「マスコミに踊らされている」ということをよく耳にしますが、情報化社会と言われる現代において「正しい情報とはなにか」「偏った見方になっていないか」ということを常に意識することがとても重要だと思います。
国際青年環境NGO「A SEED JAPAN」の広報誌にオルタナティブメディアについて特集が組まれていて、日本のマスメディアの問題点を鋭い視点で指摘していたので一部を紹介したいと思います。
- 新聞の宅配サービスは、日本では当たり前な便利なサービスですが、海外にはこのような制度はなく、新聞は駅や街頭で買うのが一般的です。日本のこの便利な制度によって新聞は、欲しい記事を自分で選択して読むものではなく、受動的に与えられて読む記事になっている。そのため、「よい記事を載せれば売れる」という市場の原理が働かなくなり、よい記事を載せるインセンティブが働かなくなり、情報が劣化していく危険がある。
- また、日本では「新聞-テレビ-地方ローカル局」が系列で繋がっている(クロスオーナーシップ)ために、独立してお互いを監視することが機能しなくなっている。テレビは政府の許認可事業であるため、政府が許認可権をたてにテレビに圧力をかければ新聞社にも影響が波及してしまうため、メディアの構造として脆弱である。
このような日本のマスメディアが持つ体質、構造的な問題は、なかなか問題視されにくいですが、知っているのと知っていないとでは情報を取り扱う上で大分違ってくると思います。
私は みのもんた があまり好きではないのですが、彼のコメントは事件に対してある意味わかり易くきっぱりとしているので万人受けするのだと思うのですが、その事件が発生した背景や例えば加害者がどうして事件を冒すことになったのかその社会的、あるいは精神的な背景には触れず、表面的な捉え方をすることが多いように思います。
何かの事件やニュースを聞いた際には、「物事には必ずその背景がある」「文化や宗教など価値観が変われば、必ず違う見方が存在する」「出来事は、原因があり、常に変化している」といった視点を常に持っておく必要があると思います。またメディアリテラシーの重要性も指摘されています。
仏陀が最初の説法(初転法輪)で説いた八正道の最初に来るのが「正見(しょうけん)」です。真実を追究し、物事を「正しく見る」ということ。そこから真理が見えてくるのだと思います。
とても難しいことですが、日々心がけておきたいですね。