しんぶん赤旗 2013年4月12日(金)
立憲主義を根底から覆す憲法96条改定を許すな
志位委員長が表明
日本共産党の志位和夫委員長は11日、国会内で記者会見し、改憲手続きを定めた憲法96条の改定をねらう動きについて、「参院選の大争点としてたたかいぬき、憲法改悪反対の声を国民多数の声にし、改憲勢力を包囲していく」と表明し、次のようにのべました。
参院選の大争点とし、 国民多数の声で改憲派を包囲する
憲法改定の第一歩として改憲手続きを定めた憲法96条の改定をねらう動きが強まっています。今国会にそのための法案を提起し、参議院選挙の争点にもするという動きが自民党、維新の会などから出されています。現憲法では、改憲の発議に必要な要件は「衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成」となっていますが、それを「衆参両院の総議員の過半数の賛成」に緩和する方向の改定が提起されようとしています。それも含めて、憲法問題を今度の参議院選挙の争点にするという動きが自民、維新などから出されています。
日本共産党は、改憲勢力が憲法改定という問題を参院選の争点として押し出してくるならば、今度の参議院選挙の大争点とし、「憲法改悪反対」という声を国民多数の声にして、改憲勢力を包囲していく。そういうたたかいをおおいに取り組みたい。国民多数の声で彼らを包囲する選挙にしていくという決意でのぞみたいと思います。
主権者である国民が国家権力を縛る――近代の立憲主義の立場
憲法96条改定の政治的なねらいは、改憲派の最大の目標である憲法9条改定に向けて、そのハードルを低くする、あるいは、国民に改憲の体験を積ませることで改憲に「慣れ」させる、そういうところにあることは明りょうだと思います。
同時に、憲法96条の改定というのは、それ自体として、たんなる「形式論」とか「手続き論」などというところにとどまらない重大な危険をもつものだということを、強く警鐘を鳴らさなければならないと考えています。
近代の立憲主義において、憲法というのは、主権者である国民が国家権力を縛るという考え方にもとづいてつくられています。国家による権力の乱用から国民の自由を守る。これが憲法であり、立憲主義の立場です。ですから、そのために憲法改定の要件も、時の権力者の都合の良いように憲法を改定することが難しいようにされています。これは立憲主義の要請なのです。
日本の憲法は“世界でも特別に変えづらい”はウソ
よく日本の憲法は“世界でも特別に変えづらい”ということがいわれますが、これはウソだということを指摘したいと思います。
たとえば、アメリカでは上院、下院の3分の2以上の賛成、さらに4分の3以上の州議会での承認が必要です。フランスでは各院の過半数の賛成に加えて、両院合同会議の5分の3以上の賛成、そして国民投票という手続きが規定されています。ドイツでも連邦議会の3分の2以上の賛成、さらに連邦参議院の3分の2以上の賛成が必要です。それから韓国も国会の3分の2以上の賛成と国民投票が必要とされています。
すなわち多くの国で、通常の法律をつくるよりも厳しい規定が設けられており、これは国民主権と立憲主義との要請に立ったものなのです。日本だけが特別に憲法改定が難しい国であるという主張は、ウソだということを指摘したい。
憲法改定にあたっては、時の政権党だけではなくて、そのときの野党も含めて、国会の圧倒的多数が合意してはじめて発議できる。これが立憲主義の当たり前の姿です。
96条改定反対、9条をはじめとする全条項を守り、生かす
この規定を変えて、通常の法律と同様の「過半数」ということにしてしまったら、憲法が時の権力者の都合が良いように簡単に変えられてしまうことになります。
国民投票の規定があるというかもしれませんが、国民投票で判定できるのは、国会が発議した改憲案に賛成か反対かだけであって、憲法改定案の内容を変えられるわけではありません。国会の発議というのは非常に重要な要件であって、それを変えるということは立憲主義の根本に関わる問題なのです。
憲法96条改定の動きというのは、主権者である国民が国家権力を縛るという立憲主義の根本を根底から覆すものであって、絶対に許してはならない。憲法のあり方を変えてしまう非常に重要な問題だということを指摘しておきたいと思います。
日本共産党は、そういう立場から憲法96条の改定には断固反対です。憲法9条をはじめとする憲法の平和的・民主的条項の完全実施をはかるとともに、憲法の全条項を守り抜き、日本の政治に生かすという立場で、憲法問題に対応していきたいと考えています。
憲法問題が、いよいよ国政の大問題となってきており、わが党は重大な覚悟をもち、全力をあげてたたかう決意です。
立憲主義を根底から覆す憲法96条改定を許すな
志位委員長が表明
日本共産党の志位和夫委員長は11日、国会内で記者会見し、改憲手続きを定めた憲法96条の改定をねらう動きについて、「参院選の大争点としてたたかいぬき、憲法改悪反対の声を国民多数の声にし、改憲勢力を包囲していく」と表明し、次のようにのべました。
参院選の大争点とし、 国民多数の声で改憲派を包囲する
憲法改定の第一歩として改憲手続きを定めた憲法96条の改定をねらう動きが強まっています。今国会にそのための法案を提起し、参議院選挙の争点にもするという動きが自民党、維新の会などから出されています。現憲法では、改憲の発議に必要な要件は「衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成」となっていますが、それを「衆参両院の総議員の過半数の賛成」に緩和する方向の改定が提起されようとしています。それも含めて、憲法問題を今度の参議院選挙の争点にするという動きが自民、維新などから出されています。
日本共産党は、改憲勢力が憲法改定という問題を参院選の争点として押し出してくるならば、今度の参議院選挙の大争点とし、「憲法改悪反対」という声を国民多数の声にして、改憲勢力を包囲していく。そういうたたかいをおおいに取り組みたい。国民多数の声で彼らを包囲する選挙にしていくという決意でのぞみたいと思います。
主権者である国民が国家権力を縛る――近代の立憲主義の立場
憲法96条改定の政治的なねらいは、改憲派の最大の目標である憲法9条改定に向けて、そのハードルを低くする、あるいは、国民に改憲の体験を積ませることで改憲に「慣れ」させる、そういうところにあることは明りょうだと思います。
同時に、憲法96条の改定というのは、それ自体として、たんなる「形式論」とか「手続き論」などというところにとどまらない重大な危険をもつものだということを、強く警鐘を鳴らさなければならないと考えています。
近代の立憲主義において、憲法というのは、主権者である国民が国家権力を縛るという考え方にもとづいてつくられています。国家による権力の乱用から国民の自由を守る。これが憲法であり、立憲主義の立場です。ですから、そのために憲法改定の要件も、時の権力者の都合の良いように憲法を改定することが難しいようにされています。これは立憲主義の要請なのです。
日本の憲法は“世界でも特別に変えづらい”はウソ
よく日本の憲法は“世界でも特別に変えづらい”ということがいわれますが、これはウソだということを指摘したいと思います。
たとえば、アメリカでは上院、下院の3分の2以上の賛成、さらに4分の3以上の州議会での承認が必要です。フランスでは各院の過半数の賛成に加えて、両院合同会議の5分の3以上の賛成、そして国民投票という手続きが規定されています。ドイツでも連邦議会の3分の2以上の賛成、さらに連邦参議院の3分の2以上の賛成が必要です。それから韓国も国会の3分の2以上の賛成と国民投票が必要とされています。
すなわち多くの国で、通常の法律をつくるよりも厳しい規定が設けられており、これは国民主権と立憲主義との要請に立ったものなのです。日本だけが特別に憲法改定が難しい国であるという主張は、ウソだということを指摘したい。
憲法改定にあたっては、時の政権党だけではなくて、そのときの野党も含めて、国会の圧倒的多数が合意してはじめて発議できる。これが立憲主義の当たり前の姿です。
96条改定反対、9条をはじめとする全条項を守り、生かす
この規定を変えて、通常の法律と同様の「過半数」ということにしてしまったら、憲法が時の権力者の都合が良いように簡単に変えられてしまうことになります。
国民投票の規定があるというかもしれませんが、国民投票で判定できるのは、国会が発議した改憲案に賛成か反対かだけであって、憲法改定案の内容を変えられるわけではありません。国会の発議というのは非常に重要な要件であって、それを変えるということは立憲主義の根本に関わる問題なのです。
憲法96条改定の動きというのは、主権者である国民が国家権力を縛るという立憲主義の根本を根底から覆すものであって、絶対に許してはならない。憲法のあり方を変えてしまう非常に重要な問題だということを指摘しておきたいと思います。
日本共産党は、そういう立場から憲法96条の改定には断固反対です。憲法9条をはじめとする憲法の平和的・民主的条項の完全実施をはかるとともに、憲法の全条項を守り抜き、日本の政治に生かすという立場で、憲法問題に対応していきたいと考えています。
憲法問題が、いよいよ国政の大問題となってきており、わが党は重大な覚悟をもち、全力をあげてたたかう決意です。