日本の食料自給率が40%まで下がり、60%を輸入に頼っているという話題は、ここ最近ニュースや新聞などでよく取り上げられています。
また、食糧自給率が40%という現実があるのに日本の主食であるはずのお米の消費は下がり続け、供給過多による価格破壊が起きていて、農家は赤字経営でどうにもならなくなっているということも報道されています。
この大きな矛盾を考える時、食料を輸入で頼ることが環境負荷にどう影響するのかを考える必要もあると思います。食材は遠くで生産されればその分だけ運送にかかるエネルギー、CO2排出量は多くなります。国内のCO2排出量のうち、20%を運輸部門が占めていて、1990年と比べると1.2倍になっているそうです。これは食料自給率が下がっていることと密接に関係していることで、この食料の輸送に伴うCO2排出量を数値化したものを「フードマイレージ」というそうです。
食料自給率を上げ、また地産地消を進めることのメリットは、このフードマイレージによって数値化することでより分かりやすくなります。
例えばアスパラガスを国内生産したものとオーストラリアから輸入したのでは、299g CO2を余分に出すことになるそうです。(大地を守る会より)なるべくフードマイレージが小さいものを選ぶことが温暖化対策に繋がるということが、数値として理解できるのですね。
ミシュランの三ツ星レストランで世界一のグルメ大国であることが立証されましたが、米離れが進み、パンやパスタの需要が伸びて、自給率がわずか14%しかない小麦などの材料に頼っている日本の食の現実、海外からの食料に頼りきっている現実を考えると、グルメ大国だと一喜一憂している場合ではないと思ってしまいました。
地産地消、旬のものを食べる習慣、匠の技術、器や作法も大事にする和食の文化、そういった文化としての食があり、それを支える国の基礎となる農業が活性化してこそ、世界に胸をはれるグルメ大国なんだと思います。