知足

自然と共に素敵に生きたい

インド悠々自適一人旅

2006年05月05日 | インド旅行記

 2006年4月22日から約2週間、念願のインドを旅してきました。ヴァラナシに本当は行きたかったのですが、外務省の安全情報を見ると06年3月に列車爆発のテロがあったということで断念。 ラージャスタン州と、アーグラ、そしてヨガの聖地リシケーシュetcを旅してきました。

 ※少しずつですが、更新していく予定です。お楽しみに。。。


 


ビーカーネール「Bikaner」

2006年05月05日 | インド旅行記

▼インドへ向かう                          

 4月22日(土) 成田発 AIR INDIA航空 AI309便で一路デリーに向かう。

 

 飛行機の中に魔法の絨毯の絵があった。いよいよインドに行くという気になってきた。
 飛行機の中では、隣の席のインド人からインドの話やヨガの話で盛り上がった。ヨガをするなら夜10時に寝て、朝は5時起床がMustと言われたので、今回の旅行中は毎日5時起きでヨガをした。

  夜の9時近くにデリー空港に到着。パハルガンジ地区(Old Delhiのすぐそば)にある「Star Paradise」というホテルに泊まる。安い(Rs375 約1000円)割りになかなか綺麗なホテルで満足。サービスで出してくれたチャイに涙。。。

 

 今回の旅では、デリーから出発してラージャスタン州をぐるりと一周し、アーグラ、そしてデリーに一旦もどってくるまでを現地でツアー(運転手と二人)に申し込み、後半のリシケーシュ、ハルドワールは一人で旅した。

 まずは、デリーを出発し、ビーカーネールへ向かう。

 

 この人は、運転手のMr Singh(シンさん)。私と同じ年で2人のお子さんがいるとのこと。

  デリーからビーカーネールまでは、7時間も砂漠の中をドライブした。気温はなんと40度を超えていた。

 砂漠の中の道では、キャラバンやラクダや牛やどう考えても積載オーバーだろう!というトラックやそして人々とすれ違った。

▼ビーカーネールの街を散策                

 

 ビーカーネールでは、「CARBA」というHotelに泊まった。これは、朝食。チャパティー(chapati)の横にカーリーが出てくるのかなぁと期待していたら、これだけだった。。。

 

 

 ビーカーネールの街は道幅が狭いので、オートリキシャで移動した。運転手さんも陽気な人で、寺院の説明とかを分かりやすくしてくれた。

 
 
 

 ビーカーネールの街は、まさに活気付いていた。ラクダや牛車や馬車や犬etcの動物が街の中を悠々とのんびり歩いているかと思えば、オートリキシャやジープがけたたましいクラクションを鳴らして通り過ぎ、商人たちがいろいろな店を出している。
 

 

 そして、オートリキシャで狭い路地を抜けていくと、突如とても綺麗な建物が見えてきた。ヴァイシャ(カースト制:商人)の豪邸で今は都会に出ていて空き家なんだとか。。。それにしてもキャラバンたちで活気づいている汚く騒々しい街とはなんとも対照的な所だった。
 「動」と「静」が混在し、包み込み、全てのカオスを内包する、、、そんな印象を受けました。


▼バーンダサール寺院(Bhandasar Temple)「ジャイナ教」 

 
 

 ジャイナ教のバーンダサール寺院は、とても美しい寺院で真っ白な神像、繊細に描かれた神々の絵がすばらしかった。この装飾画は、全て物語りになっていて何枚かについてオートリキシャの運転手が説明してくれた。
 右下の絵は、「木の上に人々がいて、象が木を倒そうとしていて、その下ではコブラが口を空けて待っている。そこへ、カーペットに乗った神様が助けに来る、、、、」といったような話だったと思う。。。

 真っ白な神像は、毎朝ギー(水牛の乳から作られたバター)で磨き、新たにデコレーション(色付け)しているそうで、普通は部屋の中までは入れないのだが、何故か?特別だと言って中まで入れてくれ、僧侶がデコレーションする様子を見させてもらえた。

 それぞれの宗教によって崇拝するものが違うのは当たりまえと言えばそうなのだが、インドではヒンズー教、イスラム教、ジャイナ教、シーク教、仏教、キリスト教などなど、ほんとにたくさんの宗教が混在しているので、それぞれの宗教の寺院を見て回るだけでもとても楽しい国だと思う。またこれだけの宗教を内包しているのも「インドらしい」と感じた。

 

 天井には、お月様太陽の絵もあった。『陰』と『陽』を表しているのだろう。ヨガでも、例えば呼吸法には「月の呼吸」、「太陽の呼吸」、その中間の「水の呼吸」とあるように、陰と陽がバランスを取り、調和し、共生している。まさにインドを表しているような気がした。


▼ カルニ・マーター寺院(Karni Mata Temple)       

 

 ここは通称「マウス寺院」と言われ、ネズミ様は聖なる生き物とされ、何千匹というネズミ様がいる。
 この釜は、ネズミ様に差し上げるミルクを作るもの。釜の周りにもたくさんのネズミ様がいて、ヒンズー教の人々が拝んでいた。

 

 釜の前には、できたミルクをネズミ様がおいしそうに飲んでいた。
 なかなかかわいいなぁと思って写真を撮っていると、近くにいた女の子が満面の笑みで手招きしていた。

 何だろうと見てみると、指差す方向に白いネズミ様がいた。
 「白ネズミ」はとてもめずらしく、白ネズミを見ることができた人は、幸運が約束される。と、Singhさんがちょっと興奮気味に説明してくれた。
 なんだか今回のインド旅行も幸運に恵まれそうな気がしてきた。

 

 それにしてもネズミを信仰するのは世界的にも珍しいと思うのだが、牛や孔雀やネズミなどたくさんの動物をも信仰の対象にしているヒンズー教の深さにますます魅力を感じてしまった。

 


ジョードプル「Jodhpur」

2006年05月05日 | インド旅行記

▼ ジョードプルへの道                    

 

 ビーカーネールから次の目的地「ジョードプル」までの道は、ひたすらタール砂漠を通るルートで、ACを点けていてもかなり暑かった。約5時間のドライブでひたすら真っ直ぐな道をミラーもメーターも壊れた「Suzuki」は、かなり頑張って走ってくれた。。。


▼ビジョノイ・ビレッジ・キャンプ(Vishnoi Village Camp) 

 

 ジョードプルから車で20分ぐらいの距離にある「Bishnoi Village Camp」に行った。ここは、砂漠の中にあって、とてもかわいらしいコテージに宿泊できるキャンプで、コテージは藁葺き屋根に土塀でできていて、とてもかわいらしくて泊まってみたくなった。


 庭には、きれいな砂漠の砂があり、この上を裸足で歩くとすごく気持ちよかった。ここは、実はヨガをやるところで、とても素敵なグルとそのお弟子さんがいた。行った日がたまたま定休日で人がいなかったのだが、普段はたくさんの人が訪れる世界的に有名なところとのこと。

 


 こんな素敵な場所で、毎日ヨガができたらなんて素敵なんだろう、、 、と思いながら、しばらくの間ヨガなどの話をして過ごした。


 「Bishnoi Village Camp」のすぐ近くには、ヨガ用の手編みのマットを作っているところがあって、でできたすばらしいマットを購入することができた。
 麻で織られたマットの上でヨガのアーサナを行うとそれだけで全身のツボが押され、健康によいとのこと。実際にやってみるとこれが本当に気持ちよいです。

 

▼メヘランガル(Meherangarh)               

 「なんと雄大な城塞を作ったのだろう。。。」Singhさんの運転でこの城塞に近づくにつれて思わずため息が出た。
 マハーラージャ・マン・スィンが敵国から守り抜いたのも大いに納得できた。

 
 

 入り口で日本語が聞けるヘッドホンを借りて日本語の説明を受けながら城内を回れたので、歴史などが分かってとても良かった。それにしても、久しぶりの日本語にちょっとぐっと来るものがあった。

 Sinhgさんは、入場料がかかるから入り口で待っていると言ったので一人で城内を散策していたら、博物館の前辺りでSinghさんと再会した。なんでも中を見たことがなかったので、気が変わったとのこと。そこからは二人でしばらく散策し、二人で感動していた。

 城内はかなり広く、だんだん喉が渇いてきたのでSinghさんに言ったらレストランを発見してくれた。Singhさんが中に入ろうとしたところ、マハーラージャ(警備員?)に「NO!!」と怒鳴られ、Singhさんはヒンディ語で一言何か言ってから、かなりムッとした顔で戻ってきた。
 そして、「Let's go!!」と次の場所に進もうとしたら、ようやくマハーラージャはSinghさんが私と一緒だったことを理解して、「Hei You!! Come back!!」。どうやらレストランには外国人や身分の上の人しか入れなかったようなのだ。これも「カースト制」なんだろう。。。

 

 

 城塞の上からは、ジョードプルの街が一望できた。ジョードプルは、ブルー・シティと言われ、家が青色に塗られている。
 青は、バラモン(僧侶:カースト制)の家を意味するらしく(今ではバラモン以外もOKになっている)、とても神秘的だなぁと思った。この青塗料は、虫除けにもなるらしい。


▼ジャスワンターダ(Jaswant Thada)           

 メヘランガルから約1kmのところにある「ジャスワンターダ」は、撮影するのにお金がかかったので写真はないのですが、すばらしい英国風の庭園と風変わりなドームがある。

 そのドームに入ろうと入り口まで行ったのだが、、、何故だか背中がゾクゾクして中に入りたいと思わなかった。なんだか恐ろしくなって、そのまま外に出てしまった。

 車に戻り、ガイドブックを読んでみたら「ジャスワンターダは、霊廟の後ろには、王族の火葬場があり、、、」と書いてあった。あのゾクゾクと何か関係があるのだろうか、、、、。

 


▼ドリンクバー                         

 

 日中は非常に暑いので、絞りたてのフルーツジュースは欠かすことができない。
 作っているところを見ていたら中に入って休むように言われ、店というか家の中にお邪魔した。
 店の奥では、ご主人が足踏みミシンでシャツを作っていた。

 

▼ウマイド・バワン・パレス(Umaid Bhawan Palace)   

 そろそろ皆にポストカードを送ろうと思って、Singhさんにポストカードを買いたいとリクエストし、何軒かお店を当たってくれたのだが、どの店にも置いていない、、、。仕方なく、ミュージアムとかに行けばあるだろう、ということで、「ウマイド・バワン・バレス」に行くことにした。

 

 この宮殿は、マハーラージャ・ウマインド・スィンのために建てたもので、今でも彼の後継者が住んでいるらしい。さらにその半分はHotelになっている。いったいこのHotelはおいくらなんだろう。。。とみょーに貧乏くさくなってしまった。

 一通り博物館を見て周り、とても流暢な英語を話す護衛さんにポストカードは売ってないか尋ねたところ、とても丁寧に教えてくれた。

 がしかし、そこも見つけることができず、、、結局、何軒か本屋を回り、やっとの思いでポストカードを買うことができた。探し回ってくれたSinghさんに感謝である。


▼マンドール(Mandore)                    

 

 ジョードプルから車で10分ぐらいのところにあるマンドールには、石造りの綺麗な英国式の庭園とヒンズー寺院がある。

 公園に入るとまず出迎えてくれたのは、お猿さんたち。寺院とお猿さんの組み合わせがなんとも言えない雰囲気をつくって

いた。お猿さん以外には、リス、牛、孔雀などの動物がいた。動物たちとうまく”共生”しているインド。環境保護のヒントがここにあるような気がしました。

 インドの子供たちは、みんな写真好き。カメラを構えるとちょっと照れながら笑顔を見せてくれた。

 
 

▼インドの結婚式                       

 Hotelに戻る途中、たまたま結婚式に遭遇しました。神棚の前で祈願した後、花嫁さんを真ん中にして拍手の中、家の中へと入っていきました。とても綺麗なお嫁さんで幸せそうでした。

 


ジャイプル「Jaipur」

2006年05月05日 | インド旅行記

▼野菜バー                           

 

 ジャイプルへ向かう途中、踏切を渡ったところで、野菜売りのお兄さんを発見。きゅうり、トマト、ハープ、うり(名前が分からない)を輪切りにして皿に盛り、スパイスをかけてくれる(右上)。
 とっても新鮮な野菜で水分補給にも最適&とてもおいしかったです。

 お皿は、葉っぱを圧縮させて作ったものでした。食べ終わるとその場で捨ててしまうのですが、これなら自然に返るので環境にもやさしい。ラッスィも普通は陶器の入れ物に入って出てきて、飲み終わるとその場で地面に叩きつけて割るのがインド流なんですが、これも土に返るのですね。

 

 インドでは、どこへ行ってもごみだらけなのですが、これはプラスチック用品が入ってきて、プラスチックも同じように使い終わるとポイポイその辺に捨ててしまい、当然プラスチックは自然に返らないので、街中、インド中がごみの山となってしまっているのだなぁと、考えさせられました。

 

 昔ながらの生活スタイルなら問題にはならなかったし、インドのような細かいことに拘らないような文化では、ごみをきちんと処理するというのは、正直大変だろうと思った。
 が、このごみ問題にしろインドの環境問題はかなり深刻なので、真剣に対策を考えなければならない時代だと思う。


▼ジャイプルでお買い物                   

 ジャイプルは買い物に最適です。デリーやジョードプルなどの街よりも質のいいものが揃っています。ただし、かなり吹っかけてくるので、ディスクカウントは必須です。

 

 ジャイプルで泊まったHotel「Sajjan Niwas」。綺麗なお庭があって、早朝ヨガをやっていたらやぶ蚊に刺されて大変でした。

 

 これは、カシミール産のシルクのカーペット。肌触りがすごくよくて気に入ったので、購入しました。かなり粘って、言い値の半額で買うことができました。ディスカウントは、粘ったもの勝ちですね。

 

 この靴屋でサンダルを購入しました。皮製でかなり履きやすかったですが、ちょっと高めで買ってしまったかも。
 この人は、ちょっとホモっぽかった。Singhさん曰く、インドにはホモがたくさんいるとか?!

 

 マーケット通りを悠々と象さんが歩いていた。観光客用に背中に乗ることができるみたいでした。
 乗ってみたかったのですが、一人で乗るのもなぁ、、と思って断念しました。


▼ガルタ(Galta)                        

 

 ガルタは太陽神を祭っているヒンディ寺院で、お猿さんがたくさんいました。ここの猿は、ニホンザルに良く似ていました。
 この寺院はかなり険しい山を登っていかなといけないのですが、途中には池があって子供たちが楽しそうに泳いでいました。かなり高い崖の上から跳びおりたりして遊んでいたのですが、とても暑かったので、私も泳ぎたいなぁと衝動に駆られてしまいました。


▼中央博物館、ピンク・シティ                

 

 中央博物館は、外観はすごく立派だったのですが、中の展示品はあまり見る価値はないかなぁ。

 

 ジャイプルは、ピンク・シティが有名。旧市街地は、城壁に囲まれていて立派な門がたくさんある。街中がピンク(といっても茶色に近い?)で、とても幻想的な雰囲気でした。


▼シティ・パレス(City Palace Complex)          

 

 なんとも贅沢の極みをいっているのだろう。そんな印象を受けました。ラージャスターン建築とムガル建築が交じり合っているということで、なんともユニークな感じもする建物郡で一見の価値はあると思います。
 ただ個人的には、贅沢な宮殿や城塞よりもヒンディ寺院やジャイナ教寺院といった宗教建築の方が、何となく動きがあるというか、生き生きしている感じがして好きだなぁと思っています。どうもムガル帝国時代のマハーラジャの建てた建築物は、どれも豪華なんだけど何か心寂しいような気がしてしまうのです。


▼ハワー・マハル(Hawa Mahal)「風の宮殿」        

 

 この美しい窓がたくさんある建物は、宮廷の女性たちが街の生活や行列を見物できるように建てたらしい。
 近づいて見てみると、一つ一つの窓には、見事な彫刻があり、とても美しい建物です。

 このハワー・マハルから女性たちが見たであろう通りの風景が、右の写真。1階は、いろいろな商店が入っていて、とても賑やか。ちなみに上に書いた靴屋もこの一角にある。
 建物の中も入ったのですが、中は石造りなのでとてもひんやりした感じでした。

 

▼ナーハルガル(Nahargarh)                 

 この城塞は切り立った崖の上にあって、ジャイプルの街を一望できるようになっていた。
 建物は真ん中に広場があり、写真の正面がマハーラージャ用の部屋になっていて、両サイドの建物に日替わりでマハーラージャを訪れる妃が住んでいたと説明された。なんとも女好きなマハーラージャだなぁ、、、

 
 

 城塞を出たところで一休みしていたら、全く英語がしゃべれない女性が、なにやら話しかけてきた。何を言っているか??だったが、ボディランゲッジで頑張る。どうもカルカッタから家族で旅行に来ているみたいで、カルカッタでは宝石屋らしい。同じインドでもどことなく顔つきが違うなぁと思った。



Singhさんの実家

2006年05月05日 | インド旅行記

▼My運転手 Singhさんの家(Deeg)             

 ジャイプルからアーグラに向かう途中にあるDeegという町が、運転手のSinghさんの実家ということで、アーグラに行く途中にSinghさんの家に寄った。

 Deegは360度見渡す限り広大な田園風景が広がる田舎町でした。乾季ということもあって田畑で仕事をしている人は少なく、日中の暑い時間帯は家の中でゴロゴロしている人が多かったです。

 Singhさんの家族は、両親、兄、姉とその家族が一緒に暮らしているという話だったのですが、とにかくたくさんの人がいました。Singhさんに「何人いるの?」と尋ねたら、あっさり「分からない」という返事でした。

 とにかく子供たちは元気で、全員ヒンディ語しかしゃべれなかったので、コミュニケーションはかなり大変でした。

 
 

 一度写真をとってあげると、その後がものすごく大変でした。四方八方から「カメラ!カメラ!」のオンパレード。最初は、こっちも楽しく写真を撮ってあげていたのですが、切りがなくて、最後は「No!!」と断るのに一苦労でした。ちなみに写真をとってくれ~と頼むのは子供だけでなく大人もだった。

 

▼ヒンズー教とカースト制                  

 3時間ぐらい子供たちと遊んだ後、そろそろ出発しようかと思っていたところ、長老と思われるお爺さんが出てきたので、「ナマステ」と挨拶したところ、身振り手振りで何かを訴えてきた。それは明らかに「金を置いていけ!」「お前の服をくれ!」とアピールしている。確かに貧しい農家ではあるが、だからと言ってあからさまに要求されると、やはりいやな気分になる。

 インドでは、カースト制が未だに残っており、貧富の差はかなりある。ものすごい豪邸に住んでいる人もいれば、物乞いをする子供たちや不可触民(指定カースト)と思われる人たちにもたくさん出会った。

 カースト制の下では確かに貧富の差が大きく、差別もかなりあるのはちょっと注意深く観察すれば私にも分かった。しかし人々はこのカースト制の下でみな不幸かと言うとそうでもないように感じた。

 ヒンズー教では輪廻転生を信じていて、敬虔な生活を送り、ダルマ(義務や戒律)を尊び、生きることでより高い階級に生まれ変わると信じている。今のおかれた状況に満足し、その生活を豊かになるように精進して生きる。

 街行く人々、商人、農家、それぞれの人がたとえ貧しい暮らし(日本人の感覚で)をしていても、とても活き活きと人生を楽しんでいるようにインドに来て感じました。それは、このヒンズー教の輪廻転生の考えによるものなのかと私は思いました。



アーグラ「Agra」

2006年05月05日 | インド旅行記

▼タージ・マハル(Taj Mahal)                

 

 タージマハルは、想像通りの見事な建物でした。なんとも贅沢というか、荘厳というか、言葉ではなかなかうまく言い表せない素晴らしい建物でした。

 シャージャーハーン皇帝が、妻の死を悼んで建てた墓。これが、お墓、、、やはり、どう考えてもすごい、すご過ぎる。

 タージマハルは世界遺産ということもあって、というかインドで一番有名な建物というだけあって、世界各国からたくさんの観光客が来ていました。ラージャスタン州を回り始めて1週間が経っていましたが考えてみたらこのタージマハルに来て初めて観光客に会ったような気がします。


 ということで、一人で暇だった?ので、しばらくの間 人間観察を楽しんでいました。ほんとにいろいろな国の人が来ていて、見ているだけでなんだかとても楽しかったです。

 


▼アーグラー城(Agra Fort)                  

 

 アーグラー城は、ヤムナー川を挟んでタージマハルと反対側にあるお城で、建物の中からタージマハルがとても綺麗に見えるようになっていた。窓からタージマハルを何も考えずに呆然と眺めていたら、結構な時間が経っていた。



リシケーシュ「Rishikesh」

2006年05月05日 | インド旅行記
▼列車の旅 [デリーからハルドワールへ]           

 ラージャスタン州、アーグラ、デリーと運転手のSinghさんと旅してきましたが、後半はSinghとも分かれ一人でヨガの聖地「リシケーシュ」へ向かうことにしました。

 リシケーシュまでは、列車でデリーからハルドワールへ行き、そこからはタクシーで1時間ぐらいで行けます。デリー22時発の寝台列車のチケットを買ってあったので、まずは発車40分前にニューデリー(New Delhi)駅までSinghさんに送ってもらい、駅でSinghさんと別れた。

 Singhさんから駅に着いたらまずは列車の発車時刻とプラットホームを確認するように言われていた。New Delhi駅は、とても大きな駅で、はっきり言って治安は悪く、おまけに寝台列車なので夜中ということもあってなんだか怪しい雰囲気。ちょっと身の安全を気にしながら、ムスーリー急行(Mussoorie Express) No.4021を電光掲示板で探す。

 ところが、どこを見てもNo.4021がない...呆然と立ち尽くしていたところ、やたらと早口の英語をしゃべる少年がチケットを見てくれて、これは「OLD Delhi駅」だと教えてくれた。英語では、「Delhi」と書かれていたが、ヒンディ語では、「OLD Delhi」と書かれていると言うのである。通常「Delhi」と英語で書かれている場合には、「OLD Delhi駅」を指すらしい...。時計を見たら、発車まであと15分。New Delhi駅からOLD Delhi駅までは、どんなに車を飛ばしても20分はかかるとのこと。そんな訳で、デリーでもう一泊することとなってしまった。

 親切に教えてくれた少年は、どうやら駅前の観光案内所で働いているらしく、観光案内所まで連れて行ってくれ(というより、連れて行かれた!?)、翌日の列車のチケットの手配をしてくれた。もう22時を回っていたのでホテルもそこで探してもらったのだが、どう考えてもRs100ぐらいのホテルにRs1200も払い、列車はファーストクラスしか空いてないということだったが、もうへとへとに疲れていたので、もうどうでもいーやという感じだった。やはりデリーでは、親切な言葉、あま~い言葉には要注意です。詐欺が本当に多いですから。

 

 危険な雰囲気いっぱいのオールドデリーのホテルで一泊し、翌朝6時にチェックアウトして、6時55分発のシャタブディ急行(Shatabdi Express)のファーストクラスでハルドワールまで向かった。

 さすがファーストクラスだけあってACもきいていて席もかなりゆったりしていた。席につくとミネラルウオーターと新聞が配られ、その後朝食、デザート、コーヒーが出てきた。まるで飛行機に乗っているようなディップサービス。こんな贅沢をインドでするのもなかなかいいもんだと、久しぶりに優雅な時を過ごしたのでした。


▼リシケーシュ                           

 リシケーシュは、世界的にも有名なヨガの聖地として知られている場所で今回の旅の中でも絶対に行きたいと思っていたところでした。

 ガンガー(ガンジス川)の上流にある街で、これまで旅してきた砂漠の街やデリーといった大都市とは明らかに雰囲気が違ったとても静かなところでした。ここがインドか?と疑うほど落ち着いた街並みに、なんだかほっとする想いがしたのは、やはり俺も日本人なんだなぁ、なんて考えたりもしました。

 

 シシケーシュが静かな理由としては、まず騒がしいクラクションを鳴らしまくるオートリキシャやタクシーなどの車は、私が泊ったラクシュマン・ジューラ(Lakshman Jhula)地区には道が狭くて入ってこれないのが一つ。そして、商店が立ち並んでいるにも関わらず、客引きが殆どないのが主な理由だと思います。こんなことはインドに来て初めてでした。

 そして次に驚いたのは、西洋人が実に多いことでした。ガンガーを望むホテルにはオープンカフェがあり、インターネットカフェなども充実している。そのため、まるでリゾートに行く感覚で西洋人が集まるのかも。それと、アメリカやヨーロッパではヨガがかなり流行っているらしいので、ヨガの聖地であるリシケーシュはインドの中でも西洋人が多いのかもしれない。

 いずれにしても、ヨガの聖地というからもっと厳しい修行道場がたくさんあって、厳かな感じを想像していたので意外な気がしました。

▼聖なる河「ガンガー」のほとりでヨガをする          

 聖なる河「ガンガー」は、リシケーシュでは澄んでいるとガイドブック(ロンリープラネット)に書いてあったので、清流を想像していたのですが、やはり「ここはインド」、水は茶色に濁っていました。ただ、水はかなり冷たく、下流(例えばヴァラナシ)よりかは明らかに綺麗な水だとは思いました。

 

 朝の2時間と夕方の2時間、アーシュラムでハタヨガのクラスに参加しました。一つ一つのアーサナについて結構細かく指導してもらえました。また動きの大きいアーサナの後には必ずサバアーサナ(リラックスのポーズ)が入り、緊張と弛緩、静と動のメリハリをはっきりつけて行うのは、とてもよかったです。

 ガンジス河沿いのアーシュラムで行うヨガは、アーサナ、呼吸、瞑想全てにおいて日本で行うよりも深く入ることができ、なんとも言えない心地よさがありました。次回はもう少し長く滞在してヨガをやりたいと思っています。

 



ハルドワール「Haridwar」

2006年05月05日 | インド旅行記

▼ハルドワール(Haridwar)                  

 早朝のヨガ教室に2時間出て、リシケーシュのホテルをチェックアウトし、リシケーシュからタクシーで1時間のハルドワールに向かった。

 ハルドワールは、ヒマラヤ山脈から流れ出すガンガー(ガンジス河)に面した街で、インドで最も重要なヒンズー教の聖地の一つとされているそうです。街はたくさんの巡礼者たちで賑わっていました。


▼ バラー・バザール(Bara Bazaar)              

 

 ハルドワールでは、まずは駅の中にある荷物預かり所で重たいリュックを預けた。なくならないか不安だったが、預けている人は西洋人やちょっとお金持ちの人が多く、鍵もかけられたので預けることにした。夜行列車発車まで10時間ぐらい預けても特に問題はなかったです。(ホ...)

 

 荷物を預けて身軽になったので、まずはバザールへ向かった。人がすれ違うのがやっとの狭い路地裏に所狭しとたくさんのお店が並んでいて、かなり楽しいバザールでした。デリーとかだと4倍近い値段を言われることもあるのですが、ハルドワールやリシケーシュではふっかけられるようなこともなかったです。お土産を買うには、ここが最適かもしれないですね。


▼マンサ・デーヴィー寺院(Mansa Devi Temple)      

 

 山頂にあるこの寺院は、ロープウェイで登っていける。ロープウェイ乗り場の手前では、女神に捧げるプラサードを子供たちが売っていたので、二つ購入。山頂には二つお寺があるから、、、と言われて二つ買ったのだが、、、一つしか見つけられなかった。。。またしても?!

 

 たくさんの信者がお参りに来ていて、奉納には独特のやり方があるようで、、、とりあえず周りの人がやるのを真似て女神にプラサードを奉納すると、お坊さんがおでこに橙色の印をつけてくれました。シャクティー・デーヴィの姿をしたシヴァ神は、なんとも怪しげな姿をしていました。


▼聖なる河「ガンガー」                        

 

 たくさんの人が沐浴したり、洗い物をしたり、洗濯したり、泳いでいたり、、、聖なる河で皆、思い思いのことをしていました。私も陸橋の下で、何も考えずにぼーーっと、河の流れを見ていました。河のせせらぎに耳を澄まし、しばし旅の疲れを癒したのでした。

 ガンガーに寄せるインド人の想いは、深いところまではなかなか理解できないとは思いますが、神聖なものに対する心のあり方は、仏教文化が根っこにある日本人にも通じるものがあるなぁと思いました。


 

 ハルドワール駅前にあるシヴァ神像です。最初見た時は、独特の色合いに度肝を抜かれましたが、慣れてくると違和感なく見えてくるのは不思議。

 

 広場で「床屋」を発見。どこでも商売が成立するのは、さすがインドですね。昼下がりの木陰で散髪するのもなかなかいいかも。。。


▼寝台列車でデリーへ                     

 

 22:55発デリー行き「MUSSOORIE EXPRESS 4042」は、定刻から30分近く送れての発車になった。乗り込むと既に前の駅から乗ってきている人たちが熟睡していたので、そ~~っと自分の席を探す。

 私が乗ったのは、3A(AS1)といってエアコン付き3段ベットの車両だったのですが、3段ベットでも結構スペースはあって快適でした。5時間ぐらいゆっくりと休むことができました。

 朝には「チャイ~、チャイ~、」という低い声のお兄さんが暖かいチャイを売りに来たので、周りにいた人たちとチャイを頂くことに。目覚めのチャイは格別においしかったです。

 



デリー「Delhi」

2006年05月05日 | インド旅行記

▼ニューデリー(New Delhi)                  

 最終日は、夜のフライトだったのでデリーで一日観光をしました。
 デリーは、大きく分けるとOLD DelhiとNew Delhiがあるのですが、オールドデリーは治安も悪く疲れるので、New Delhiを中心に周りました。右の写真は、India Gate。

 
 周りにはとても綺麗でとても広い公園があります。気温もかなり暑かったので木陰でしばらく読書したりして過ごしていたら、ここでもオートリキシャのお兄さんが勧誘してきたので、New Delhi周辺の観光をお願いすることに、、

 


▼ラシュtラパティ・バーワン(Rashtrapati Bhavan)   

 

 India Gateからラジパト通りという真っ直ぐな通りの反対側にあるこれまた見事な建物は、大統領官邸。
 当然警備も厳しく、オートリキシャは建物の前で停車することを許されていないらしく、ゆっくりと移動しながら眺めました。


▼フマーユーン廟(Humayun's Tomb)           

 ムガル帝国第二代皇帝フマユーンの墓らしい。あれ?タージマハル?と一瞬思ってしまったのですが、調べてみるとこの建物を基礎としてタージマハルは作られたという話もあるとのこと。
 昼過ぎに訪れたのですが、あまりに暑くて、建物まで行く気がしなかったので、遠めに写真だけとってきました。

 

▼マハトマー・ガンジー記念館                

 

 非暴力、あらゆる人種差別撤廃のために戦ったマハトマー・ガンジーの記念館にも行ってきました。
 とても静かな全く派手さがない記念館でガンジーの人柄がとてもよく出ているように思いました。ムガール帝国の建物とは偉い違いだなぁ。。。



インド旅行を振り返って

2006年05月05日 | インド旅行記

▼インドの旅を振り返って                   

 インド悠々自適一人旅は、これでおしまい。今回は、初めてのインドということもあってヨガオンリーではなく、観光もしたかったので、前半は主にラージャスタン州、アーグラを中心に旅をしてからヨガの聖地、リシケーシュとハルドワールに行ってきました。

 4月、5月はインドの夏の時期にあたるので、毎日40度近い暑さで参ってしまいましたが、雨が一度も降らなかったので、まぁ観光するにはよかったのかなぁ、なんて楽天家の私はいいように解釈したりしています。

 前半のインド観光では、ビーカーネール、ジョードプル、ジャイプル、アーグラと砂漠の街や世界遺産で有名なタージマハルを見てきたのですが、特にビーカーネールはあまり大きな街ではないことで返って観光地化してなかったのがよかったです。市場も活気に溢れていて楽しかったですし、ジャイナ教やヒンディ教寺院は、その独特な雰囲気に息を呑む想いがしました。そうした寺院とは対照的なムガール帝国の建築物は、その権力の大きさを感じ、今でも脈々と続くカースト制についても肌で感じることができました。

 おそらく今回の旅では、インドについて数%も知ったことにはならないとは思います。それでもこの国の懐の深さ、ありとあらゆる物をカオス的に内包し、許容するパワーを感じることができました。

 日本に帰ってきて、家路につく途中、自分が見ている景色がまるで絵葉書でも見ているかのように感じました。「なんて日本は綺麗なんだろう。。。」っと心底思いました。そう感じさせたのはおそらく、インドの空気がほこりまみれで、ゴミや人や動物がごった返していたからだけの理由ではなかろう。

 静寂と喧騒、静と動、人間くささと宇宙の壮絶さ、生々しいほどの宗教観、歴史と文化、そして何より、そこに住み、そこで生きている人々と生命の烈しさが、あまりに日本とかけ離れていると感じたからだろう。

 よくインドに行くと「二度と行くもんか!」と言う人と、「何度も行きたくなる」人とに分かれると言います。まぁ、ここまで私の旅日記を読んでいただいた方ならもうお分かりだとは思いますが、もちろん私は後者です。

 今度インドを旅する時は、もう少しのんびりと南インドを周りたいと思っています。あるいは、ヨガ仲間と一緒に行って、ヨガ三昧というのもいいですね。