夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

絵を描きたいあなたへ

2015年10月25日 | 日記・エッセイ・コラム


永沢まことさんの著「絵を描きたいあなたへ」は1997年に書かれた入門書
授業中に先生の似顔顔を描いていた少年が画家になっていくストーリーと描くテクニックが一本の映画のように描かれている

氏は一本の線で描けとおっしゃる、それも消すことのできないペンで
そして写真でなく、実物を見て描けとも、

引用される雪舟や渡辺崋山などの絵心をめぐるエピソードも楽しい
雪舟が涙を使って足で描いたネズミの話はあまりにも有名だが、日本の絵の歴史はゴッホなど西欧に影響を与えてきた

ゴーギャンの「私の絵は音楽だ」という言葉もいい
彩色に悩む青年に部分で感じた色を、それも鮮やかな色を使いなさいというアドバイスも興味深い

美大を諦めて政経学部に入った氏は、プロレスの絵で報酬を得たりした後アニメーターの世界に入る
そしてニューヨークでの出会いと手応えによって画家の道を歩むことになった

訂正のきかない一本の線で描くことは集中力を要する、この繰り返しがデッサン力に通じる
この辺りは音楽に似ている、練習はあくまでも練習でしかない、本番ありきだ

さてゴーギャン展が開催されるらしい
行ってみようかしら、、、音楽を感じるために



【足立区】輝け あだち人「永沢まこと(画家)」

Paul Gauguin Paintings

Eric Clapton - BB King -Crossroads 2010 - Live

サーファーズ・ミュージック

2015年10月23日 | 音楽


サーフィンは人を虜にする相当な魅力があるようだ
ひょんなことで知り合ったシンガーソングライター嬢は、休日に楽しんでいたサーフィンのために海辺へ引っ越してしまった

大昔のサーフロックとかサーフィン・ミュージックは音楽のアイデンティティとして掲げられそれほどサーフィンそのものとの関係性は感じられなかった
むしろ映画「ビッグ・ウェンズデイ」で流れたケオラ・ビーマーのスラックキー・ギターがこれほど波やハワイと同化するものかと感動したものだ

数年前、Mさんが持ち込んだ曲にジャック・ジョンソンの「Better Together」があった
ハワイアン・バージョンを聴くと、スラックキー・ギターが入っている

誰が弾いているのだろうと気になっていたらどうやら「Kawika Kahiapo」らしい
ガットギターでツルツルと弾くギターは、とりとめなく続くモノローグのようで得体が知れない

サーファーであった彼が、彼の音楽が受け入れられるのはなんだろう
サウンドだけを聴いているとレゲエを思わせるストロークと強力なバックビート、意外に低音が強調されている

泳げなくて英語が聞き取れない私にも、単調なストロークの上で言葉遊びのような語呂と繰り返しによる説得力が聴こえてくる
波と寄り添う快感と海の底の恐怖心は、シンプルなリズムと相性がいいのかもしれない

さてガットギターで弾くスラックキー、適度なサステインで「彩る」と言う表現が適切か

そろそろバンドを立ち上げたくなってきた
「ホームシック・アイランド・ボーイズ」か「アイランド・ブルース・バンド」か、、





Jack Johnson, Eddie Vedder, Kawika Kahiapo - Constellations (live from Kokua Festival 2007)

Jack Johnson & Kawika Kahiapo - Better Together HEM Rally Oct 23, 2009

Jack Johnson - Kokua Festival, Hawaii 2008 (full concert)

恋の気分

2015年10月23日 | 音楽



学生時代の部室は、安普請ながら一棟の2階建て木造建物だった
一階にはオーケストラやビッグバンドが練習する階段状のスペースが用意され、向かいではタンゴのアンサンブルが聴こえた

2階は屋根裏部屋、梁を避けながら移動するようなスペースにカントリー&ウェスタンとハワイアンが同居していた
エレクトリック・ギター、ベース類が使われ始めた時代、ミュージカルアンプは高価で共有するのが合理的だった

防音ボードが貼られていたものの完全ではなく夜遅くまでエレキ音を鳴らしたりすると隣の相撲部が怒鳴り込んで来た
大学というところは社会生活を勉強する場であり、遊びながら専門領域を学ぶことができる

ろくに楽器を弾けない学生が集まってきて、なんとか弾けるようになる
バークレーなど音楽院に入って音楽の道に進む者もいれば、弁護士や会計士、サラリーマンになる者もいる

ここで先輩、後輩という上下関係を学び、また音楽という上下関係のない世界を経験する
音楽で稼ぐことができた時代、学生時代からサラリーマンの給料の数倍のギャラを得ていた先輩もいる

残響のない部室で演奏するのは、練習にはいい
上手く聴こえないから一生懸命になる、アンサンブルを強く意識しないとバンドサウンドにならないから努力する

ジャンルを超えた横のつながりがあったのも良かった
スイングジャズやカントリーといった部員との交流は世界を広げる

さて「The Ladybugs」危なっかしいウクレレだが、コーラスでジャズを展開する
ろくに楽器が弾けなくても音楽はできることのお手本のよう

達者なメンバーに助けられているとはいえ、同じステージに立つというメンバーシップを感じる

そう学生時代のあの頃のまま、ステージに立っているようでもある




The Ladybugs sing I'm In The Mood for Love

The Ladybugs - I'm Crazy 'Bout My Baby

Bésame Mucho - The Ladybugs

セルダム・シーン

2015年10月21日 | 音楽



ギターの音を大きくしたいという要求は、ボディに金属製の共鳴装置をつける方法を考えだした
ドペラ兄弟が興した「DOBRO」ブランドはいつしかリゾネーターと呼ばれる共鳴板を持ったギターを総称するようになった

共鳴板を持たないいわゆる普通のギターを横にして弾くハワイアン・ギターとの違いは、音色にある。
金属板のもたらすやや粘りのあるような中域の音が、ブルーグラスに似合う

ハワイのダカイン・サウンドにどっぷり浸かっていた頃、セルダム・シーンを愛聴した
畳み掛けるようなグルーヴの洪水、ハワイと対極にあるような世界が新鮮だった

楽器のバラエティーも魅力だ、ウッド・ベース、フィドル、ギター、バンジョー、フラット・マンドリン、そしてドブロ
おそらくハワイもこうした楽器やリズムの影響を受けているのだろう

マイク・オールドリッジが良いなと思った頃、音楽仲間が同じものを聴いていたことを知った
嗚呼やっぱり研究しているのだなあ、と思った

ハワイで使われる楽器のうち、外来ものはこうした音楽の影響を受けて入ってきたのではないだろうか
12弦ギター、ティプレ、ドブロなどなど、、フラット・マンドリン、アコーディオンはライ・クーダーご一統がお持ちになったのかもしれない

エレクトリック・ピックアップの発明以来、リッケンバッカーやフェンダーが主流となったハワイアン・スティール
ウッドのスティール・ギターが新鮮だ

その昔参加したブルーグラス・フェス、親戚でありながらアウェイといったマニアックな世界を思い出す
学生時代に通った定食屋さんに行ってみたいと思うように、聴きたくなるサウンド

自分のサウンドを創る、ことは男の生き様か








Mike Auldridge - Medley: Killing Me Softly With His Song/This Ain't Grass

Mike Auldridge Tribute

Seldom Scene - Highway of Pain (Live on American Music Shop 1993)

アイランド・ブルース

2015年10月21日 | 音楽


「ブルース」ってなんだろうと、勉強しようと思ってDVD を見た
歴史上のミュージシャン達を見ても、いまいちピンと来ない

しかしブルースハープのミュージシャンのエピソードを聞いているうちに、そういうことかと思い始める
ブルースハープとはフォーク歌手が使っていた小さなハーモニカだ

通常ハーモニカはメロディを吹けるよう音階が並んでいるのだが、ブルースハープはコード(和音)が出る仕組みになっている
口を移動しながら吹いたり吸ったりすればそのキーの和音が出る

Gのブルースハープなら、吹いて「G」が出て、吸えば「Em」が出るような仕掛けになっている
これを利用してブカブカやればなんとなくメロディらしいアドリブのような雰囲気が出せるわけだ

このハーモニカ、Cとか、Fとか、曲のキー(調)毎に必要なので、ガンベルトのようなホルダーに並べる人がいる
ところが達人はありきたりのポーチの中に突っ込んでいるだけだが、正確に抜き差しできるらしい

お会いしたことも演奏を生で聴いたわけではないのだが、彼が演奏すると引き込まれる何かがあるらしい
つまりそれがフォークであろうが、ロックであろうが、その人となり、生き様が伝わればそれでいいということか

「Island Blues」という2枚組のCDアルバムがある
フランス語で書かれたライナーノーツはよく理解できないが、どうやらアフリカ周辺、カリビアン一帯、インドネシア方面、そしてミクロネシア、ポリネシアに、ヨーロッパの島国の音楽を収録したワールド・ミュージックだ

なぜここで敢えて「Blues」という言葉を使ったのか、
私の好きな「Coconuts Blues Band」というタヒチの演奏を聴いてもらえればご理解いただけるかもしれない

「Band」というにはあまりにも現地の観光ガイドか、タクシー運転手の休憩時間としか思えないのだが
そこで行われているセッションは、とてつもないグルーヴが繰り出されて圧倒される

楽園タヒチといえどもそんなに楽しいことばかりではないかもしれない
しかし現地の観光従事者たち(?)の演奏は、底抜けに明るくて、見る者に生きる希望を与えてくれるようだ

かっこよくなくても、魂の叫びを表現すること、、
そしてそれが、通じること、、かしら




"The Coconut Blues Band from Tahiti"

Miss ALEXANDRE

Tahiti Pappara group Female Dancers