五井平和財団主催の「レスター・ブラウンと共に2025年を考える会」というシンポジウムに参加してきました。
世界的に有名な「地球白書」の著者であるレスター. R. ブラウン氏にお会いするのは今回が初めてでした。
確か最初に読んだのは、96年版の『地球白書』だったと思います。この本を読んだ時、地球環境に対する危機感の深刻さ、私たちの生活を支えている資本主義経済について、そして私たちの未来についてとても考えさせられたのを覚えています。あれから10年、環境問題に対する世界的な関心はものすごく高まってきていると思います。
今回の講演会では、参加者とともに未来のビジョンについて話し合うというちょっと変わった企画でした。ただの講演会よりも出席者全員が「将来どうなっていたいか」「そのために何をするべきか」を考えることができて、とてもよかったと思います。
レスター・ブラウン氏の話で印象に残ったことは、「自然界と調和をとり持続型の社会を形成していく上で今一番重要だと思われることは、化石燃料主体で築き上げた経済システムを地熱、波力、風力、水力、太陽エネルギーといった持続型のエネルギーを主体にしたシステムに変えていくこと。そしてその為の明確なビジョンを描くことがとても大事だ」と言われていました。
環境問題に対する意識は確かに高まってきていますが、将来あるべき持続型の社会システム、経済システムにたいする明確なビジョンとなると、どの国の政府も描ききれていないのが現実です。もちろんそのビジョンの作成は政治家に頼る面も大きいのですが、その政治家を選ぶのも私たちですし、NGOなどの発言力が高まっていることから、市民の責任も重大だと、レスター・ブラウン氏は言われていました。
「環境的に安定させる技術は既にある。あとは、それを活かすビジョンを作ることが一番大事である。」
ちなみに私が考えた「将来こうなっていたい」「そのために何をすべきか」は、↓です。
- 「将来こうなっていたい」:個人レベル、地域レベル、国レベル、そして地球レベルで、自分のことだけでなく、他人のこと、自分を支えてくれている自然環境のことを誰もが当たり前のように考える世の中になっていたい。
- 「そのために何をすべきか」:人間が持っている「感動する心」、「他を思いやる心」を大事にする社会になるように皆が考え、行動する。そういった考え、文化が広まれば、"環境"との調和、"貧困や戦争"と"平和"な社会との調和がきっと自然に形成されてくると思う。