、のんびりとした時間を過ごす。
三千代は自立も考えていとこに東京での職探しを頼み、悶々としていた・・・
(Wikipediaより一部修正)
岡本夫婦は、上原謙と原節子。
小津作品で見慣れているはずの原節子が、所帯やつれで痛々しい。
林芙美子の未完としても原作となれば、やはりニッチも行かない生活がベースとなる。
そんな中での家庭夫婦。
原節子の“こんなはずでなかったのに”との思いの表情。
のほほんと飯を食い新聞を読む夫を見る目つき。
皮肉なことに、この夫婦が喧嘩にならないのは、夫が妻の気持ちを察する洞察力もなく脳天気なため。
こんな中に、あっけらかんとした里子が二人の生活を無意識にかき回す。
三千代は離婚を胸に秘め、東京の実家に帰る。
でも、彼女にとって居心地のいいのは数日だけ。
結婚してまだ5年だと言うのに、三千代をこのような思いにさせるのは、やはり世の中の仕組みのためか。
ラストで明るさを取り戻したとしても、やはり原節子は小津作品のヒロインように明るくさせてあげたいと、心から願うばかりだった。
林芙美子の作品は随分と昔、「放浪記」で感銘し短編も読んで、もっともっと読みたいと思いながら、いつしかそのままになってしまいました。
原節子は、小津の一連の作品や黒澤明の「わが青春に悔なし」で馴染んでいましたが、このような所帯疲れの様は初めて見る感じです。
しかしながら成瀬巳喜男の演出は、役者からうまく味を出すなぁ、と感心します。
それと、おっしゃる通り、あの時代風景になぜか懐かしみがあって、まだまだ成瀬作品にのめり込みそうです。
次回は「放浪記」かなと思っています。
成瀬監督作品は林芙美子原作が多いですね。林芙美子の小説を
若い頃いくつか読みましたが ものを食べる箇所がたくさん書かれ
子どもの頃からの 食うや食わずの貧乏暮らしがうかがえます。
言われるように 小津監督が起用した原節子とは違ってこの作品は
しっかりと自分の意志を通そうとする妻役で 美しい妻が
生活に疲れたさまが出ていました。
劇中ご飯を丸いちゃぶ台で食べており 昔のわが家と同じで
ご飯もみそ汁も こんな感じで母が入れていました。
この作品も小津作品も もう決して見られぬ美しい日本の風景や
家並や駅の様子など これらを観るのも楽しみです。
『めし』はもう70年近く昔の作品なんですね。
杉村春子さんは この作品でも小津作品でも若い頃からずいぶん
老け役でしたね。笠智衆さんも小津作品では若い頃から
ずいぶん老けていますが ご両人とも違和感がないですね。