竹陰待渡│月瀬記勝・坤
月瀬梅芲之勝耳之久矣 、今玆糾諸友往観、得六絶句 頼山陽
月瀬の梅花の勝之を耳にすること久し、今玆諸友を糾(あつ)め往きて観る。六絶句を得たり。
四
兩山相蹙一渓明 両山相蹙(せま)り一渓明なり
路斷遊人呼渡行 路は断えて遊人渡を呼んで行く
水與梅芲争隙地 水と梅花と隙地を争ふ
倒涵萬玉影斜横 倒(さかしま)に万玉を涵(ひた)し影斜横
齋藤拙堂著:「月瀬記勝 乾・坤」看雲亭蔵版, 明治14年
入谷仙介注:江戸詩人選集「頼山陽 梁川星巌」, p152, 岩波書店, 2001
村田榮三郎著:「江戸後期 月瀬観梅漢詩文の研究」, p150, 汲古書院, 2002