風の記憶

≪記憶の葉っぱをそよがせる、風の言葉を見つけたい……小さな試みのブログです≫

村の話をしよう

2015年11月19日 | 「詩集2015」

大阪府には、村がひとつだけある。千早赤阪村である。
「一冊の絵本のような村」というのが、村のキャッチフレーズである。
絵本の古いページを開くと、鎌倉幕府から「悪党」と呼ばれた楠正成が現れる。今から700年ほども遡らなければならない。後醍醐天皇の倒幕計画に加担、後醍醐天皇が隠岐島に流罪となってからも、河内国の千早城に籠城して、独特のゲリラ戦法で幕府の大軍と戦った。大阪府内で一番高い山とされる金剛山の山懐に、いまも古い城跡が残っている。
村にコンビニはない。

大阪市内にも、村がひとつだけある。アメリカ村である。
大阪ミナミの繁華街である心斎橋のすぐ近くに、この村はある。村ではあるが、いつも若者たちが集まって賑わっている。若者たちの村ともいえる。
村の始まりは、アメリカ西海岸やハワイなどから輸入した衣服類が販売されていたことで、アメリカ村と呼ばれるようになったらしい。
その一角で、大阪W選挙の演説が行われていた。
「若者よ、戦場へ行こう!」ではなく、「書を捨てよ、町へ出よう!」でもない。若い候補者が若者たちに訴えていたのは、ただひとつ「若者よ、選挙へ行こう!」だった。
いま大阪で最も新しいニュースが、この村にあった。



”大阪アメリカ村RIBIAから”













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