まあどうにかなるさ

日記やコラム、創作、写真などをほぼ週刊でアップしています。

ゴキてん

2011-07-27 12:28:30 | 雑学

人類の最強の敵。
彼らは三億年前の太古から 地球に存在し、人類が地球を支配した後も、それを嘲笑うかのように文明社会の死角で脈々と生き続けて来た。
近代科学の総力を結集しても、彼らを殲滅することは不可能だと思われる。
雑誌『AERA』に彼らゴキブリの記事が掲載されていた。
『バルサン』を販売するライオンが運営するサイト『ゴキブリ天気予報』通称『ゴキてん』が4月にオープンし、すでに180万アクセスを突破した。
別にサイト名を略す必要はないと思うのだが・・・
何となく天ぷらを想像してしまう・・・し、失礼!
このサイトはゴキブリの活性化状況を4段階のゴキブリ指数で伝える。
ゴキブリが最も活発に活動する温度は25度から30度の間。意外にも30度以上になると夏バテが見られるらしい。
今年は節電対策で、エアコンの設定温度は28度と言われている。
この設定温度は彼らにとってはもっとも快適なのだ。
今年は、彼らが飛ぶ姿を頻繁に見ることができるかもしれない。
お、恐ろしい!
記事によると、ビルの12階でも、大量発生した例があり、高層階でも、安心できないそうだ。
彼らを甘く見てはいけないのだ。
また、意外だったのは部屋の中に大量の観葉植物がある場合、そこが巣になりやすいという。というのも、彼らは何でも食べるので、水さえあれば生きていけるのだ。
今年は放射能の影響で窓を開けない家庭が多く、これも湿気を好む彼らにはいい環境だという。
彼らは空気の流れがないと、ここは安全だと思う習性があり、窓を開けて換気することは対策の一つになるそうだ。
彼らはわずかな隙間から忍者のように忍び込む。
我が家では彼らに何とか立ち向かう事ができるのは僕一人だけ。
僕の帰宅前に彼らが現れると、残された家族は敵前逃亡するしかないだろう。
もし、僕の帰宅前に彼らが飛来したら・・・
考えるだけでも恐ろしい!
殺虫剤の準備だけは万全にしておく必要がありそうである。
それにしても今年の日本は彼らにとってはまさに天国である。

http://gokiten.varsan.jp/


イタリアンレストラン『武蔵野山居』

2011-07-20 19:46:10 | プチ観光名所

我が家から徒歩圏内。
うっそうと茂る雑木林の中にポツンとある建物。
最初、誰かの別荘かと思ったら、そこはイタリアンレストランだった。
去年開店したこの店は県の景観賞を受賞したそうだ。
中へ入るとピザを焼く窯がガラス越しに見え、木材をふんだんに使った、落ち着いた店内へ通される。行ったのは真夏なので炊かれていなかったが、暖炉があり、店の雰囲気を高めている。
ランチは予約をしないとなかなか入れないほどの人気。
窓からは、武蔵野の森林の自然な雰囲気が楽しめる。外に見える木々の木漏れ日が涼しげである。
ピザが有名だけど、たのんだのはパスタランチ、シンプルだけど、実に美味しい。
店員の接客態度も良く、店内の雰囲気と相まって、上質な時間を楽しめる店だと思う。






お店のHP
http://musashinosankyo.com/


Johnson Town

2011-07-16 23:35:25 | プチ観光名所

自宅から車で少し行った所、入間公園の近くにその街はある。
住宅街の一画、数百メートル四方の、その場所だけ、まるで60年代のアメリカを切り取ってきたような街並みがつづく。
通りから一歩その区画へ足を踏み入れると、あたかも日本を離れたような錯覚に陥る。
『Johnson Town』と書かれた標識がその区画の入口に立てかけてある。
ほぼ統一されたデザインの白い木造住宅が並び、表札を見ると外国人の住居もある。住宅の他には、20軒以上のカフェやバー、アンティークショップなどがあり、どの店も、この街の雰囲気に溶け込んでいる。
自衛隊の入間基地はかつて、米軍のジョンソン基地と呼ばれていた。基地の米軍住宅が集まって建てられたのがこの区画なのだそうである。偶然通り掛かり、一軒のカフェに入った。
その店の内装も、この街の雰囲気を壊さないようにデザインされている。
昼を食べたばかりだったからカフェにしたけど、なかなか美味しそうな店もあるので、今度はランチに来ようと思う。







吉田拓郎

2011-07-11 23:20:41 | 音楽
高校生の時、吉田拓郎が大好きだった。狂ったと言っていい。
その頃初めてできたレンタルレコード店でアルバムを借りてきては片っ端からテープに録音して、夢中で聴いた。
友達の中には拓郎の曲は音楽的に云々言う者もいたけど、全く耳を貸さなかった。
こいつは拓郎のよさが判ってないと心の中で思っていた。
拓郎は僕にとって音楽ではなくて大切なメッセージのようなものだった。
大学に入ってからは、コンサートへも何度か行った。
8万人を集めた、つま恋で開かれた真夏の野外コンサートへも出掛けた。開始は夜からだったけど、場所取りのために友達と朝から行って、一日中炎天下で開始時間を待っていた。
オールナイトで行われたそのコンサートは空が明るくなるまでずっと盛り上がっていた。
「たくろう~」
大声で叫ぶのはとても気持ちがよかった。
誰かが言っていたけど、拓郎が『人生は素晴らしい!』と叫ぶと、みんな『そうだ!』と叫ぶ。もし、拓郎が『人生はつまらない!』と叫んでも、みんなは『そうだ!』と叫んでいただろう。
みんなの前で拓郎が叫ぶことが重要なのだと。
吉田拓郎とはそういう存在である。
あれだけ好きだった拓郎なのに、ある時を境にぱたりと聴かなくなってしまった。
何故なのかは自分でもよく判らない。
夢中になったからこそ、その反動なのだろうか?
当時は未熟者だったので、そんなこっ恥ずかしい自分を思い出すのがいやだったからかもしれない。
不思議なことにその頃に聴いた拓郎以外の音楽はその後も聴いていた。
先日、レンタルビデオ店で、当時のつま恋のコンサートの模様を収録したDVDを見つけたので、借りてきた。
あのコンサート、DVDになってたんだなあ。
『’85 LAST NIGHT IN つま恋』
会場をぎっしりと埋めつくした観客の中には僕もいたんだなあと思いながら懐かしく観ていました。


エントランスホールの事件

2011-07-05 12:41:13 | 怪談

夜の2時近くだっただろうか、熱帯夜のせいで、その日は寝付かれず、布団の上で何度も寝返りを打っていた。
ふと、少し開けてある廊下側の窓から、女性のうめき声のような声がかすかに聞こえてきた。しばらくの間聞こえてくるので、少し気になり、玄関から外へ出た。この時間のマンションの照明は間引きされていて、廊下は薄暗い。
声はマンションのエントランスホールから聞こえてくる。 僕の部屋は1階で、エントランスホールからは比較的近い。
三ヶ月ほど前の春、このエントランスホールで事件があった。夜中だったので、朝になるまで誰も異変に気がつかなかった。
また何かあったのだろうか?
恐る恐るホールへ歩いていくと、3人の若者の姿が見えた。自動ドアが開き、ぐったりした女性を1人が抱きかかえ、ホールへちょうど入ってくるところだった。もう1人はすでに自動ドアの内側に立っている。3人は見たところ二十歳そこそこの若者。
「どうかしましたか?」 僕は3人に声をかけた。
「連れの具合が悪くなったので送ってきました」 女性を抱きかかえた男が答えた。どうやら女性は酔い潰れているようだった。
「マンションの住人ですか?」
「この子はそうです」
女性は意識を失っているのか、目を閉じて、男性によりかかり、ときどき具合の悪そうなうめき声を発していた。 女性の顔をちらりと見る。 見覚えのある顔だった。今、いっしょに役員をしている男性の娘さんだった。マンションの行事を何度か手伝ってもらったことがある。大学生だと言っていた。
酔いつぶれた女性を2人の男友達が送ってきたのだろう。 2人の男も大学生風の格好をしている。 3人は、エレベーターに乗って、上がっていった。
このエントランスホールの自動ドアは中からは自由に開けることが出来るが、外からはICカードをセンサーに接触させなければ開くことができない。以前は、部屋の鍵を自動ドア横の鍵穴に差し込んで回すと、ドアが開いたが、今は部屋の鍵と別にICカードを持って外出しなければならず、カードを持って行くのを忘れる住民が続出した。 自動ドア横の番号キーを操作して自分の部屋を呼び出し、部屋にいる人が中から操作して、自動ドアを開けることもできたが、部屋が留守の場合は、警備会社に連絡する必要がある。酔い潰れた女性のカードがなかなか見つからず、外ホールで時間をとられたのかもしれなかった。


それからしばらくした夜、仕事の帰りに、駅で先日の女性と偶然いっしょになった。
並んで帰路を歩き、先日のことを話題にした。
「この前は大丈夫だったの?かなり酔ってたみたいだけど・・・」
「すいません、あまり覚えてなくて。起こしちゃいましたか?」
「いや、まだ起きてたから」
「もしかして、エントランスのドアを開けていただきましたか?私、あの日カードを忘れて出かけたので」
「いや、僕が行ったときは、もうドアは開いてたよ。家の人じゃないの?」
「あの日、両親は留守だったんです。送ってくれた友達の話しだと、急に自動ドアが開いたそうです。誰かが部屋から開けてくれたんだと思います」
「僕が行ったときには3人がちょうど入って来るところだったよ」
「3人?」
「送ってきてもらったんだよね」
「2人じゃないですか?送ってくれたのは1人なんですけど」
「でも、確かにもう1人いたよ、白いパーカーを着た男が・・・」
「へんだなあ~、そんなはずないんですけど」


そのときは、彼女は酔っていたから勘違いしているのだと思った。
でも、その男の恰好は真夏にしては、ずいぶん厚着をしていた。長袖の白いパーカー・・・
どう見ても春先の服装である。


春先・・・


ふと、気になったことがあり、次の休日、マンションの、あるお宅を訪ねた。
三ヶ月ほど前に大学生の息子さんを亡くされた方だ。
もともと母子家庭だったので、今では母親が1人で暮らしている。
息子さんは夜中に帰宅したところで、くも膜下出血で倒れた。
倒れたのはエントランスホールだった。
母親は先に寝ていたので、戻らないことに気がつかなかった。
朝になり、住民に発見され、救急車で搬送されたが手遅れだった。
その時、マンションを代表して、香典を届けたが、改めて、ちゃんと線香をあげさせてほしいと言うと、中へ通してくれた。
仏壇に置かれた遺影には、あの夜に見た白いパーカーの男が写っていた。
自動ドアを開けたのは、彼だろうか。
彼はまだ、このマンションに漂っているのかもしれない・・・