12/19(火) 曇
錣山親方元関脇寺尾の訃報。
千代の富士に吊り落としで土俵に叩きつけられた
一番はよく憶えている。
大人になってから知り合った同い年の友達がいた。
赤いヤッケを羽織ってマウンテンバイクでやってくる
細身の面影をぼんやりと思い出した。
彼女は寺尾の大ファンで、井筒部屋に稽古をよく
見に行くって聞いたときは、意外過ぎてびっくりした。
彼女は両親を早くに亡くしており、天涯孤独で
おとなしい人だったけれど
諏訪湖のワカサギ釣りや、バーベキューに
誘うと、よくつきあってくれた。
下町の古い一軒家にひとりで暮らしていたが、家が
ボロボロなので駐車場にして人に貸したいと
相談されたりもした。
そんな彼女が30代そこそこで突然亡くなった。
高熱が続いていたらしいことはお通夜の席で聞いたが
詳しいことは忘れてしまった。
彼女が亡くなってすぐの大相撲3月場所。
寺尾は初日から6連勝だったか7連勝だったか。
場所を大いに盛り上げた。寺尾にとって初日からの連勝は
その場所が最多だったと思う。
何か因縁めいたものを感じたが、それが何年の出来事
だったかは忘れてしまったし、何度かお参りをした
彼女のお墓も忘れてしまったけれど寺尾の訃報で
思い出した記憶の断片。
おしまい。