知足

自然と共に素敵に生きたい

オール電化は本当にエコ?

2011年02月15日 | ECOハウス

TV CMでもエコをアピールしているオール電化ですが、本当に環境にいいのでしょうか?確かに昔の電気給湯器に比べたらエコキュートは格段に効率が良くなっているのはとても喜ばしいことだと思います。ただ、私たちが目指す社会はオール電化が正しい姿だとは、どうしても思えないですね。格段に効率が上がったエコキュートでも、従来のガス給油機に比べた場合、トータルのCO2排出量で比較すると、実はガスの方が圧倒的に環境に優しいことが分かります。

東京ガスのホームページに詳しく紹介されていますが、同じエネルギー(熱量)100を得るのに必要な1次エネルギーで比較すると、ガスなら179に対して、電気は345も必要なんですね。

『やかんでお湯をわかすために必要なエネルギーを100とします。ガスコンロの熱効率を56%とすれば、お湯をわかすために必要な都市ガスのエネルギーは 179です。天然ガスから作られる都市ガスは、製造時・輸送時のエネルギーロスは、ほとんどゼロ。したがって、ガスコンロを使用する場合、お湯をわかすために 必要な原料の一次エネルギーは179ということになります。

一方、IHクッキングヒーターなど電気コンロの場合もお湯をわかすために必要なエネルギーは同じ100。電気コンロの熱効率を79%とすれば、必要な電気のエネルギーは127です。しかし電気の場合、火力発電所での排熱ロス、送電線での送電ロスがあるため、電気を作り出すために必要な原料の一次エネルギーは345と、ガスコンロの場合のおよそ1.9倍にのぼります。

つまり同じ量のお湯をわかすのに必要な一次エネルギー(石油、天然ガスなど原料の持つエネルギー)で考えると、ガスコンロは電気コンロの約半分であり、省エネルギー性はガスコンロの方が段違いに高いことがわかります。 』


(東京ガスホームページより)

CO2排出量で比較すると、電気コンロを使った場合は、ガスコンロに比べて2.65倍のCO2を排出することになります。電気コンロの効率が高いからと言って、環境配慮としてはベストチョイスでは決してないということですね。

アール電化にした場合には、電磁波の影響も気になる人も多いと思います。例えば環境にも健康にも良い床暖房もオール電化にした場合には、電熱線を床下に張り巡らすことになり、電磁波を発する床の上でくつろぐ、ということになってしまいます。電磁波の人体への影響は未だハッキリした見解は出ていないようですが、予防原則からしても私は電気を多様する生活スタイルは疑問に思っています。

では、どうするのが良いかのか?

私が今の技術でエネルギーのベストミックスを考えた時の答えは、『太陽熱湯沸かし+エコジョーズ(ガス湯沸かし器)+太陽光発電+ペレットストーブ』という回答になりました。

CO2排出ゼロを目指すには、まず考えないといけないのがお湯をどう沸かすか。家庭のエネルギー消費の約50%は給湯と暖房の低温熱需要だと言われますが、お湯を沸かすのに一番効率が良いのはやはり太陽熱湯沸かし器ですね。

太陽熱湯沸かし器は、太陽熱を利用してお湯を沸かす古くからある技術ですが、最近見直されてきています。太陽熱システムは、同じく太陽エネルギーを使う太陽光発電に比べて効率が高く(エネルギー変換効率が太陽熱は40~60%、太陽光発電は10%台程度)、ある程度の温度まで太陽熱で温め、残りは効率に優れたエコジョーズ(ガス給油機)を利用するのがベストだと思います。

次に暖房についてですが、まず何よりも大事なのが家自体の断熱性(お風呂も含む)を考えること。我が家は、環境性能も高い「羊毛断熱+フォレストボード+白洲そとん壁+珪藻土+漆喰」 などを組み合わせて高断熱仕様の家にしています。その上で暖房器具をどうするか悩みましたが、床暖房なども考えたのですが、使用時のCO2排出がほぼゼロである『ペレットストーブ』が一番という結論になりました。

では電気をどうするか。まずはLED電球など徹底的に省エネを考えつつ、グリーンエネルギーをうまく使うことが大事ですが、グリーンエネルギーとしては燃料電池も考えましたがあまりに高額なのと、まだ技術的にも発展途上であることから太陽光パネルにしました。ゼファーなど小型の風力発電も考えましたが、残念ながら住宅密集地なので騒音を考えて諦めました。

ということで、我が家のエネルギーベストミックス(目指すはCO2排出ゼロ)は、『太陽熱湯沸かし+エコジョーズ(ガス湯沸かし器)+太陽光発電+ペレットストーブ』 ということになりました。

実際に光熱費(エネルギー消費)がどうなるか、1年データを取って検証しようと思っています。

 


長期優良住宅

2011年02月02日 | ECOハウス

「日本の木造建築の技術は、世界に誇れる素晴らしいもの」という印象は何となく皆さんが持っているものかなぁと思います。世界最古の木造建築物と言われる法隆寺は、607年に聖徳太子が建てたそうですが、宮大工による伝統工法は世界に誇れる日本の文化だと思います。

ところが、私たちが住んでいる家、特に高度経済成長期に建てられた家は、わずか30年たらずで立替えの時期が来ていると言われたりします。住宅ローンを組んで、せっせと働いて、ようやくローンを払い終わったと思ったら、もう家はぼろぼろ。。。資産価値はゼロ!なんて言われたらホントショックですよね。
もちろん、情けないだけでなく、わずか30年で立て替えるのは、大量消費社会の最たるもの、ホントもったいないですし、循環型社会にはほど遠い最悪の状態だと思います。

日本の建築廃材の2002年の発生量は5,500万トンで、産業廃棄物の総排出量の14%程度を占め、その約2割は住宅関連といわれているそうです。

そして、住宅の平均寿命は英国75年、米国44年に対し、日本は30年と極端に短い

日本の素晴らしい木造建築技術はいったいどうなってしまったのだろうか、、、

新しい建物を「作っては壊す」という住宅政策は、根本から間違っているのは誰でも分かることだと思うのですが、、、さすがに政府も考えたのか、新たな政策を始めました。それが、長期優良住宅認定制度 です。

これは、住宅を長期にわたり使用することにより、住宅の解体や除却に伴う廃棄物の排出を抑制し、環境への負荷を低減するとともに、建替えに係る費用の削減によって国民の住宅に対する負担を軽減し、より豊かで、より優しい暮らしへの転換を図ることを目的としているものです。

我が家ももちろん、この長期優良住宅の認定を受ける設計をお願いしていますが、その基準は、大まかには以下のようになっています。また、税制優遇もあります

◎耐震性
  地震に強く、倒壊しにくい安心の家

◎耐久性能(劣化対策)
  構造や骨組みのしっかりした長く住める家

◎維持管理・更新の容易性
  メンテナンスの容易な家

◎住戸面積
  必要な広さが確保された、暮らしやすい家

◎省エネルギー性
  地球にやさしく、家計にもやさしい家

◎居住環境
  地域のまちなみと調和した家

◎維持保全(維持保全管理、住宅履歴情報の整備)
  「住まいの履歴書」付きの、長く快適に住み続けられる家

せっかく家を建てるなら、200年もつ家、100年もつ家に住みたいですよね。是非、これから家を建てるなら、この制度の認定がうけられる工務店を選ぶことをお勧めします。