鈴鹿国定公園の鎌掛谷に国指定天然記念物の「ほんしゃくなげ群落」があります。石楠花は普通800~1000mの高所に自生するが、ここは標高350mに約2万本が群生しています。シャクナゲはツツジ科で1000種以上あるといわれ、屋久島シャクナゲ、ハクサンシャクナゲ、関東の伊豆天城のアズマシャクナゲなどがよく知られています。園内は観光協会が親切にも小型バスで麓まで運んでくれます。渓谷の下の方にひっそりと咲く石楠花を撮っているカメラマンもいましたが、できるだけ高いところから、全山万華鏡のシャクナゲを撮らせていただきました。このホンシャクナゲは七弁花で他のシャクナゲの五弁花と違い、また葉には毒性があり、難を避ける「避難儀(しゃくなんぎ)」に由来するとの説があるそうです。風雪に耐え、絶壁の樹々の間に群生するシャクナゲは凛として気品にあふれ、つつましやかで美しさは格別でした。 「石楠花の恥じらふ如く揺れ交わす」