新緑が一段と色濃くなり、庭先のツツジ、ドウダンツツジ、ボタン、藤など、街道にはハナミズキや八重桜、土手や河原にはカラシナやタンポポ、たんぼにはレンゲや小さな草花たちがノビノビと咲き競っている。森の木々や草花は、自然の生命力でおのずから成長していく。一方、感情・理性をもつ人間は、自然を制御・統制することができる。あるがままに、のびのびと「もえいづる」生物・花々を愛でる「自然観」は、万葉集の「石激垂水の上のさ蕨の萌え出づる春になりにけるかも」にみられるように、自然の水に育まれた蕨に「神聖な生命力」を感じたからでしょうか。