「日本の木造建築の技術は、世界に誇れる素晴らしいもの」という印象は何となく皆さんが持っているものかなぁと思います。世界最古の木造建築物と言われる法隆寺は、607年に聖徳太子が建てたそうですが、宮大工による伝統工法は世界に誇れる日本の文化だと思います。
ところが、私たちが住んでいる家、特に高度経済成長期に建てられた家は、わずか30年たらずで立替えの時期が来ていると言われたりします。住宅ローンを組んで、せっせと働いて、ようやくローンを払い終わったと思ったら、もう家はぼろぼろ。。。資産価値はゼロ!なんて言われたらホントショックですよね。
もちろん、情けないだけでなく、わずか30年で立て替えるのは、大量消費社会の最たるもの、ホントもったいないですし、循環型社会にはほど遠い最悪の状態だと思います。
日本の建築廃材の2002年の発生量は5,500万トンで、産業廃棄物の総排出量の14%程度を占め、その約2割は住宅関連といわれているそうです。
そして、住宅の平均寿命は英国75年、米国44年に対し、日本は30年と極端に短い
日本の素晴らしい木造建築技術はいったいどうなってしまったのだろうか、、、
新しい建物を「作っては壊す」という住宅政策は、根本から間違っているのは誰でも分かることだと思うのですが、、、さすがに政府も考えたのか、新たな政策を始めました。それが、長期優良住宅認定制度 です。
これは、住宅を長期にわたり使用することにより、住宅の解体や除却に伴う廃棄物の排出を抑制し、環境への負荷を低減するとともに、建替えに係る費用の削減によって国民の住宅に対する負担を軽減し、より豊かで、より優しい暮らしへの転換を図ることを目的としているものです。
我が家ももちろん、この長期優良住宅の認定を受ける設計をお願いしていますが、その基準は、大まかには以下のようになっています。また、税制優遇もあります
◎耐震性
地震に強く、倒壊しにくい安心の家
◎耐久性能(劣化対策)
構造や骨組みのしっかりした長く住める家
◎維持管理・更新の容易性
メンテナンスの容易な家
◎住戸面積
必要な広さが確保された、暮らしやすい家
◎省エネルギー性
地球にやさしく、家計にもやさしい家
◎居住環境
地域のまちなみと調和した家
◎維持保全(維持保全管理、住宅履歴情報の整備)
「住まいの履歴書」付きの、長く快適に住み続けられる家
せっかく家を建てるなら、200年もつ家、100年もつ家に住みたいですよね。是非、これから家を建てるなら、この制度の認定がうけられる工務店を選ぶことをお勧めします。