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山田町のNPO法人問題に対する質疑大要

2013-04-16 23:00:58 | 日記
岩手県議斎藤信ホームページより転載

2013年4月16日 商工文教委員会
山田町のNPO法人問題に対する質疑大要

・県のチェック体制について

【斉藤委員】
 この山田町のNPO問題は、平成10年の森のトレイ事案以来の不祥事である。それが震災復興の被災地で起きたという意味では、森のトレイを超えるような重大な事案で、なぜこれが発生したのか、その問題について県の関与・責任はどうなのか。県は自ら積極的に解明すべきことだと思う。
 緊急雇用創出事業実施要領に基づけば、県の役割・責任、市町村の役割・責任、委託事業者の役割・責任はどうなっているか。

【雇用対策課長】
 今回の事案は、山田町が事業を行う形に県が補助したものですので、それに沿ってお答え申し上げる。
 まず県の役割だが、市町村がこの事業の要件を満たす事業を実施する場合において、県は基金を財源として市町村に補助金(補助率10分の10)を交付することができるとしている。こういう国の要領にしたがい、県は補助金交付要領を定めて、今回の事業に対しても補助金を交付する契約を結んでいた。
 山田町の役割・責任だが、これはまさに事業の実施主体として山田町が企画した新たな事業を行う当事者という立場にあったと思う。
 受託者は、その山田町からの委託内容に沿って事業を誠実に執行するべき立場にあったと考えている。

【斉藤委員】
 実施要領によれば、基金事業の事業主体は都道府県となっている。それを踏まえて交付するということだと思う。
 第一に、なぜ実績のない、経理能力もないNPOに山田町が事業を委託したのか。最初は1500万円、23年度は最終的に4億3000万円、24年度は7億9000万円となる。この点について実施要領では、委託事業について「委託事業を的確に遂行するに足りる能力を有する者」と。そういう確認を山田町や県はやったのか。

【雇用対策課長】
 この事業は、山田町が事業主体・当事者となり発注する事業である。したがい、町の財務規則にのっとり、契約手続きを進めることになる。そういう意味では、山田町がやったものと考えている。県は、そこはやっていない。

【斉藤委員】
 実施要領では、「委託事業を的確に成功するに足りる能力を有する者」というのが受託者の対象である。あなた方が交付金を交付するときに、そういうチェックもしなかったのか。
 そもそも「大雪りばぁねっと。」は、山田町は定款も事業実績も何も調べない。岡田代表の運転免許証のコピーも拒否したと。だからこんなことになった。後から調べてみたら、600万円そこそこの事業実績しかなかった。そして第三者委員会の報告では、600万円程度の貸借対照表すら間違っていると。経理能力がまったくなかった。そのNPOに、最初は1500万円だったが、23年度は5回も事業計画を変更し、4億3000万円の事業を委託した。それを県は審査して認めた。まず第一にここのチェックに県のミスがあったのではないか。

【雇用対策課長】
 たしかにそのように実施要領に記載があり、そういう意味で、この要領にしたがい、事業を実施する場合は、当然山田町が事業主体となり、この要領の適用を受けるということであるので、山田町がそういう審査を行うべきものであったと考えている。
 県については、先ほど述べた通り、市町村が事業を実施する場合はこれに補助金を交付するという立場であり、事業が相手方の選定審査であるとかそういう部分を行う立場にない。そういうことで、県としてはそこには立ち入らなかったものである。

【斉藤委員】
 平成23年度に5度も事業計画が変更され1500万円が4億3000万円になっている。これだけの規模の事業は県内でもほとんどない。そういう事業が本当に遂行できる能力があるのかとチェックするのは当たり前である。
 これは本来山田町がやるべきである。しかし山田町はやっていなかった。運転免許証のコピーもとれなかった。こんなことは許されない。だから初動の段階で、県がそこを確認しておけば、未然に防止できたと。
 ましてや、5月2日の時点で、県の社協専務、県の地域福祉課長、全国共同募金会の代表が、『「大雪りばぁねっと。」は不当な買い物をして、町の社協に請求書を押し付け、その他のボランティア団体と亀裂を起こしていた』と。毎日県の社協に苦情が来ていたというので、「NPOは撤退した方がいい」と直訴していた。
 これは結果責任なので、事業計画を5度も変更するというのは異常なことである。そういうときに、増額したときに、まともに事業を遂行できるNPOかどうか、これは最小限の注意義務ではないか。第三者委員会でもそのように言っている。それをどう受け止めているか。

【雇用対策課長】
 初動の時点でのお話だが、やはりこれは当事者である市町村の行う事項として、通常県はその段階で関与はしていないものである。
 また5月2日の社協の申し入れは、たしかに県の総括課長も同席していたということだが、それぞれの立場でそれぞれの業務を遂行していたということで、残念ながら横の情報交換がなされていなかったということだった。
 再三の契約変更に対して、県が何らかのチェックをすべきということだが、報告書の中でも指摘されているが、立ち止まる機会は再三あったという指摘もある。そういう意味では、そういう評価もあろうかと思うが、当時の県としては、通常やるべき審査・対応をしていたと考えている。ただ結果として、委員ご指摘の通り、こういう状況になったということは、やはりその点は踏まえて、今後の対応についてはこれまで以上のものを市町村の自主性を侵すことのないよう、かつ県のチェックをより要所要所にはめ込む形で対応する必要はあろうかと考えている。

【斉藤委員】
 まともに事業が運営されていれば通常の通りでいいと思う。
 山田町の緊急雇用創出事業について、県・山田町・NPO法人がどういう経過だったのかという一覧表がきた。
 平成23年11月28日、業務委託契約第3回変更で金額変更なし、前金払い90%が100%になった。なぜ100%になったのか。そういうことはあるのか。

【雇用対策課長】
 報告書に記載されている内容での説明になるが、前金払いの超過についての事実を契約内容と整合させるために変更したという風に報告書の中に記載があったと記憶している。

【斉藤委員】
 実は昨日の山田町議会の参考人質疑で、当時の総務課長が「資金が足りなかったから立て替え払いをしていたのでやった」と。今日の毎日新聞にも出ている。資金不足になったから前金払い100%にしたと。だからこういう異常なときに、それをチェックしなければならない。
 それから、第5回の業務委託契約変更で、1億6900万円が1月25日にされている。ところが県に対する補助事業契約変更は3月13日である。県に申請する前に変更してしまっている。そして委託料は2月7日に全額払っている。不足払いである。だから平成23年度で事業は完全に破たんしていた。町から聞いているのは、4回目5回目は資金が不足したから増額したと。まさに5回目の1億6900万円、県の事業計画変更の前にNPOと契約変更をやって全部お金を払ってしまっている。それでも平成23年度は2億円未払いだったと言われている。だから問題は23年度だった。これはどういうことか。

【雇用対策課長】
 1月25日の段階で山田町とNPOの間で委託契約の変更があったという点については、たしかに委員ご指摘の通り、本来であれば県と計画変更協議をした上で対応すべき事項である。これについては改めて現地の対応については確認が必要だと考えている。
 ただこの後に、事業計画変更について、3月に山田町から県に対し申請がきた時点で、23年度の委託料の前金払いの状況については、そこまでは県は報告を求めていない。それはあくまでも、当該市町村の事業の実施の財務規則の規定の範囲内で契約の履行としてやるものであり、その金銭の支払い状況までは報告を求めるものではない。あくまでも事業の手続きの順番が前後したという点についてはやはりルール外のところなので、これについては確認の上今後正していかなければならないと考えている。

【斉藤委員】
 前金払いを100%にしたと。それは当時の総務課長が言うように資金が不足したからだと。通常でないことをやったときには、それをきちんと正すべきである。その後実際に、それでも足りないので1億6900万円に勝手に変更している。補助金申請の変更を出す前に。そういうことをやられているのに、あなた方は危機感を持たずにチェックしなかったというのはどういうことか。
 平成23年度の完了検査にあたって3月16日、宮古地域振興センターの調査が入っているが、どういうことを指摘したか。

【雇用対策課長】
 1つには、会計処理の整備状況ができていない、検査・確認をすることができない状況だったので、きちんと整理するようにという指導をしている。
 その他に、給与の支払い額が非常に高額な者もいるので、そういう点については改善をするようにしている。その他にもいろいろあるが主なものをご紹介した。

【斉藤委員】
 このときがきわめて重要な県の責任が問われたと思う。24年3月16日に、宮古地域振興センターが緊急雇用創出事業にかかって指導したと。その中身は、リース料・旅費・消耗品等の領収書類が不備多数で、存在する領収書について内容を確認した結果、どこに何をしに行ったか旅費は不明、消耗品は何を買ったか不明、支払額とリース契約が不一致と。支払い書類が確認できる経費のみ補助金対象とすることを説明したと。「平成23年度完了検査において、厳しくチェックを行う必要がある。場合によっては、本庁の検査を要請することも必要である」という危機感を持っていた。これがなぜ4月にすんなり完了検査が通るのか。
 実は、第三者委員会の報告で、24年7月26日に監査委員会が監査をした。監査では、「旅費・交通費・研修費・消耗品費・燃料費・材料費・リース料のそれぞれにおいて、明細あるいは領収書がなく不明なものが多数ある。それぞれについて書類を添えて明らかにされたい」と指摘されている。なぜ県の完了検査が通るのか。ここで異常さに気付いてあなた方が止めていれば、少なくとも24年度の不正は出てこなかった。

【雇用対策課長】
 私もこの事案についていろいろ関係書類等を調べて、委員と同じような疑問を持ち、その点については、再三宮古地域振興センターの方には確認をして、その結果、4月の検査で経費内訳書に対応する領収書類はすべてそろっており、それについては量も膨大であったため、山田町へ出向いての検査から書類を持ち帰って、その突合作業を行った上で了解したという報告を受けている。そこまでやったということなので、いずれ4月の段階では、それらの経費一覧に見合う支払い証拠書類がそろっていたということである。それを確認したので、県としては23年度事業については了承した。
 7月26日の山田町の監査委員会からの指摘だが、これまでの確認の中でどういう書類・指摘事項であるのか確認できていない。3月に山田町の監査委員会で、23年度分についての本監査があり、おおむね良好である、ただし改善すべきという表現もあったかとは思うが、最終結論としてはおおむね良好であるという監査がなされたということは記憶していたが、7月26日の指摘の内容については承知していない。対象年度についても承知していないのでお答えしかねる。

【斉藤委員】
 3月16日に県が指摘をしていて、4月になったら通った。ところが7月に監査委員会が監査したら同じことが指摘されている。きちんと調査していただきたい。
 23年度は実は3月分の人件費が4千数百万円未払いだった。NPOの預金通帳には115万円しかなかった。1億6900万円不足払いしても人件費が払えなかった。24年度に23年度分7000万円払っている。これは完全なチェックミスではないか。

【雇用対策課長】
 24年3月分の人件費未払い、その他にも約7000万円を24年度事業費からリース会社を経由して支払った部分に、23年度未払い分に充てた経費があったという報告書の記載がある。
 24年3月の人件費はたしかに支払い日が4月半ばなので、検査の段階では支払い日が到来していないので、今後支払い予定の23年度経費ということで県としては確認したものである。残念ながらその時点で通帳までは確認していないというのはその通りだが、今後支払い予定の経費として、23年度にその分を入れて計4億3000万円余という事業費になるという報告を山田町から受け、必要な検査をした上で了としたものである。

【斉藤委員】
 結局23年度から乱脈経理、やりたい放題の実態があり、2億円を超えるような未払いが残った。それを県は残念ながら完了検査その他でチェックできなかった。不足払いも行われていた。
 このチェック体制の甘さはきわめて深刻である。


・無料入浴施設の発注、建設について

【斉藤委員】
 事業破たんの最大の要因になったと思うが、無料入浴施設「御蔵の湯」である。これは、リース料・組み立て費・材料費ということでやられているが、こういう仕組みで無料入浴施設ができると誰が言ったのか。

【雇用対策課長】
 これまでの我々の確認の中では、たしかに「無料入浴施設を整備したいが緊急雇用創出事業でやることは可能か」という問いかけに対し、「制度上はリース費と材料費等に区分することができれば可能である」という制度としての回答はしているが、実際整備しようとしていた内容に沿って個別具体の照会を受けたものではないと把握している。

【斉藤委員】
 「可能である」と言ったことが間違いだったと思う。これは無料入浴施設の開所式の記事だが、町長があいさつで「町では復興支援事業の一環として、町民の皆さま方の交流の場、災害時の避難場所としての機能を併せ持つ仮設公衆浴場を、旧町立図書館跡地の御蔵山に建設し、この度開所の運びとなった」と。町が「建設した」と。そして県の副局長の代理も出席している。これはまさに建設工事そのものである。これがリースと材料費と組み立て費に分ければできるという指導をしたから失敗した。この指導が間違ったとは思わないか。

【雇用対策課長】
 あくまでも、個別具体の条件のもとではなく、一般論として「制度として認めている」という説明をしたと考えている。
 開所式のパンフレットの中にも、事業内訳として「緊急雇用創出事業による建物付帯設備リース貸与」という形で、あくまでも町からは、部分的なリース貸与であるという説明を受け、県としては事業を承認してきたものと理解している。

【斉藤委員】
 ここにどのように紹介されているかというと、カガヤ建設代表取締役社長、これは請負業者である。肝心のリース会社は出席していない。リース貸与とごまかしで書いただけで、リース会社など出ていない。リース会社はなかった。あなた方が可能だと言うのなら、どのリース会社がどういう形でリースしたのか確認しなければいけない。結局は、岡田代表の名前でカガヤに建設工事を1億2000万円余で発注した。その未払い金を平成23年度から抱えたのである。あなた方が可能だと言うのだったら、そういうチェックをするのは当然ではないか。そもそも認めたこと、可能だと言ったこと自身が県の対応としては間違った。無料入浴施設を材料費と組み立て費とリースで分けられるのか。誰が考えたのか。まったくこのごまかしがそこから始まった。「大雪りばぁねっと。」は御蔵の湯だけではなく、B&Gの体育館の改修までやっている。やってはならないことをやっている。御蔵の湯の件で何でもできると錯覚してしまった。今でも可能だと思うか。そしてなぜチェックしなかったのか。

【雇用対策・労働室長】
 一般論として申し上げたというのは、前に自衛隊の仮設の浴場があり、その後に「大雪りばぁねっと。」の仮設浴場があり、その後に「緊急雇用創出事業が活用できないか」という問い合わせがあったという前提があり、それで一般論として申し上げたということであり、当該このように施設を造るということで県が答えたものではないので、今こういう形になって変だということと、その回答が、仮設としてできないかと言われれば、その通りお答えしたということでご了解いただきたい。

【斉藤委員】
 無料入浴施設は町長の特命でやったとは言っているが、問い合わせがあって答えている。リース料・材料費・組み立て費ということだったら可能だと。だからやったのである。しかしリース会社はなかった。だから架空のリース会社をつくった。そしてあなた方は開所式にまで出ている。このときにおかしいとは思わなかったのか。あれだけの建物がリースでできると誰が考えるか。何が材料費なのか。カガヤに問い合わせればすぐ分かることである。できないことをできると言った、現物を見てもあなた方は疑問を感じなかった。おかしいのではないか。
 24年11月9日、山田町から宮古地域振興センターへの説明があった。この説明文書では、「24年8月20日、この段階でリース会社設立の経緯、未払い金3億5000万円以上の存在を知った」と。だったらこの段階で直ちに手を打つべきだったのではないか。

【雇用対策課長】
 ご指摘の文書については、県からのいろいろな問い合わせの過程で、町から宮古地域振興センターへの説明の資料として持参された内容である。この時点で、報告書の中にもあったが、県として疑問を感じ、町の方へもいろいろ問い合わせをしていたやりとりの中で、こういったものも出てきている。当然この説明を受けて、重ねて県からも問い合わせをしたりしていたので、そういったやりとりをしている中で、報告書では、県からの照会が4回にわたりあったという記載があったが、その過程でそういったやりとりをしている途中、11月29日に岡田代表から役場に資金枯渇の話があり、12月10日の事案発覚という事態に至った。
 そういう意味では、この内容の説明を受けた段階では、危機的な、12月10日の状況に向かっていたと推測する。

【斉藤委員】
 これだけの事業費、24年度はすでに63%が不適正と。平成23年度も町長は2億円ぐらい不適正なものが出るのではないかと言っている。本当に前代未聞の不祥事が出た。第一義的にはNPOの問題だし山田町の責任は本当に重大である。しかしこれを食い止められなかった県の責任もあると思う。きちんと全庁的な体制で検証すべきである。
 そしてあまりにも乱脈で悪どいNPOである。徹底した責任追及、損害賠償をやらなければならないし、山田町の当時の町長・副町長らの責任も、第三者委員会の報告でも指摘しているようにきわめて深刻なものである。山田町に対して、法的な支援を含めて、本当に必要な助言・支援を強化すべきである。今の顧問弁護士程度では率直に言えば何ともならない。

【商工労働観光部長】
 今般の事案については、緊急雇用創出事業という事案であるだけに、当部としてもこういう事態に至ったことは誠に遺憾であると考えている。
 つきましては、全容の解明をしっかりしていくということはもちろんもっとも大事なことであり、その前提としては、やはりNPO法人がしっかり説明責任を果たし、町民の方々にたいしこういう事態に至った部分の説明・謝罪をすべきだと考えている。
 県としては、議論でもあったが、本事業については本事業としての適正さをしっかり担保していくという姿勢であり、山田町に対しては、今後の復興の足かせにならないように、また過度な町に対する行政的な関与ということにならないよう、そのバランスを考えながらしっかり対応しこの問題の解決に向けて取り組んでいきたい。
 法的な部分についての全庁的な部分については、今後関係部署等とも検討しながら対応していきたい。

「1票の格差」抜本的改革が今こそ必要だ穀田国会対策委員長の発言

2013-04-16 17:19:32 | 日記
しんぶん赤旗            2013年4月16日(火)
NHK討論

穀田国会対策委員長の発言



 日本共産党の穀田恵二国会対策委員長は14日のNHK日曜討論で、各党代表と選挙制度改革について議論しました。

 「1票の格差」で相次いだ違憲、選挙無効の判決への受け止めを各党は問われました。自民党の細田博之・選挙制度改革問題統括本部長は、民主党政権が対応してこなかったことを批判し、民主党の岡田克也・政治改革推進本部長は各県に定数を一つ割り当てる「1人別枠方式」の廃止も含めて受け止めるとの考えを示しました。

抜本的改革が今こそ必要だ

 穀田 今度、何が断罪されたのかというと、現行の小選挙区制が、投票権の平等に反している、憲法違反の重大な欠陥があるということ。それを重く受け止める必要がある。日本共産党は、19年前の「政治改革」で、小選挙区制が民意をゆがめ、議席に反映しないと反対をした。同時に、制度の発足当時から2倍の格差があり違憲立法だと批判した。だから、それを続けてきた各政党の責任が厳しく問われる。今こそ抜本改革が求められている。

 細田氏や公明党の北側一雄・政治改革本部長は、すでに「1票の格差」が実際には2倍を超えていると指摘もある小選挙区「0増5減」の区割りを変更する公職選挙法改定案を今国会で先行処理するよう求めました。細田氏は「最近50年間で(1票の格差が)2倍をきったことは一度もない」と開き直りました。穀田氏は、自公与党のこそくな取り繕いを批判しました。

小選挙区制度廃止しかない

 穀田 民意を正確に反映させるところに投票の平等の意味がある。(1票の格差を)1対1に近づけるという努力が必要だ。地域別の人口が変動するから、(小選挙区は)常に格差是正の区割りをしなくてはいけない問題を抱えている。小選挙区制と、投票権の平等という憲法の原則とは両立しないことが根本にある。小選挙区制度自身を廃止することが大事だ。

 一昨年から行われた、与野党協議で何も一致点がなかったわけではない。少なくとも現行の小選挙区制度が民意を議席に正確に反映させる上では(得票と議席に)大きな隔たりがあるということについては、当時の民主党を除いて認識が一致していた。抜本改革を中心にすえてやれば、一気に憲法違反だと言われている「1票の格差」是正というのはできる。しかも、(抜本改革は)一体でやろうと当時野党だった自民党も公明党も言っていた。他の党も含めて一緒にやろうといっていたわけで、前言をひるがえすのは納得できない。

 各党はそれぞれの改革案について説明。自民、民主、公明、維新はそろって、欠陥が指摘されている現行制度の維持、ゆがみをひどくする定数削減を主張しました。穀田氏は次のように説明しました。

比例代表制が合理的解決策

 穀田 今の(小選挙区の)選挙制度は二つの欠陥がある。一つは、第1党の得票率は4割台にもかかわらず、7~8割の議席を占め、得票率と獲得議席がかけ離れている実態。虚構の多数を作り出す欠陥がある。もう一つは、2位以下の候補者に寄せられた票は、過半数を超えていても議席に結びつかず、「死票」となって切り捨てられることだ。いまや「死票」が53%にも上っている。安倍首相も「それら欠陥があるから当初から(小選挙区に)反対だった」と私に国会で答弁した。

 民意を正確に議席に反映する比例代表制度に抜本的に改めることが必要だ。11ブロックの比例代表制にすると、「1票の格差」は1・03倍にとどまる。民意をゆがめるという小選挙区制の最大の弊害を取り除くとともに、平等の点でも合理的な解決ができる。

 各党が定数削減を声高に語り、穀田氏は定数削減反対の立場から批判しました。

議員定数削減民意削ること

 穀田 議員の役割は何か。憲法にあるように政府の暴走をチェックするということだ。(定数が)少なければ少ないほどいいという考え方は間違っている。しかも、OECD(経済協力開発機構)諸国のなかで、(日本の国会議員数は)一番少ない。(与党案では)大正時代に普通選挙をやったときの定数に逆戻りする。(当時より)人口が2倍になっているのにおかしい。(削減は)民意を削ることであり間違っている。

創刊によせて三国連太郎さんの「発言」

2013-04-16 09:29:44 | 日記
しんぶん赤旗より転載
 「しんぶん赤旗」は2月1日に創刊80周年を迎えました。創刊によせて三国連太郎さんの「発言」を紹介します。

 みくに・れんたろう 1923年群馬県生まれ。51年に映画「善魔」でデビュー。映画出演は180本を超える。「異母兄弟」「飢餓海峡」「にっぽん泥棒物語」「戦争と人間」「神々の深き欲望」「息子」「釣りバカ日誌」など。原作・脚本・監督作として「親鸞 白い道」がある。

 「赤旗」にしても日本共産党にしても、人間主義という出発点が、本来の成り立ちだと思うんですね。人間本位の暮らし向きを主体にして成り立っている政治集団でしょうから、なんで抵抗がある人がいるのかなと思いますね。
 やっぱり保守勢力から嫌な印象が根強く宣伝されたからでしょうか。しかし、戦前は共産党を非合法にする裏側で戦争に突っ込んでいった。そういうことがいえると思います。
見えない圧力
 僕たちの若いときはそんな時代でした。旧制中学に入ったら制服がカーキ色になって、ゲートルを巻いて登校することが規則になりました。最初はバラバラだった登校が、だんだん整然と乱れなく、歩調をとって歩くようになるわけです。
 僕はその体質が嫌で、中学に行くのが苦痛でした。4、5年の生徒はストライキをやっていました。見えない大きな圧力を感じて反抗したんじゃないかと思います。その辺からサーベルをさした配属将校が軍事教練をするようになったんです。たばこを吸って停学になった時は、将校の家で毎日「教育勅語」を書かされました。従順になれなかった僕は中学を2年で退学し、16歳で伊豆の田舎を飛び出したんです。
 僕みたいなのを不忠の民というんでしょうね。徴兵忌避で捕まって静岡の34連隊に入りました。中国に出征しても、なぜ自分が前線にいるのか理由づけられない。中学の同級だった軍医の助言で仮病を使い、陸軍病院に入院しました。それで命が助かったわけです。一緒に原隊を出発した仲間はその後にガダルカナルに渡り、ほとんど帰ってきませんでした。
 2年半、中国にいて終戦を迎えたんですが、戦争が終わったと思ったら体中がカッカッしてきましてね、これで生まれ故郷に帰れると思いました。韓国から連れてこられた「慰安婦」の人たちも、どよめいていました。従軍「慰安婦」はいなかったという人もいますが、実体を見たのは僕の錯覚だったのかなと現実に確信が持てませんね。今となっては何が真実か見えなくされてるような気がしますね。
 僕たちの仲間は何十万という犠牲者を出しました。映画「北辰斜にさすところ」ではその思いをせりふとして入れてもらいました。海の向こうには帰ってこれない者がいっぱいいるんだと。生き残ったわれわれはその犠牲に報いることができているのか、不特定多数の犠牲者に訴えられる唯一の場だと思ったんですね。
孫と軍靴の音
 僕は音には敏感でしてね。何か最近の情勢を見ていますと軍靴の音が高く迫ってくるような気がしてならんのです。国会中継でも自己権益だけが先行しているために詭弁(きべん)をろうしているように思えてなりません。政治家は国民一人ひとりの生命を預かっているわけですから、発言の一句一句には重い責任があると思うのです。
 近ごろは眠れないときにたまに孫の写真を見たりしますね。小学校の5年生なんですが、この子の顔に軍靴の音が重なることがたびたびあります。何とかこの子たちには、同じ思いをさせたくないと思っています。
 平和をゆるがせにする権利は誰にもあるわけはないのです。今は戦前のように思想の制限はないでしょ。たくさんの犠牲を払って自由を獲得したわけですから、「赤旗」はその遺志を継いで、不特定多数を納得させる難しくない言葉でおおいに本当の報道を伝えて、平和の権利を守る手助けを続けていただきたいと思います。
 聞き手 板倉三枝
 写 真 佐藤光信

あきらめず声をあげよう

老いも若きも安心して暮らせる世の中を 最低年金月七万円 戦争する国つくりダメダメ 投票に行かなければ何も変わらない