風の記憶

≪記憶の葉っぱをそよがせる、風の言葉を見つけたい……小さな試みのブログです≫

星の命名

2010年04月24日 | 詩集「星の時間」
Etuke


始まりと終わりが
空のどこかにあるのだろうか
ぼくたちが
浮遊する影を見うしない
新しい影に気づくとき


草がもえる道で
ぼくたちは風になるだろう
蕾をおしひらく命の声を聞くだろう
影にみちびかれて迷子になるだろう
探しつづけて遠まわりするだろう


星と星は
しずかな音で響きあい
風は
風の始まりを告げている
かすかに花を揺らす
そんな言葉で


伝えたいことはまだ言葉にできない
名のない星が掌のなかで燃えている
指の先まで熱くなって
生まれでる合図を送っている


(2009)


この記事についてブログを書く
« 星の時間 | トップ | 流星群 »
最新の画像もっと見る

詩集「星の時間」」カテゴリの最新記事