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ゆこちんのトランペット

トランペット奏者 藤井裕子のコンサート情報、トランペット談義のつもりが…こぼれ話や大きな声では言えない話も…毎日更新中♪

ベトナムのオーケストラ

2010年12月12日 21時55分32秒 | Weblog
数日前、ベトナム国立交響楽団のドキュメンタリーを見た。

遷都千年を記念して、マーラーの千人の交響曲を演奏する。ベトナム戦争の記憶がまだ遠くないベトナム。国に1つのオーケストラが千人の交響曲の本番を成し遂げるまでの道のり、メンバーの人生、それぞれの思い…を綴ったもの。


正直、上手くはないと思う。でも番組の途中で旦那と何度もくらいかけ、とうとう本番の演奏を聴いて涙が出た。


番組冒頭、クラリネットの人が野原で練習してるんだけど、一瞬キュヘッとか鳴っててビビった。プラハかどこかへ留学中、オケからオファーがあったが、ベトナムで演奏したいという思いで軍楽隊へ。当時はリードの替えがないので、竹で作っていたそうな。試しに作ってみてくれたが、立派な出来で、とてもいい音がした。温かくて心のこもった音。

マーラーの最初の合わせの日…うおー!!これは宇宙か???と言うくらいに音もリズムも取れてない。
交響曲の1つの楽章をやるのがやっと…というところから始まったオーケストラが80分の大曲に挑むのだ。

80人のメンバーに50人以上の外国人エキストラを入れた。ここで素晴らしいと思うのは、エキストラを入れることで何かを吸収し、みんなで1つのものを作ることが大切だ!と考えているところ。

書けばキリがないけど、いろいろ考えさせられた。

クラシックがまだ普及してないんだ、と言うんだけど、音楽そのものは常に身近にあって、戦争などの辛い時にも常に彼ら自身を励まし慰めていた。

長引く戦渦の中で、軍楽隊の慰問を心待ちにしたり、あるいは自作の楽器でお互いを慰めたり。


音楽に対する気持ちが、「心」と密着してる。


上手い下手、技術、仕事だから、お金のため…と言ったことが感じられない。音楽を変に神格化するわけでもない。


そういう気持ち…自分が「失ってしまったもの」などとは思ってなかったけど、彼らを見ていて、その音の奥に背負っている思いと人生が感じられて、何とも言えず「深さ」の違いを感じだよ。


とても正直で真直ぐで温かな人たち。うんっ、ステキ!


エキストラが入ったことで、特に金管は助けられた部分がいっぱいあったように聞こえた。


で、おおぉー!こりゃーずれるぞー!と言うところで、きっちり「ここー!」って示してくれてるようなところもあった。

自分もレベルは違うけど、ジュニアオケなどでは、ちょっと周りが違って来たとき、力でねじ伏せようという心が働くことがある。それを思い出した。

これって、交通整理としてはある種の力があるけど、「音楽」とは関係ない気持ちも大いにあるな…って。


金管楽器吹きの性(さが)と言えばそうかもしれないけど、やらないで済むことが一番良く、みんなが音楽だけでつながれたらいいんだな…みたいな気持ちになった。



それにしても…ベトナムの人って、まあテレビで見ただけだから、みんなかどうかは分かんないけど、何て澄んだ目をしてるんでしょう?!


物事をまっすぐに見てる。とても気持ちに正直な人たちだなーと思った。

とてもステキな人達だと思ったよー!そのうち是非行ってみたい!
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