まあどうにかなるさ

日記やコラム、創作、写真などをほぼ週刊でアップしています。

花粉症あれこれ

2019-02-24 00:14:35 | テレビ/ラジオ

花粉症について医師の森田豊氏が医学的見地に基づいた情報をTBSラジオ『ジェーン・スー生活は踊る』で紹介していた。今年は例年に比べ、ややスギ花粉が多いそうである。

・子供の頃プールでよく遊んでいた人は花粉症になりやすい。

プールに使用されている塩素化合物の刺激を慢性的に受けると様々なアレルギー疾患の原因となる。ドイツでの研究によると学童時代に頻繁にプールに通っていた人はそうでない人より74パーセントも多いそうだ。但し、現在のプールはそれほど塩素濃度は高くないのでそれほど心配は要らない。

・人差し指が薬指より長い人は花粉症になりやすい。

お母さんのおなかの中にいるときは女性ホルモン、男性ホルモン、両方にさらされているが、女性ホルモンの影響が強い人ほど人差し指が薬指より長くなるとされている。女性ホルモンの影響が強い人ほどアレルギーになりやすいそうだ。

・バナナは花粉症の症状を軽くすると考えられている。

筑波大学の研究チームによると、スギ花粉症の人に3週間くらい継続的にバナナを食べてもらったところ、くしゃみなどの症状がよくなったと報告されている。バナナに含まれるビタミンB6やセロトニンなどが関与していると考えられている。

・生トマトにはヒスタミンが含まれていて炎症を助長してしまうので花粉症には良くないが、加工用のトマト、例えばトマトジュースやケチャップなどのトマトにはポリフェノールが多く含まれるので花粉症の症状を緩和してくれるそうだ。

・花粉症の人は癌になりにくい。

花粉症の人は癌で死亡するリスクが52パーセントも少なくなるという統計結果がある。花粉症の人は免疫が活発に働いているからだろうと考えられている。

・歳をとると、花粉症が治ることが多い。

歳とともに免疫力が落ち着くせいか、年齢とともに花粉症の割合は減っていくそうだ。花粉症の人は50代で33パーセント、70代で11パーセントという報告がある。

・花粉症は遺伝しない。

アレルギー体質そのものは遺伝すると考えられているが、花粉症に関してはなりやすい遺伝子は解っていない。統計的にも親が花粉症なので子供も花粉症になりやすいという結果は出ていないそうだ。


人間昆虫記

2019-02-18 23:19:44 | 書評

手塚治虫といえば、『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』に代表される少年向けのマンガで有名だが、青年向けのマンガでも、クオリティの高い作品が多く発表されている。
中でも特に傑作だと思うのが『人間昆虫記』。女性版ピカレスクの異色作品である。「プレイコミック」に1970年から翌年にかけて連載された長編マンガだ。
主人公の十村十枝子が処女作『人間昆虫記』で芥川賞を受賞するところから物語は始まる。きらびやかな授賞式が行われている同じ時間、別の場所で臼場かげりという女性の首つり姿が発見される。実は『人間昆虫記』は臼場かげりの作品で、十村十枝子がそれを盗作したものだったのだ。臼場かげりは自殺ではなく、十村十枝子が人を使い自殺に見せかけて殺害していたのである。
十村十枝子は女優、デザイナー、そして作家と、次々と姿を変える。あたかも昆虫が脱皮を繰り返すかのように。だが、それは自分のものは一つもなく、全てが盗んだものだったのだ。
やがて、屈辱を受けた大企業の重役夫人になり、巧妙に復讐を遂げ、夫を自殺に追い込むのである。
全てを手に入れた十村十枝子にも、たった一つ、手に入れられないものがあった…

 


手塚治虫没後30年

2019-02-09 21:26:24 | コラム

2019年2月9日は手塚治虫没後30年に当たる。

手塚治虫が亡くなってすぐに、こんな内容のことが朝日新聞のコラムに書かれてあった。
世界ではマンガは低俗なものとされているが、日本では文化として定着している。なぜか? それは、日本以外の国に手塚治虫がいなかったからである…と。
今日の読売新聞では、手塚治虫登場以前の漫画とそれ以降では全く違うものとして、漫画ではなく手塚治虫以降の漫画をマンガであるとしている。まさに「マンガの神様」である。
手塚治虫以前の漫画、例えば『のらくろ』の画法はページを横に4等分ほどしたコマに、背景を書いて、それぞれのコマには同じような画角の背景に登場人物が演劇のように描かれていた。手塚治虫は初めてコマを不規則に描写する演出技法を用い、人物もクローズアップなどを駆使した。実に多彩な表現で効果的な演出を展開しているのである。

子供の頃から手塚治虫は身近な存在だった。母は手塚治虫のマンガは読んでいても何も言わなかったし、中学校2年生のとき、学校でマンガを読むことは禁止されていたが手塚治虫だけは例外だった。大人も手塚治虫のマンガのレベルの高さは認めざるを得なかったのだと思う。2011年に東京国立博物館で『手塚治虫のブッダ展』が開催され、2014年には手塚治虫のマンガがセンター試験に登場した。手塚治虫で育った世代はすっかり文化として定着させたのである。

マンガは95年に販売額5864億円のピークを迎え、後は下り坂だ。2017年には電子マンガが雑誌と単行本の売り上げを上回った。それでも、コンテンツとしてのマンガは今でも人気がある。「マンガの神様」がいなければ文化として定着していたかどうかはわからなかったと思う。


食品ロス

2019-02-02 21:01:14 | 社会問題

明日は節分。ここ何年か恵方巻を食べるのがすっかり定着したように思う。
だが、この恵方巻は、時期を過ぎると大量の売れ残りが廃棄処分となり、問題となっている。農林水産省は、あまり作り過ぎないようにと、業界へ異例の通達を出したそうだ。毎年、恵方巻の廃棄処分は推定10億円分に上る。
日本で廃棄処分になる食品は年間646万トン、これは東京都が1年間に消費する食品の量に匹敵する。世界で年間に援助される量が380万トンなので、その倍である。
食品ロスは日本だけではない。世界中で1年で捨てられる食品の量はおよそ13億トン、これは食品総量の3分の1に当たる。
日本での食品ロスの主な要因は業界の商習慣だ。スーパーやコンビニなどの小売店では欠品を許さない。機会損失により本来売り上げがあったはずの数字が失われるからである。メーカーが欠品を出すと、売価保障というペナルティーが科せられる。ひどい場合は取引停止に追い込まれる。メーカーとしては食品ロスを覚悟して多く作らないと商売が続けられないのだ。
3分の1ルールという奇妙な業界の商習慣もある。これは、製造から賞味期限の最初の3分の1までを小売店への納品期限、次の3分の1までを消費者への販売期限とする慣習である。たとえば、賞味期間が3カ月の食品ならば、製造してから1カ月以内に小売店に納品し、次の2カ月の間に消費者に売らなければならない。その期限を過ぎると、返品や廃棄処分となる。海外でも一定のルールはあるが、日本のこの3分の1ルールは最も厳しいという。特に廃棄処分が多いのはクリスマスケーキや恵方巻などの期間限定品だ。
コンビニでは、賞味期限が近くなった弁当などの安売りを事実上認めておらず、売れ残りが大量に廃棄される。
食品ロスは業界による廃棄処分が要因であり、消費者は関係ないと考える人が多いかもしれないが、消費者にも廃棄処分を減らすことはできる。
よくスーパーなどで、パンなどの食品を棚の奥から取る人を見かける。賞味期限がなるべく長い商品を買いたいと考えるからだと思うが、この行為は間違いなく廃棄処分を増やしている。賞味期限が近付くと増々売れなくなり、やがて売れ残ってしまう。そしてこれは廃棄処分を増やすだけではなく、値段の上昇にも繋がるのである。例えば1割売れ残ると、売る側としては1割値上げせざるを得ない。
食品ロスは全て消費者がそのコストを払っているのだ。