犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

バンコク便り~小さいおうち

2014-07-29 23:16:50 | バンコク便り
 最近、一週間の大部分を90歳の伯母の家(母の死後、伯母が一人で住んでいる)で寝泊まりしています。伯母は子どもがいないので、数少ない身寄りである私が面倒をみているわけです。 土曜日の夜はたいてい二人で夕食をとりながら、BSでやっている「寅さん」シリーズを見るのが習慣になっています。寅さんは伯母も好きで、20~30年前の映像を見ながら、昔話に花が咲くこともあります。 さて、バンコク行きのタイ航空。ふ . . . 本文を読む
コメント (2)

殉教者の日

2014-07-26 23:51:48 | ミャンマー
 7月19日土曜日、私は例によって東大の学生会館でミャンマー語の勉強をしていました。「今日は何の日だか知っていますか」「海の日はあさってですよね」「アウンサンが暗殺された日です」 ビルマ建国の父、アウンサン将軍は、今から67年前の今日、政敵によって暗殺されました。この日は、ビルマで祭日(殉教者の日)になっているそうです。「アウンサンは10時37分に暗殺されたんです」「もうすぐじゃないですか」 私の . . . 本文を読む
コメント (4)

シェワルナゼ氏追悼

2014-07-23 23:41:40 | 思い出
 少し前になりますが、7月7日、元ソ連外相、グルジア大統領のシェワルナゼ氏が86歳で亡くなりました(→リンク)。 2007年にエリツィン氏が亡くなったときにも書きました(→リンク)が、私は、韓国をウォッチするようになる前、しばらくの間、ソ連ウォッチャーでした。「ソ連」なんて、なつかしいですね。時期的には1980年代後半の約5年間。 ゴルバチョフ時代になって、ソ連ウォッチングが俄 . . . 本文を読む
コメント

『帝国の慰安婦』書評 4

2014-07-20 23:43:43 | 慰安婦問題
 韓国人の弁理士さん(ハンドルネームiamwoo)の、朴裕河著『帝国の慰安婦』に対する書評を翻訳し、シリーズで紹介しています。韓国語の原文はコチラ。 四回目の投稿です。議論のただ中へ入っていきます。著者の考えを追いながら『帝国の慰安婦』を擁護するとともに、それに同意できない読者の考えをまとめます。朴裕河監督のカメラワーク 映画にたとえてみましょう。私たちは、映像の王国に招待されました。私たちのそれ . . . 本文を読む
コメント (18)

『帝国の慰安婦』書評 3

2014-07-18 23:17:06 | 慰安婦問題
つづきです。(→リンク) 論争が持ち上がり、出版差し止め訴訟が起こされるまで、私は実際『帝国の慰安婦』という本の存在も知らず、著者の朴裕河もまったく知りませんでした。世の中にはいろいろな事件があり、解決しろ、解決しろ、解決しろという声がかまびすしいため、私のようなその日暮らし、その月暮らしの人生では、「慰安婦」問題についてあまり関心を持つことができませんでした。そのうえ私は学生時代から二 . . . 本文を読む
コメント (27)

『帝国の慰安婦』書評 2

2014-07-16 23:44:03 | 慰安婦問題
 書評の二回目です。(リンク)「純粋培養」された慰安婦の話 帝国の慰安婦の冒頭の文は「慰安婦とはいったい何者か」です。この冒頭の文は本書の前半部を規定します。文は問いの形になっています。朴裕河は、いくつかの解決策も語っていますが、本書の本質は解決策提示ではなく問題提起です。問題提起がすなわち解決策になっているという構造です。著者が行っているさまざまな引用と論争は、ただ冒頭の問いに答えるためのもので . . . 本文を読む
コメント (4)

『帝国の慰安婦』書評 1 

2014-07-14 23:15:02 | 慰安婦問題
 朴裕河教授の『帝国の慰安婦』についての、市井の人の書評を見つけたので紹介します。(→リンク) 書評子は、弁理士さんだそうです。帝国の慰安婦書評1 投稿者:iamwoo  朴裕河の『帝国の慰安婦』についての私の考えを、シリーズでまとめてみます。複雑で難しいので、ゆっくりと慎重に私の立場を明らかにしていくつもりです。 『帝国の慰安婦』は、二つの大枝と数本の小枝よりなっています。第一の大枝は . . . 本文を読む
コメント (4)

ミネイロンの惨劇

2014-07-11 23:20:32 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)
 優勝候補で地元開催のブラジルが、準決勝でドイツに1-7という大差で惨敗を喫しました。 前回優勝のスペインが、予選リーグでオランダに1-5で敗れたのも驚きでしたが、1-7というのはその上を行く。 ブラジルでは、バスの車庫が放火されたり、略奪が起こったりして、大荒れだということです。 今回の敗戦は、スタジアムの名にちなんで、「ミネイロンの惨劇」と呼ばれることになるのでしょう。 日本時間の未明に試合が . . . 本文を読む
コメント (2)

漢字の読み分け

2014-07-08 23:49:56 | 言葉
 日本語の漢字に読み方がたくさんあることは、日本語を学ぶ外国人を悩ませます。 漢字文化圏である中国や韓国の人にとっても事情は同じです。なぜなら、中国語も韓国語も、基本的に読み方は一つだからです。 よく例に挙がるのが、生。手元の辞書には、17種類(音読み2、訓読み15)の読み方が載っていました。セイ「生物」ショウ「一生」いきる「百歳まで生きる」いかす「こんなやつは生かしておけない」いける「生ける屍」 . . . 本文を読む
コメント

出湯

2014-07-05 22:32:06 | 言葉
  先日の国際会議で、会場となった会議室の隣の部屋に、休憩時間にお茶が飲めるスペースが用意されていました。ミネラルウォーター、ペットボトルのお茶、コーヒー、紅茶などの飲み物と、ちょっとしたお菓子がありました。 コーヒーと紅茶はインスタントで、自分でポットのお湯を注がなくてはならない。 出席者が30人以上でしたから、電気ポットは二つ設置されていました。ポットはメーカーが違うのでしょう、デザ . . . 本文を読む
コメント (2)

既読

2014-07-02 23:13:04 | 言葉
 最近、よく目にする言葉の一つが既読。どんなときに見るかといえば、LINEをやってるときですね。 自分のメッセージを相手が既に読んだことを示します。 で、既読をどう読むかといえば、たぶんキドクでしょう。念のために、三省堂国語辞典第7版を引いてみると…(ない!) 三国(三省堂国語)は、新語を逸早く採録することで定評がある辞典なのですが、2014年1月に発刊された最新版に未採録ということ . . . 本文を読む
コメント (2)