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ブルージュのうなぎ料理





ブルージュのうなぎはロンドンのうなぎのような感じですか、とメールをいただいたのでこちらでも紹介することにする。


昔、ブルージュのうなぎは隣村Damme(ダんマ、みたいな発音)へ続く運河で釣って食べるのも普通だったそうである。

先日、ダムにある有名うなぎ料理屋Shipon(シフォン)からの帰り道、ブルージュ生まれブルージュ育ちの義理の母が懐かしそうに話してくれた。
うん、この店に行くたびに聞かせられる同じ話です。

彼女の父親が釣りに行き、釣ってきたそれを家で料理して食べたのだとか。





ロンドンのテムズ川でとれるうなぎ料理は、かつて貧しい労働者の食べ物として、今も変わらぬ見た目のグロさと匂い、そしてテクスチャーといい、なんでも食べてみたいわたしでも絶句する英国料理だ。おそらくブルージュのうなぎ料理も昔は貧しい人のタンパク源のひとつだったのだろう。義理の母に聞いてみたら、お嬢様育ちの彼女は「そうなの?!」と驚いてはいたが。

ブルージュのうなぎ料理は今では高級料理である(参考までにメインの一皿で30ユーロ弱である)。

義理の母いわく、当時は今とは価値が逆転したかのように牛肉が安く、鶏肉が高価で、牛肉は塊でローストにして普段の食卓に、鶏の丸焼きなどはクリスマスや誕生日など特別の時に食べるものだったそうだ。


ブルージュのうなぎは上の写真のように皮付きぶつぎりにされた状態。
フライパンでバター焼き(上写真)にするか、ハーブのグリーンソースか、クリームソース(下写真)で食べる。
脂が落ちていないのでギトギトである。店によるのかもしれないが泥臭さはない。





日本人としてはグリルにすれば脂が落ちていいのにね、と毎度思わず言ってしまうが、「じゃあそうしましょう」と料理法を変えられるような最近完成された料理ではないようだ。みなの骨身に染み付いた伝統料理なのである。

美味しい店で食べると、バター焼きは外側がかりっと焼けていてうなぎの白焼き風味でかなりイケる。しかし、やはり脂が多すぎてたくさんは食べられない。
これをブルージュっ子はフライドポテトといっしょに食べるのです。もちろん。

わたしは白いご飯とわさびが合うと思う。お茶漬けにしたらもっといいかもしれない。持ち帰りができるので、一度持ち帰ってそうやって食べてみようかしら。絶対に美味しい!

ちなみに皮を剥いでフィレにしスモークしたうなぎもあり、前菜でよく食べられる。





シフォンは義理の母が子供の時からよく行った店でもあるそう。うなぎ、家でも外でもほんとによく食べていたんですね...
Damme村はずれ、店の前にはコンスタブルの絵画のような柳が立っている。

車でないと行きづらく、常に地元民で賑わっていて、店のオーナーがもみ手をしながら各テーブルに挨拶に来る。ウェイターさんたちはボートのキャプテンの服装をしているカジュアルな店だ。

夏場はブルージュで貸自転車を借りてブルージュ・ダム間の運河沿いを走って行くのはおすすめ。途中、ボートに自転車ごと乗せたりしてね!
 
この辺りの平らな風景、オランダの風景画そのもの。風車も立っている。このような風景を眺めるだけでも行く価値がある。

Dammeの村もかわいらしく、週末は自転車客で混雑する。ブルージュっ子は週末ここまで自転車で行ってコーヒーを飲んだりするのです。


お店は予約で埋まるので事前予約必須。カード不可なので注意されたし。
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