2019年度補聴器相談医委嘱および資格更新のための講習会が京都府立医大で開催され、「聴覚検査と補聴器」から「関連法規」までの八講義を拝聴した。本日の第25回参議院選挙は期日前投票をすでに役所に伺って完了している。いまだ梅雨が明けない京都市内では、御霊会に起源を有する祇園祭が一ヵ月間に渡り行われている。先の前祭(さきまつり)の山鉾巡行(本年は7月17日)に続いて、2014年度より後祭(あとまつり)の巡行(同24日)が復興した。
講習会開始前の早朝、近隣に足を伸ばして京都御所に隣接する梨木神社に参詣した。別名萩の宮と呼ばれる梨木神社境内の萩は、いまだ蕾なく艶やかな葉叢を見せたままである。講習会が予定よりも早く終わり、同じく講習会場より徒歩圏内の天台圓淨宗本山・蘆山寺を参拝することにした。廬山寺の源氏庭では、今年も紫の桔梗が苔の州浜に咲き乱れていた。
木槿・槿(むくげ)は梨木神社の参道に唯一咲いていた花である。「槿花一日の栄」の出典となった白居易の《放言五首》を下に掲げた。槿花は一日の寿命しかなくとも、確(しか)と一つの花を咲かせる。心に留めおくべきことは、「只(ただ)今日今時(こんにちこんじ)ばかりと思ふて時光をうしなはず、学道に心をいるべきなり。」である。
放言五首・其五 白居易
泰山不要欺毫末 顔子無心羨老彭
松樹千年終是朽 槿花一日自為栄
何須戀世常憂死 亦莫嫌身漫厭生
生去死来都是幻 幻人哀楽繁何情
泰山は毫末(がうまつ)を欺くを要せず、顔子は老彭(らうはう)を羨むに心無し。
松樹千年なるも終に是れ朽ち、槿花一日なるも自ら栄を為す。
何ぞ須(もち)ひん 世を恋ひて 常に死を憂ふを、
亦た身を嫌ひて 漫りに生を厭ふこと莫れ。
生去死来、都て是れ幻なり、幻人の哀楽、何の情にか繁(かか)る。
(白氏文集・巻十五│岡村繁著:新釈漢文大系99「白氏文集三」, p320-321, 明治書院, 1987)
講習会開始前の早朝、近隣に足を伸ばして京都御所に隣接する梨木神社に参詣した。別名萩の宮と呼ばれる梨木神社境内の萩は、いまだ蕾なく艶やかな葉叢を見せたままである。講習会が予定よりも早く終わり、同じく講習会場より徒歩圏内の天台圓淨宗本山・蘆山寺を参拝することにした。廬山寺の源氏庭では、今年も紫の桔梗が苔の州浜に咲き乱れていた。
木槿・槿(むくげ)は梨木神社の参道に唯一咲いていた花である。「槿花一日の栄」の出典となった白居易の《放言五首》を下に掲げた。槿花は一日の寿命しかなくとも、確(しか)と一つの花を咲かせる。心に留めおくべきことは、「只(ただ)今日今時(こんにちこんじ)ばかりと思ふて時光をうしなはず、学道に心をいるべきなり。」である。
放言五首・其五 白居易
泰山不要欺毫末 顔子無心羨老彭
松樹千年終是朽 槿花一日自為栄
何須戀世常憂死 亦莫嫌身漫厭生
生去死来都是幻 幻人哀楽繁何情
泰山は毫末(がうまつ)を欺くを要せず、顔子は老彭(らうはう)を羨むに心無し。
松樹千年なるも終に是れ朽ち、槿花一日なるも自ら栄を為す。
何ぞ須(もち)ひん 世を恋ひて 常に死を憂ふを、
亦た身を嫌ひて 漫りに生を厭ふこと莫れ。
生去死来、都て是れ幻なり、幻人の哀楽、何の情にか繁(かか)る。
(白氏文集・巻十五│岡村繁著:新釈漢文大系99「白氏文集三」, p320-321, 明治書院, 1987)