王位戦第１局は千日手指し直しを▲木村八段が制して好スタートを切りました。△深浦王位にとっては先手番での千日手が痛かったとは言え、七番勝負は長丁場ですから、まだまだこれからです。

番勝負では、確か０５年頃から「一局完結制」を導入しているので、次の第２局も木村八段の先手となります。「一局完結制」は不公平感をなくすために森内九段が提案したルールで、何度千日手や持将棋で先後を入れ替えようが、次局には引き継ががない、というルール。

これがないと、例えばＡ棋士の先手で始まった第１局が終盤で千日手になって、持時間が短い指し直し局はＢ棋士が先手。すると、次の第２局は再びＡ棋士の先手で始まることになって、これがまた千日手になると、またもやＢ棋士の先手番は持時間が短い状況で行うことになってしまうのです。これでは、Ｂ棋士の先手番は持時間が短い時だけになってしまい、Ｂ棋士は持時間フルの先手番を１回もやらずに終わってしまう、というケースも考えられるのです。
本来、千日手というのは先手番が損をするわけですが、以前のルールだと、その局では損をしても、次局がまた先手になる、ということで、矛盾が生じていました。現在の「一局完結制」は指し直しの先後を次局に引き継がないので、やはり先手番が損をする、というわけです。
長くなりましたが、これを機会に書いておきました。



明日１５日(水)は第２期マイナビ女子オープン五番勝負第３局▲岩根女流二段－△矢内女王(２勝)

ストレート防衛か、挑戦者の踏ん張りか。

マイナビ女子オープン公式サイトにて。


来期、第３期マイナビ女子オープンの公開一斉予選対局が７月２５日(土)に行われます。
第３期マイナビ女子オープン公開一斉予選対局観戦のご案内(マイナビ女子オープン公式ページ)

同会場にて「永世竜王への軌跡」最速販売＆発売記念サイン会も行います。


本の詳細、同イベントの告知が下記ページに掲載されましたので、ご覧頂ければと思います。発売日は同イベントが行われる２５日(土)に決まりました。

７月２５日(土)渡辺明 著『永世竜王への軌跡』を発売(毎日コミュニケーションズ)