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社説(6/8):「炉心溶融」隠し/曖昧な結論は許されない

2016-06-08 17:53:31 | 原発
河北新報より転載

社説

社説(6/8):「炉心溶融」隠し/曖昧な結論は許されない

2016年06月08日 水曜日

 福島第1原発事故から5年がすぎた今頃になって、「炉心溶融」と「炉心損傷」が問題になっている。
 事故を引き起こした東京電力はずっと「損傷」と説明していた。発生から2カ月もすぎた2011年5月になって「溶融」と認めたが、実は当初から知りながら隠蔽(いんぺい)していたのではないかという批判を受けている。
 もし意図的に隠していたのなら、福島県の住民らを欺く極めて悪質な行為だ。東電は第三者検証委員会で調査中だが、どんな経緯で損傷にしたのか、誰かの指示がなかったのかどうか、明確にしなければならない。うやむやにすることがあってはならない。
 さらに国との話し合いがなかったのかどうかも、明らかにすべきだ。事故翌日の3月12日、「炉心溶融」と言及した当時の原子力安全・保安院の審議官が記者会見担当を更迭されており、国の対応も不可解だった。
 隠蔽疑惑のきっかけになったのは東電の柏崎刈羽原発を抱える新潟県の「原発の安全管理に関する技術委員会」。福島第1原発事故の検証を進める中で、東電のマニュアルに従って判断すれば、事故の数日後には「溶融」と判断できたことが分かった。
 それだけならずさんな見落としかもしれないが、東電の原子力・立地本部長が先月末「溶融に決まっているのに、溶融という言葉を使わなかったのは隠蔽」と発言した。
 事故直後の測定データを見れば「常識的な技術者は、そう(炉心溶融)です、と答える。マニュアルがなくても分かる」ことだったという。
 炉心溶融は一般的に、メルトダウンと同じ意味。炉心とは原子炉(圧力容器)の中心のことだが、普通はそこに置かれている核燃料(二酸化ウラン)を指す。
 炉心溶融はつまり核燃料が高温になって溶け、原子炉の底に落下すること。水がなくなって冷やせなくなると、大して時間がかからずに溶融の危機に見舞われる。
 東電の本部長が話したように原子力の技術者であれば分かりきったことであり、ほぼ間違いなく現実に起きていることも認識していたはず。
 それを損傷と表現するのは全くおかしい。例えば核燃料に亀裂が入っても損傷だろうが、そんなレベルではない危険な事態に見舞われていた。
 不正確では済まされず、事故の矮小(わいしょう)化を図った隠蔽と批判されても仕方ない。何より東電が正確な情報を発信しなくなっては、何が真実か誰も確証を得られなくなる。
 本当のことを公にすれば混乱を招きかねないと考えて損傷と言い続けたのかもしれないが、言い訳にはならない。かえって疑心暗鬼になり、混乱を増幅させることにもなりかねない。
 東電の検証結果は近くまとまる見通しだが、内容によっては国に対する調査も必要になるのではないか。
 この問題に最も関心を持たなければならないのは、被災地の福島県だろう。本来なら新潟でなく、福島が追及すべき事柄。検証の結果が出たなら、東電に対して厳しく問いただしていくべきだ。

使用済み核燃料 中間貯蔵施設の操業開始を延期

2016-06-08 08:54:00 | 原発
毎日新聞より転載

使用済み核燃料

中間貯蔵施設の操業開始を延期

毎日新聞2016年6月7日 東京朝刊

 東京電力と日本原子力発電が出資するリサイクル燃料貯蔵(青森県むつ市)の山崎克男副社長は6日、同市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設について、今年10月としていた操業開始時期を延期する考えを原子力規制委員会の審査会合で示した。新たな操業開始時期は「審査の状況を見ながら、今年10月までには決めたい」と会合後に話した。

 リサイクル燃料貯蔵によると、施設はほぼ完成しており、出資2社の原発で使った核燃料を空冷式の金属容器で最長50年間貯蔵し、その後再処理工場へ搬出する予定。

民進との共闘を小林節氏が拒否 連合会長と協議決裂

2016-06-08 07:18:25 | 野党は共闘
東京新聞より転載

【政治】

民進との共闘を小林節氏が拒否 連合会長と協議決裂

2016年6月7日 朝刊

 連合の神津里季生会長は六日、政治団体「国民怒りの声」代表を務める小林節慶応大名誉教授と東京都内のホテルで会談し、参院選比例代表での民進党との共闘を提案した。民進党の比例名簿に小林氏らを登載し、比例票の底上げを図る狙い。小林氏は「民進党とは目指すところが違う」として拒否した。複数の出席者が明らかにした。

 出席者によると、神津氏は会談で「全野党が一つになって戦うべきだ。民進党の名前に結集してくれないか」と打診した。これに対し小林氏は「政策を打ち出せない民進党と一緒にやっても意味がない」と述べ、協議は決裂したという。

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