まあどうにかなるさ

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シャア・アズナブル論

2012-04-30 21:34:45 | テレビ/ラジオ

『ガンダム』のキャラクターの中で、高い人気を誇るシャア。アムロの好敵手として描かれ、甘いマスクと池田秀一の美声により、多くのファンを持つ。
だが、僕はこのシャアという男はとんでもない奴だと思っている。
第2話で、ガンダムのビームライフルを初めて見た部下に対し、
「当たらなければどうということはない」などと無責任な発言をしている。
い、いや、当たったらどうするんじゃ・・・
僕が演出家なら部下の額横に💧汗マークをつけるところである。
かわいそうに部下の乗るザクはガンダムのビームライフルにより破壊されてしまう。
ザビ家への復讐に燃えるシャアは、友人であるガルマを騙し打ちにする。ガルマはザビ家の末っ子である。複数の味方が乗る飛行廷もろともホワイトベースによって撃墜されるように罠をかける。
哀れ、ガルマは多くの乗組員と共に散る。
乗組員には家族もいるだろうし、シャアは、その人たちのことは考えなかったのだろうか?
その後死んだガルマに対し「坊やだからさ」と何とも非人間的な発言をする。
ちょっとひど過ぎるのではないだろうか?
一旦失脚した後、復活したシャアは、敵地ジャブローにおいて、追って来るガンダムを振り切るため、部下を盾にしている。
そもそも敵の本拠地に深入りしすぎだろう。
自分の妹のセイラがホワイトベースに乗っていることを知ったシャアは、金塊を妹に届ける。
自分の兄が敵の将校だと知れてしまったときの妹の立場を考えたのだろうか?
幸い、ブライトが穏便に済ませてくれたからいいようなものの、そうでなければセイラは、シャアに仲間を殺された味方から袋だたきに遭っていたところである。
映画『逆襲のシャア』では小惑星を地球に激突させるという、ヒトラーやポル・ポトも真っ青の悪行を行う。
しかも、複数の若い女性をたぶらかし、作戦に協力させているのである。
だいたい、シャア専用機など、余分な手間とお金をかけさせるだけである。
彼の名言と言われるセリフ
「認めたくないものたなあ、若さゆえの過ちというものを」
何を言ってやがる。
若いときは失敗して当たり前、本当に認めたくないのは歳をとったゆえの過ちである。
Zガンダムでシャアと共に戦う事になったブライトは、そのとき、シャアを後ろから羽交い締めにして、みんなでボコボコにすればよかったのにと思う。
それにしても、シャアがもっとぶ男に描かれていれば、評価は180度違っていたかもしれない。


グラゼニ

2012-04-21 00:27:39 | 書評
週刊モーニングに連載中の『グラゼニ』というコミックをご存知だろうか?
原作 森高夕次 漫画 アダチケイジ の一風変わった野球漫画である。現在単行本は4巻まで発売されている。
『巨人の星』や『ドカベン』など、従来のスポ根モノとは一線を画す。よく、プロ野球は夢を売る商売だと言われるが、この漫画は金銭面からプロ野球を描いている。
主人公は神宮スパーダースに所属する中継ぎ投手、凡田夏之介。左のサイドスローという特長のある投法を武器に辛うじて1軍にとどまっているプロ8年目の26歳独身。
彼の年収は1800万。サラリーマンではちょっと考えられないほどの高い額である。
しかし、プロ野球選手はサラリーマンよりずっと活躍できる期間が短いため、人生の収支としては全然合わないのだという。
解説者やコーチになれる選手は一握り、プロ野球選手はたいがいはつぶしが利かないので、引退の翌年から年収100万円代ということもざらにある。
主人公はプロ野球選手名鑑を頻繁に見ていて、常に対戦相手の年俸を頭に入れている。
所詮プロは金、自分より年俸の高い選手は上に、自分より年俸の低い選手は下に見てしまう。これがぶっちゃけ、プロの野球選手というものだそうである。
中継ぎ投手の職場はほとんどがブルペン、マウンドにも行くが、圧倒的に長い時間を過ごすのがブルペンである。そこで、肩を作るためのキャッチボールを続け、出番を待つ。
中継ぎ投手はとにかく投球数が給料に反映されるという。
ある日、凡田夏之介は年俸700万の代打と勝負をする。
この打者は、30歳、幼い子供二人を抱えている。
もし、ここで打てなければ、まず間違いなく2軍に落とされ、来期の契約はないかもしれない。幼い子供を抱えた打者の家族の将来が夏之介の脳裏を横切る。
だが、ここで、この打者を抑えなければ明日はわが身なのである。
夏之介は、お気に入りの定食屋の女性店員に思いを寄せる。
彼女は、別の球団の熱烈なファン。
だが、相手球団の中継ぎ投手の顔などは全く憶えてくれない。彼女には、毎回のように普通の客としての対応しかしてもらえない夏之介。
でも、現実はこんなものかもしれない。
グラウンドには銭が埋まっている。それを略した言葉がタイトルになっている。
普段、プロ野球を観る時は年俸何億かのスター選手ばかりに目がいきがちだが、プロ野球選手は夏之介のような辛うじて1軍にくらいついているような選手の方が圧倒的に多い。
そして、そんな彼らがプロ野球を支えている。
そこにスポットを当てたこの作品は、よくできた大人の漫画だと思う。


笑顔

2012-04-08 00:35:34 | 日記

息子は最近、家庭では喜怒哀楽のうち、喜哀楽をあまり表現しなくなった。
思春期の男子はそういうものだったと自分を振り返って思う。
6日は息子の高校の入学式だった。
付属なので、3分の2は中学から上がってきた生徒だ。
僕は仕事で出席できなかったけど、妻が撮ってきてくれた写真には、最近家庭では見せない息子の笑顔が写っている。
仲間の前ではこんな笑顔を見せるのだなあ。
その笑顔をこれからも忘れないでいてほしいと思う。
順調にいけば7年後に息子は社会人になる。
7年後、日本がどうなっているのかはわからないけど、とっても景気が良くなっているとは思えない。
そんな時代に果たしてどんなスキルが必要だろうかと考える。語学だろうか、ITだろうか?それとも対人交渉能力といったものだろうか?
どんな企業も人口が減っていく中でのビジネスモデルを模索している。そんな中で必要とされる人材とはどんな人材だろう?
考えてみてもなかなか答えは出ない。
でも、息子の笑顔を見て思う。
明るく元気でいつも笑顔を忘れなければ、あとはどうにかなるのではないだろうかと。