黒部将棋祭り。

2005-07-10 | 将棋

帰って来ました。この二日間にあったことを思い出せる範囲で書いていきます。

 まずは土曜日から。家でいつものようにネクタイを着けようとしたらなぜかやり方がわからない。何度やっても思い出せず。「森下流で」と思われた方はかなりの棋界通ですね。何かの本で森下九段がこのようなことになったことが一度だけあると書いていました。それを読んだ時は「そんなバカな」と思ったのですがまさか自分がなるとは

新幹線の中でもチャレンジしたのですが進展なし。10分以上ネクタイを持って首をひねっていたので周囲の人に変な目で見られたでしょうね 結局、会場までノーネクタイで行きました。昨年までなら変な目で見られたかもしれませんが今年だと「渡辺先生、クールビズですか」で済むんです(笑) 結局、開催にご尽力頂いている北日本新聞の方にネクタイをしてもらいました。「ネクタイ着けて下さい」と頼まれることなどまずありませんから、驚かれたでしょうね

会場到着後、前夜祭までの時間はそれぞれ書籍や色紙に揮毫。抽選で当たる賞品の目玉は出演棋士全員の揮毫が入った二寸盤。中田章道六段の下に三段の村田顕弘君が書くことになったのですが中田章道の下にスペースを空けずに村田顕弘と書いたので「中田章道村田顕弘」になってしまいましたそれを見た神吉六段、すかさず「なんやこれはーー中田章道村になってるやんけー中田章道村のでんけんこう(田顕弘)っていう和尚さんか、お前はー」見てすぐにこんなに笑いをとれるネタが浮かぶ神吉六段はすごいなぁと感心しました

前夜祭の後は関係者で会食。神吉六段がお酒が強いとは聞いていたのですが、実際すごかったです本当に「紹興酒を一人で7本空けたことがある」という話にはただただ驚くばかりです 僕はというと少々のビールで酔って前に座っていた将棋世界の田名後さんに「これからは映像の時代なんですよ」と意味不明な力説を展開。その一部を紹介しましょう。

僕【例えば「渡辺は将棋に負けたが打ち上げでは明るく振る舞っていた」という文がありますね。これだと伝わらないんですよ、どの程度の明るさなのかが明確でないから。これが映像だと分かり易く伝わるんです。打ち上げや前夜祭など普段見れないところを見たいと思っているファンの方は多いと思うんですよ。僕の情熱大陸の時みたいに一つの番勝負をドキュメント的に追いかけて一本にすれば面白いと思うんですよ。移動中、前夜祭、控室の検討風景、感想戦、打ち上げ、翌日の様子。などを盛り込んで。終盤戦の最後の一時間なんかは見ているだけでもかなりの迫力だと思いますし。そんなわけでDVDを販売しましょう

酔った勢いで口が動きましたが、これは実現出来ればかなり面白いものになるという気はしているんです。ただ単に僕が活字よりも映像が好きなだけなのかもしれないですけども。どうでしょうかこんな商品が欲しいなどあればどしどし聞かせてもらいたいです。

ホテルに戻ったのは11時半過ぎ。風呂に入って、携帯で日記を更新してすぐ寝ました

日曜日。8時に起床。鏡の前に立って(さぁ、今日はどうかな)とネクタイに挑戦すると・・・なんと成功パチパチパチ土曜日は一体なんだったのでしょうね。不思議なことがあるものです

朝食を食べて9時に出発、9時半開演。最初は出番がなかったので控室で色紙に揮毫。控室でもモニター画面でホールの模様が見れるようになっていて、便利でした

 地元出身の田村六段-桶屋郁夫アマ戦を解説。当初は角落ちの予定だったのですがお二人は平手で100局以上指している仲ということで平手戦に変更になりました。桶屋さんの先手で▲7六歩△3四歩に▲2二角成後で聞いたら桶屋さんの得意戦法なんだとか。これに対して田村六段「△同銀じゃつまらない」と△同飛。以下▲6五角△7四角▲同角△同歩▲5五角△3三角▲9一角成以下桂香を取り合うすごい将棋になりました 結果は熱戦の末に田村六段の勝ち。 神吉六段と羽生四冠のトークショーの後に羽生四冠との席上対局。

                   

図の局面での羽生四冠の次の手を出題。サイン入り二寸盤と直筆色紙が当たる大事な次の一手です。岩根女流初段が指し手を紙に記入中の羽生四冠の後ろに回って答えをのぞき見。岩根女流初段と羽生四冠だけが答えを知っています。解説の神吉六段に「渡辺さんの予想は?」と聞かれたので「まぁ、▲7五同歩はないですね。▲6五歩もちょっと早い感じですか。▲5九角だと思いますよ」これを聞いていた岩根女流初段が笑いをこらえきれないといった様子。羽生四冠も慌てて「皆さん、自分の思う通りに書いて下さい」とフォローしたのですが僕がないと言ったら普通は書きませんよねぇ・・・(苦笑)

そう、正解は▲7五同歩控室で聞かされて倒れそうになりました普通はこの手はないのですが香が9七まで上がっているので成立してしまったのです。正解者は4名。4名の方、おめでとうございました。僕を疑ったのがファインプレーです(笑)結局、残りの商品は多くの不正解者の中から抽選ということになりました

将棋は149手で羽生四冠の勝ち。次の一手で大チョンボをした上に負けてしまいましたが、将棋が熱戦になり会場の皆さんに喜んでもらえたので救われました。神吉六段の解説も面白く、楽しんでいただけたのではないかと思います

この後は抽選会とサイン会でプログラム終了。ご来場の皆さん、ありがとうございました

6時半に黒部駅で電車に乗り10時半に家に到着。 

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