先日、バックカントリースキーに行ってきました。場所は、妙高山(2454m)の麓にある妙高高原スキー場。
リフトを使ってゲレンデの最上部まで上がり、そこからスノーシューやシール(板のうらに滑り止めを貼って、板を履いたまま登っていく)を使って、妙高山の前山に2時間ぐらいかけて登り、そこから林間のパウダースノーを満喫してきました。
ガイドは、バックカントリースキー界の大御所 山田 敦さん。さすがプロだけあって、危険な箇所(例えば、雪崩の危険が高い箇所など)を的確に把握して回避してくれたり、安全な滑り方など的確に指示して頂けたので、初めてのバックカントリーでしたが、安心して滑ることが出来ました。
リュックを背負って一歩一歩雪山を登るのも初体験。
木と木の間を擦りぬけて滑るのも初体験。
パウダーをあれだけ満喫するのも初体験。
雄大な景色、美しい森、新鮮な空気、そして純白のパウダー。
まさに大自然を身体で感じながら滑る。こんな幸せはないですね。
今回滑ったエリアは、妙高山の前山エリアだったのですが、ブナの林となっていて、ブナ特有の植生から林間が広く、木の間を滑るには最適な森になっていました。登って行くにつれてダケカンバも生えていて、本当に美しい景観でした。
ところでブナの木は、"天然の水がめ"と言われるように広く枝分かれした枝葉で集められた雨水が幹を伝って流れ、細かく張り出した根っこと照葉樹林特有の腐葉土にたくさんの水を蓄える性質があります。そして、蓄えた水はゆっくりと濾過され、湧き水となって流れ出します。そのためブナの森に流れる川は、大雨が降ってもめったに濁ることがないそうです。
バックカントリーを楽しんだ後は、妙高山の麓にある関温泉に泊まったのですが、妙高山には関温泉をはじめ、燕温泉、赤倉温泉、新赤倉温泉、池の平温泉、杉野沢温泉、妙高温泉、っといった具合にたくさんの温泉が沸いています。おそらくこれは、ブナの森が育んだ豊富な地下水のお陰なのだと思われます。先週末に行った野沢温泉スキー場の周辺もブナの森があって、麓ではたくさんの源泉から温泉が湧き出ていました。ブナの森の計り知れない恩栄に感謝ですね。
日本にはブナの森が東日本、北日本を中心に広がっていますが、戦後の植林事業や公共事業によりその面積は大幅に減ってしまったそうです。しかし最近では、生物多様性保全、自然保護への関心が高まり、各地で人工林を自然林に変えていく活動が行われているようです。もっともっとたくさんのブナの森が復活し、多様な生物が生活する豊かな森が増えるといいですね。
スキーを通して、自然の素晴らしさを再度痛感し、自然保護の大切さを再認識しました。
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妙高山(2454m) |
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野沢温泉スキー場も見えました。 |