桜が終わるとあちこちで花が咲き、新緑も一気に進む。先週、孝子伝説で名高い「養老の瀧」を撮りにいった。瀧を覆う大きなカエデの芽吹きと瀧の流れをイメージして撮りに行ったが、楓の葉はすでに若葉色に燃えていた。初めての上高地大判撮影会で、山本健三さんが言われた「新緑の若草色は僅かの期間で変るので桜と同様忙しい」を思い出した。養老は「古今著聞集」などにもあり、瀧の雄景は天下に知られ、正岡子規が見たいという願望が大雨で果たせず、身体の弱い自分の無念の戯れの歌がある。
よろよろとよろめく人か喜んでよろふといふや養老の瀧