【阿比留瑠比の極言御免】
河野洋平元衆院議長の無情 2018.6.15 01:00
まだこんなことを言うのかと心底あきれた。河野洋平元衆院議長が13日に東京都内での講演で、次のように述べた件である。 「植民地問題の処理もできていない国に、ただ(拉致被害者を)帰せ、帰せと言っても問題は解決しない。国と国の関係を正して、帰してもらうという手順を踏まざるを得ない」
まずは、国交正常化と戦後賠償を優先しろということだろう。だが、実際には北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、12日の米朝首脳会談でトランプ米大統領に「安倍晋三首相と会ってもよい」と語っていた。
どこかで聞いた理屈
トランプ氏は会談で金氏に「安倍首相は拉致問題を解決しない限り、経済支援には応じない」と伝えたにもかかわらずである。トランプ氏は、首相に「金氏はオープンだった」とも述べたとされる。事態が大きく動くかもしれない時に、河野氏の発言は、まるで的外れだというしかない。
また、今回の河野氏の言い分は、どこかで聞いたことがあるような理屈だと感じた人も少なくないだろう。筆者は、立憲民主党の辻元清美国対委員長が社民党所属議員時代の平成13年11月、インターネットに掲載されたインタビューでこう述べたことを連想した。
「北朝鮮には(戦後)補償も何もしていないのだから、そのことをセットにせず『9人、10人帰せ』ばかり言ってもフェアじゃない」
この後、辻元氏は批判を浴びて一応反省を示したが、13日には米朝会談の感想について、こう人ごとのように述べている。
「日本が蚊帳の外に置かれているような外交になっている。自分たちが今まで言ってきたことのメンツは捨てなさい。実を取る外交に転換してほしい。人頼みはあかんのちゃいますか」
そして河野氏の今回の発言は、辻元氏の17年近く前の言葉と似通っている。いずれもこれから日朝交渉を進めようという政府の足を引っ張り、北朝鮮を利する発言ではないか。
甘い意見はいらない
安倍首相は20年6月の都内での講演で、北朝鮮におもねるような政策を唱える国会議員らをこう強く批判している。 「政府以外の人たち、特に有力な国会議員は政府より甘いことを言ってはいけない。政府より甘いことをほかの議員が言ってしまえば、北朝鮮はその甘い意見に乗って『有力な国会議員がこう言っているじゃないか。ここまで下りてきて当然でしょう。さらに譲歩しなさい』ということになる。これは交渉の常識だ」 (続きあり)
産経ニュース
またしても、あの河野洋平氏である。(日本は)植民地問題の処理もできていない国だと? 何を言っているのかわからない。併合のことなら、1965年日韓基本条約で全て清算済み。南北首脳会談も実現したのだから、韓国と北朝鮮が話せばよいことである。
この河野洋平という人こそ、官房長官時、朝日新聞の慰安婦問題という作り話を、”河野談話”という形で追認し、日本にいわれのない責苦を課した人物である。日本の元国会議員、元官房長官、元衆院議長という地位にいながら、その言動はまるで朝鮮半島(または中国)の代弁者である。事あるごとに、韓国北朝鮮中国のために、日本にペナルティを課すことだけを実行してきたかのような人だ。そして、トランプ米大統領が米朝会談で拉致問題を取り上げ、解決に向けて動くかもしれない今のこの時に、河野氏は、日本国内で北朝鮮に拉致され、何十年もたってもいまだに帰れない北朝鮮拉致被害者問題を後回しに、と言うのである。呆れ果てて怒りがこみ上げてくる。記事のタイトルは「河野元衆院議長の無情」となっているが、日本人にとっては「無情」どころの話ではない。
河野氏と同じようなことを辻元清美氏が社民党所属議員時代に言っていたそうである。辻元氏は親北朝鮮の議員、社民党とは、ついでに朝鮮学校で党の会合を開いてしまうような党である。
社民福岡県連「ついでに」朝鮮学校で常任幹事会(2010-03-19)
辻元氏は野党議員であるが、河野氏は自民党総裁にもなったことのある人物である。野党をはじめ日本の国会議員のこの有様はなんだろう。政界だけではなくマスコミもだろうが、日本の内部に巣食う北朝鮮や中国の触手はどこまで増殖しているのか。そら恐ろしい心地がする。