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( 丁稚羊羹 奈良・御所市「あけぼの」) 2011/6/20
■2011/6/20(月) 小雨のち曇
昔、丁稚奉公の小僧さんが、里帰りに持ち帰った(練羊羹より)安価な羊羹ということで、丁稚(でっち)羊羹という名がついたという説をそれとなく信じているが、真相は定かではない。 関西・北陸で称される「丁稚羊羹」は関東では「水羊羹」
「水羊羹」をおせちに入れる風習が、北関東から山形にかけて今もあるらしく、もともとは、正月を迎える冬の食べ物という考えも根強いらしい。 そういえば、おせちで、確かに水羊羹が入っていてつまんだことを思い出した。 しかしながら、冷蔵庫が普及してきた現代は、夏の菓子の位置づけになっている。
写真の丁稚羊羹は、妻が再び御所市の「あけぼの」で買ってきたもの。 ここの好物は、「水まんじゅう」なのだが、丁稚羊羹もスルリといくらでも入る。 羊羹好きな私が言うのもなんだが、羊羹は日本で独特の進化をとげたお菓子だと言えると思っている。 夏目漱石などは、その小説の中に羊羹のその色と光沢は芸術品だというようなことを書いていた。
もともとは、その漢字「羊羹」の通り、中国大陸では「羊のにこごりゼリー」。 ところが、江戸時代までの日本は、肉食なんてしない民族だから賢いお坊さんが、あずきや葛で大陸の羊のにこごりをまねて作ったらしい、そこから進化と派生が始まった。
昔、宣教師ザビエルが、日本民族は米だけでアルコール類(お酒)を作っていることに驚きをもって西洋に伝えたと聞いたが、 この羊羹にしても日本人の食への発想力は本当に素晴らしい! のひとことだ。
そんな逸話が邪魔するからだろうか、私はいつも羊羹(今夜は丁稚羊羹)を片手にするともう片方の手には日本酒なのである。 今夜の酒は「義侠」だ。
(寅)
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