異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

スイスの公共放送協会の報道。 「福島第一原発事故から4年。スイスで脱原発を訴えるデモ。」

2015-03-17 23:52:44 | ご案内

2015年3月12日

スイスの公共放送協会の報道。 「福島第一原発事故から4年。スイスで脱原発を訴えるデモ。」

SWI swissinfo.ch

http://www.swissinfo.ch/jpn/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%EF%BC%93-%EF%BC%91%EF%BC%91_%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%94%E5%B9%B4-%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%A7%E8%84%B1%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%82%92%E8%A8%B4%E3%81%88%E3%82%8B%E3%83%87%E3%83%A2/41320422

2015-03-12 15:03

「フクシマ、チェルノブイリ、すべての原発の停止を」、「スイス・ミューレベルク原発の停止を」など、各々が異なるメッセージを掲げる。しかし共通のキーワードは「脱原発」。デモはENSIから少し離れた専門学校のキャンパスで行われた

(Keystone)

スイス・アールガウ州のブルックで福島第一原発事故から4年目の3月11日、スイスの脱原発団体がデモを開催した。ブルックには、日本の原子力規制委員会にあたる連邦核安全監督局(ENSI)がある。デモに集まった約200人の市民は、アルプホルンの音が流れる中、平和裏に行進。しかし、メッセージの「脱原発」は明確に提示した。アールガウ州の日刊紙アールガウアー・ツァイトゥングが大きく伝えた。

 同デモに参加した、スイスから日本の脱原発を訴える「スイスアジサイの会」の責任者、山本まさとさんは「福島第一原発事故は収束しておらず、一日約6000人の作業員が過酷な被曝労働をしている。汚染水も毎日海に流されている。また、子どもたちの甲状腺ガンは増え続けているが原発事故とは関係が無いと断定されている」などと日本の現状を説明し、デモ参加者に強いインパクトを与えた。 

 一方、スイスの脱原発団体「Allianz Atomausstieg」の代表、カスパー・シュラーさんは、連邦核安全監督局(ENSI)を批判し「ENSIは市民の健康・安全より、電力会社の利益を優先している」と訴えた。

 「日本で起きた津波による原発事故は他人事ではなく、スイスでも起こり得る。ところが、スイスで起きる(原発立地地域の)地震や洪水の可能性とその危険性についての調査をENSIは法的に求められているが、それを実行していない」とも批判した。

3月11日で800回目の監視

 デモ開催者の1人でブルック在住のヘイニ・グランザーさんは、デモ参加者の多さに感動し、「国籍も年齢も異なるこんなに多くの人が参加してくれて感激だ。こうした多様性こそが、脱原発を多側面から考えることに繋がるし、またネットワークを広げることにもなる」と話した。

 実は、グランザーさんはENSIの建物の前で「ENSIの仕事を監視する」運動を続けている活動家の1人だ。福島第一原発事故が起こった翌日から始まったこの運動は、「まだ収束していない福島第一原発事故を想い、スイスでも原発事故のリスクは現実としてあること」を訴えるために、ENSIの職員が退社する時間に無言で立って抗議するものだ。

 4年目の今年3月11日は、この運動の800回目の日にあたった。最近、ENSIが入居する建物の所有者が、建物前での抗議運動を禁止する訴訟をブルック裁判所に起こした。ところが、この訴訟に対し「表現の自由を侵すもの」として800人が反対し判決は保留になっていた。

 今回のデモは、こうした無言の抗議運動の存在がメディアで報道される契機にもなった。

 

 


官邸が後任探し 受信料私物化でNHK籾井会長ついに更迭へ

2015-03-17 23:21:52 | ご案内

 

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158113

官邸が後任探し 受信料私物化でNHK籾井会長ついに更迭へ

「NHKではハイヤー代など外部発注の支払いは翌月払い。正月の使用料なら2月払いです。私の取材だと、内部通報者はNHKが籾井会長の私用料金をハイヤー会社に払ったのを確認してから告発に踏み切っています。料金は税込みで4万9585円。籾井会長は“あとで払う”つもりなら、なぜ1カ月以上も放置したのか。なにより、遊びのゴルフなら、個人でハイヤーを頼んでその場で支払えばいい。内部告発がなければ、払う気などなかったという疑念は拭えません」

 恐らく籾井会長にも後ろめたさがあったのだろう。不正がバレないように“小細工”を弄した疑いがある。プレー当日、東京・小金井市の名門ゴルフ場「小金井カントリー倶楽部」を往復する際、普段は「白のレクサス」のハイヤーに乗っているのに、「わざわざ別の車種を用意させた」(関係者)というのだ。「あとで払う気だった」なんて、子供じみた言い分は通用しない。
 
「政府が右と言うことに左とは言えない」

「政府のスタンスが見えないので、(慰安婦問題の)放送は慎重に考える」

 籾井会長は昨年1月の就任当初から「政治的中立」を定めた放送法に反して安倍政権ベッタリの失言・暴言を重ねてきた。そのたび「個人的見解だ」「アナウンス室で話術の勉強をする」などと言い逃れてきたが、今回の公金スキャンダルは「見解の相違」ではゴマカせない。

 18日に籾井会長は民主党の総務・内閣部門会議への出席を求められている。前回、2月に出席した時に参加議員から過去の暴言を糾弾され、「くだらん」と反発したアノ会議だ。出席すれば、今回のスキャンダルを激しく突っ込まれ、火ダルマとなるのは間違いない

「いま国会はNHKの新年度予算案審議の真っただ中。国民から受信料を徴収して番組を制作・放送する公共性から、NHK予算は全会一致での年度内承認が大原則です。昨年は野党6党が籾井会長の資質を問題視し反対に回って、原則が8年ぶりに破れた。2年連続で全会一致が崩れれば、NHK史上初の異常事態です。さすがに経営委員会からも会長罷免の声があがるだろうし、後ろ盾の官邸サイドも籾井会長とは距離を置き始めているといいます」(森功氏)

 今回のスキャンダルを知り、安倍官邸が次期会長候補のリストアップを始めたという声も聞こえてくる。
 籾井会長には今が潮時。ボロボロになる前に潔く身を引くべきだ。
 
 
 
 

 


捜査機関の「通信傍受」どこまで拡大するのか? 「盗聴社会の到来」弁護士たちが批判

2015-03-17 23:16:00 | シェアー

http://www.bengo4.com/topics/2822/より転載

民事・その他

2015年03月16日 15時08分

捜査機関の「通信傍受」どこまで拡大するのか? 「盗聴社会の到来」弁護士たちが批判

捜査機関の「通信傍受」どこまで拡大するのか? 「盗聴社会の到来」弁護士たちが批判
千葉県弁護士会の大塚功副会長(左)と埼玉弁護士会の大倉浩会長(右)
 

2010年に起きた大阪地検特捜部検事の「フロッピー証拠改ざん事件」などを受けて進められてきた「刑事司法改革」の議論が、大詰めを迎えている。政府は3月13日、法務省の法制審議会が取りまとめた答申を閣議決定した。関連法案が、今国会で審議される。 

改革の目玉は、「取り調べの録音・録画」の義務化や「司法取引制度」の導入だ。ただ、今回の法案には、そういった新制度だけでなく、「通信傍受を使った捜査がやりやすくなる」内容が盛り込まれている。

そのため、法案に対しては、「盗聴社会が到来する危険がある」と反対する声が、弁護士たちから出てきている。

●「窃盗」「詐欺」も対象に

そもそも、犯罪捜査のために通信傍受ができるケースは、通信傍受法によって厳しく制限されている。

まず基本的に、捜査機関が通信傍受をするためには、裁判所の令状を取らなければならない。さらに、対象犯罪は、組織的な薬物関連や集団密航、銃関連、組織的な殺人など、かなり重大なものに限られている。

裁判所が令状を出す場合にも条件があり、そうした犯罪に関連した通信が行われる疑いがあり、犯人特定や犯行状況を明らかにすることが他の方法では著しく困難なとき、とされている。

今回の法案では、まず、通信傍受の「対象」となる犯罪が大幅に増えている。

答申によると、新しく通信傍受の対象となる犯罪は、放火、殺人、傷害、逮捕監禁、誘拐、窃盗、詐欺、爆発物使用、児童ポルノという9つの類型だという。

この中には「窃盗」「詐欺」など、通常の犯罪も含まれている。

ただし、これら9つの類型の犯罪について盗聴が可能なのは「当該犯罪があらかじめ定められた役割の分担に従って行動する人の結合体により行われたと疑うに足りる状況があるときに限る」とされている。

つまり、複数人であらかじめ役割分担をして行われる、「振り込め詐欺」のような犯罪が想定されているようだ。

●通信傍受の「立会人」をなくす

もう一つの大きな変更点が、通信傍受の際の「立会人をなくす」という点だ。

現行ルールでは「傍受が適正に行われていることをチェックする」ため、捜査機関が通信傍受をする際、通信事業者が常時立ち会うことになっている。立会人は通信の内容を聞いたりはしないが、「傍受の実施に関し、意見を述べることができる」とされている。

一方、新しいルールでは、この立会人の代わりに、通信内容等を自動的に記録・暗号化する「特定装置」を使うことができるようにする。

立ち会い制度は事業者側の負担が大きく、捜査機関は「使い勝手が悪い」と指摘していたようだ。

●「盗聴社会の到来」と批判 

こうした通信傍受法の改正案に対して、全国18の弁護士会が「反対」の共同声明を発表し、3月13日に東京・霞が関の司法クラブで記者会見を開いた。埼玉弁護士会の大倉浩会長は「盗聴社会の到来を招く危険がある。国家による市民社会の監視につながる問題だ」として、慎重な議論を求めた。

大倉弁護士は「盗聴は、プライバシー侵害の危険性が大きい捜査手法だ。対象となる犯罪をもっと明確に絞るべきだ。捜査機関にとって都合が良いからと拡大していけば、歯止めがきかなくなる」「技術的措置では、濫用防止にはならない」と改正案を批判した。

千葉県弁護士会の大塚功副会長は「いまの法案では、取り調べの可視化が実現するのはごく一部のケースにすぎない。捜査機関側の証拠開示も全く不十分な内容だ。それなのに捜査手法が拡充されるというのは、バランスがとれていない」と批判していた。

証拠改ざん事件や数々のえん罪事件などを受けて進んだ「刑事司法改革」の行く末がどうなるのか。国会での議論に注目すべきと言えそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

 

 

 


従軍慰安婦問題、強制性はあったー吉見義明教授・林博史教授が海外メディアに訴え

2015-03-17 22:42:09 | シェアー

http://blogos.com/article/84245/より転載

従軍慰安婦問題、強制性はあったー吉見義明教授・林博史教授が海外メディアに訴え

 

BLOGOS編集部  2014年04月11日 16:09
 
10日、従軍慰安婦問題に関し、強制性があったとする立場を取る吉見義明氏(中央大学教授)、林博史(関東学院大学教授)が外国特派員協会で会見を行った
両氏は第一次安倍政権下の2007年にも会見を行っており、今回も海外メディアを前に安倍政権に対し河野談話の継承や謝罪・賠償、さらなる調査の必要性を訴えた。

吉見教授(左)、林教授(右)
 

吉見教授の冒頭発言

7年ぶりにこのような場を設けていただきまして大変ありがとうございます。日本の慰安婦問題について、いまどういう状況にあり、何をしなければいけないのかということをお話しさせていただきます。

ご承知のように慰安婦というのは戦地に日本軍によって立案・開設された軍の慰安所で日本軍の管理下に置かれ、日本軍将兵に性的交渉を強いられた女性たちです。慰安婦にされた女性は、騙しや甘言による誘拐、あるいは暴行・脅迫による略取、人身売買など、徴募方法は当時の刑法や国際条約に反する形態が多く、慰安所での強制・拘束は明らかに本人の意思に反した性奴隷状態でした。

これらは過去二十数年の調査研究はもとより、アジア各国での被害者の証言から明らかであり、すでに国際社会での共通認識になっています。
軍・官憲による直接連行を示す資料は発見されていない、とする2007年第一次安倍内閣時の閣議決定が強制否定の根拠になることはありえません。2014年に入っても慰安婦強制を示す新資料が発掘されています。

戦時下だけではなくて、戦後の被害女性たちのPTSDは想像を絶するものがあり、心身に残る後遺症は高齢になる被害者を今も苦しめていています。私たちは、このような女性に対する重大な人権侵害が二度と起こってはならないと考えます。そのためにも、90歳前後と高齢になった被害女性が生存されているうちに一刻も早く、日本政府は被害者が納得する明確な形で謝罪、補償を行なわれなければならないと考えています。

しかしながら、安倍首相が再び政権を取ると、河野談話の見直しや、慰安婦に対する強制を否定する議論が国会で繰り返され、3月14日には河野談話の見直しはないと安倍首相が言明されましたが、今も撤回を求める声が止むことはありません。
安倍内閣は、河野談話を見直さないと言う一方で文言調整に絞った極秘検証を行おうとしていますけれども、なぜそのような検証を行う必要があるのでしょうか。安倍内閣は河野談話の閣議決定を執拗に拒んでいますけれども、談話を事実上否定するか、再び撤回する動きを作る伏線ではないかという疑念を払拭することはできません。

私たちは昨年8月1日に、多くの研究者・市民とともに、明確な出典・根拠を持って慰安婦に関する事実を提供するウェブサイトを立ち上げ、今年の3月7日には「河野談話つぶしを許さない!緊急院内集会」を開きました。

私たちはこのような状態がいつまでも続く事を望んでおりません。事実に基づかない歴史認識が原因で、隣国と首脳会談さえできない状況は一刻も早く脱却しなければなりません。

私たちは日本政府に、第一に、河野談話の見直しをやめること。第二に、これまで発見されても政府として把握されてこなかった全資料の確認と国内外に所蔵されている関係資料を全面的に調査すること。第三に、オランダ人被害者を含む、アジア各国の被害女性の聞き取り調査を一刻も早く実現すること。第四に、被害女性に対して誠意のある謝罪と、謝罪が真意であることの証である補償や教育を推進することを繰り返し提言してきました。

 
安倍政権は、河野談話を踏襲することを表明した今、いわゆる極秘検証を直ちにやめ、河野談話を踏襲していることを内外に示すために、以下の措置を即刻実行に移すべきであると考えます。
ひとつは、河野談話で表明した、元慰安婦の方々に対する「お詫びと反省の気持ち」を否定するような言論に対しては、政府としてきちんと反論すること。それからもうひとつは、河野談話で表明した「我々はこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。」という誓約を誠実に実行することです。

なお、私たちは、河野談話をさらに発展させるような措置、すなわち河野談話の公表以後に明らかになった資料・証言や内外の調査・研究の成果を反映させ、国連の社会権規約委員会、自由権規約人権委員会、拷問禁止委員会、女性差別撤回委員会など、国際人権機関による慰安婦問題に関する勧告を踏まえた積極的な措置を求めていくことを表明します。

 

質 疑 応 答

吉見教授の発言に続いて、林教授による、"河野談話発表以後"の資料についての具体的な説明が行われた。説明では、自身が発見し、昨年11月に共同通信が報じた、「強制性を示す新資料6点」、軍の資金による隠蔽が行なわれていたとする証言資料が紹介された。

続いて、記者団との質疑応答が行われた。

ーアメリカでは河野談話が公式のものなのか否かという議論があるが、どう思うか。

吉見教授:言うまでもなく、河野談話は官房長官の名前で出されたものであるから公式なものであるとしか言えない。

林教授:河野談話を継承する、という内閣の答弁書を閣議決定している。内閣として承認するということからも、公式なものだ。

ー私はオランダの記者だが、河野談話が準備されていた段階で、なぜオランダ人女性への聞き取り調査がなされなかったのか伺いたい。また、強制性を示す資料が国の文書として確認されていない、というのはどういうことなのか。それらを歴史として認識していないということなのか。

吉見教授:日本政府は被害女性に対してヒアリングを広く行おうとしなかった。実際には韓国の被害女性のごく一部しかインタビューをしていない。

河野談話が発表されるまでに、すでに韓国人女性、台湾人女性、オランダ女性、中国人女性等々が実際に名乗り出ている。きちんと調査をして事実関係を認めるのであれば、これらの女性すべてにインタビューをした上で結論を出さなければなかったが、日本政府は問題を極限化しようとするために韓国だけで調査をして、他の国は問題がはっきりしないという態度を取ったということがあると思う。それが最初の大きな手違いだったと思う。

林教授:今日ご紹介した資料以外にも、法務省は2,000ファイル以上の資料を持っている。しかしながら河野談話を出すにあたり、この中から2点しか報じていない。ほとんどの文書を調査せずに放置している。したがって、河野談話を出した時点で日本政府がきちんと調査していない、というのは明らかである。

国会議員に対する答弁でも、河野談話公表までに見つかった資料ではこういう文書はない、という言い方をして、その後見つかった資料についても、ほとんど言及しないという姿勢を貫いている。なぜ日本政府がそういう態度を取っているのかわからない。みなさんにもインタビューをして聞いてもらいたいと思う。

私の推測では、そうした資料を認めるということは、強制を示す文書があったと認めざるを得ないからではないか。強制性を認めたくないので、新しく見つかった資料、持っている資料を無視しているのではないかと推測している。

2,000以上のファイルのうち、私がこれまで調査できたのは、まだ100ファイルにも満たない。個人ではとても無理なので、日本政府がこれらを調査すべきである、というのが私たちの要求でもある。

ー石原信雄元官房副長官が、河野談話について、強制性を示す客観的な資料がなく、16人への聞き取りによる調査と、裏付け調査をしていないと発言したことから、談話の見直しではなく再検証というのが浮上しているが、これについて事実関係と、その評価について伺いたい。

 

吉見教授:石原さんがどのような立場なのかはわからないが、河野談話が出されたときの責任者でもあるので、談話の内容については認めておられるのではないか。軍や官憲が暴行・脅迫を用いて連行した、ということを示すという資料があったかないかということだが、そのような資料はないというのがおそらく安倍さんの立場だろう。しかし、そういうことがあった、ということは林さんの発表でも示されており、崩れるわけだ。

オランダ政府は慰安婦問題について1994年に調査報告書を出しているが、それを読むと、オランダ人女性に軍・官憲が暴力を用いて連行したことを示す資料があるということが、いくつか例をあげて書かれている。それから、中国のケースでは、中国人女性たちが賠償を求めて日本の裁判所に訴訟を起こし、結果敗訴はしたが、判決の中で、中国で軍人が女性たちを暴力的に連行して慰安婦状態としたことを認定している。これも公文書と言えると思う。

もうひとつの焦点として朝鮮半島でどういうことが起こったのかということがある。朝鮮半島でもっとも一般的だったのは、軍、あるいは朝鮮総督府が業者を選んで、その業者に女性たちを集めさせていた。その業者はどういう方法で集めていたかというと、誘拐、あるいは人身売買がほとんどだった。このようなことが一般的であったということについては、国内で私と意見が対立している人との間でも、そこは共通の認識が成立している。

そのようにして誘拐、あるいは人身売買された女性は、業者によって戦地まで連れて行かれ、日本軍の作った慰安所に入れられるが、そこで軍は何をしなければいけなかったかというと、誘拐・人身売買は犯罪だとして女性たちを解放し、業者を逮捕しなければいけなかった。それをせずに軍の作った慰安所で兵隊の相手をさせれば軍の責任が生じてくるということになる。弁護士に聴いたところ、軍も共犯になるというのが弁護士の見解だった。そもそも軍が慰安所というものを作らなければこのような問題を起こらなかったわけだから、最大の責任は軍にあるということになるのではないか。

ーもうひとつ、橋下徹大阪市長が、「どこの国にもあったではないか」と主張をされた(関連記事)。このことについて、日本の特殊性などがあれば伺いたい。

林教授:他の国もやっていたから日本は謝らなくても良いということにはならない。重大な人権侵害をした以上、責任を認めて謝らなくてはならない。

そして、第二次世界大戦について言えば、これまでの様々な研究では、このような慰安所のシステムを持っていたのは日本軍とナチスドイツだけしか明らかでないと思う。慰安所は日本軍の規定の中で公式の施設とされていたが、こういう軍隊は他にはなかなか例はないのではないか。現地で軍が売春宿を管理するということは他の軍隊でもあり、アメリカ軍でもあった。ただ、私がアメリカの国立公文書館で調べたところ、その事実をワシントンが知ると、それを閉鎖させていた。つまり、アメリカ軍は公式の施設として認めてはいなかったということだ。これは日本軍とは決定的に違うところだろう。

また、朝鮮戦争のときに、韓国軍が慰安所を作っている。ただし、このときの韓国軍の慰安所を作った責任者たちは、すべて旧日本軍の将校だった。つまり日本軍の悪い習慣が韓国軍に伝わったという意味で、日本人として反省しなければならないことだと思っている。

ー河野談話が出された92年、93年当時の状況を考えると、背景に何か政治的な理由があったのではないか。

林教授:直接の関係があったのかはわからないが、あのころの日本はアジア諸国との関係が非常にセンシティブだった。かつての戦争の問題について、神経質に考えていた状況だった。その意味では何か関係があるのかもしれないが、ただそれ以上はわからない。

 

 ≪関連≫

Fight for Justice 日本軍「慰安婦」―忘却への抵抗・未来の責任

fightforjustice.info/
日本軍の慰安所は、中国、東南アジア、太平洋諸島などの日本軍が占領したほとんどの地域に、さらに朝鮮半島や沖縄、日本本土などにも設置されました。これまで研究者や市民の手によって、粘り強い調査が行われてきており、数多くの慰安所の所在地が ...

 

 

 

 


「強制連行があったとするマグロウヒル社の記述は誤り」従軍慰安婦問題で、秦氏、大沼氏が会見

2015-03-17 22:26:11 | シェアー

http://blogos.com/article/108036/より転載

「強制連行があったとするマグロウヒル社の記述は誤り」従軍慰安婦問題で、秦郁彦氏、大沼保昭氏が会見

BLOGOS編集部  2015年03月17日 16:30
 
17日、秦郁彦・日本大学名誉教授と大沼保昭・明治大学特任教授(元アジア女性基金理事)が会見を行い、同日付けで公表した「McGraw-Hill社への訂正勧告」について説明した。

この勧告は、秦郁彦氏のほか、藤岡信勝長谷川三千子芳賀徹平川祐弘百地章中西輝政西岡力呉善花高橋史朗氏ら19人の日本人歴史家有志によって提出されたもので、米国の公立高校で使われている世界史の教科書において、慰安婦の強制連行など。事実とは異なる記述があるとして訂正を求めている。 会見場には櫻井よしこ氏や長谷川三千子氏も姿を見せ、秦氏は改めて「日本の官憲による組織的な強制連行はなかった」とし、大沼氏は慰安婦問題の解決のためにメディアが果たすべき役割は大きいと指摘した。

 

秦郁彦氏の冒頭発言

いきなり本題に入ります。
最近、日本大使館と韓国の外交部が慰安婦問題について交渉をしていた1992年から93年にかけての外務省の外交記録を読む機会がありまして、その中にこういうことが書いてありました。
韓国の担当官が、こんな明るい時間に外交官同士が慰安婦問題を議論するのは恥ずかしい、"Shame"だと述べている。日本の外交官も、"同感です"という会話を交わしたと書いてありました。

アムステルダムの"飾り窓の女"というのは有名ですよね。我が東京においてもソープランドがあるのはご存知だと思いますが、こういう話題をオランダ政府が、あるいはヘッドラインで報道するとか、こういうことはないわけですね。いわば一種の常識であります。しかしながら、なぜ日本軍の慰安婦問題だけが大問題になってしまったのか、誠に不思議であります。

1944年にビルマでアメリカ軍が20人の朝鮮人慰安婦を捕虜にいたしまして、詳しい尋問記録を残しております。その中で彼女たちは日本軍に所属している売春婦だ「"nothing more than prostitute or "professional camp follower"」と結論しております。

売春婦は何時の時代にも、どこの場所にも存在してきたのであります。従って、慰安婦と呼ばれる人たちが特別なものだとは私は考えません。

慰安婦は日本軍のほかに第二次大戦中、ドイツ、アメリカ、イギリス、その他の国々にもありました。第二次大戦後にも、朝鮮人慰安婦が韓国軍アメリカ軍の元で働いておりました。

それにもかかわらず、日本軍の慰安婦だけがクローズアップされたのは一部のNGO活動家によるプロパガンダのせいであります。彼らは自国の売春婦や日本人慰安婦に対しては関心を示しません。

プロパガンダですので、虚と実が混じり合い、誇張された情報が乱れ飛んでおります。そのひとつが最近報道されたマグロウヒル社の高校生向け世界史教科書であります。26行という短い文章でこれほど事実の間違いが多い記述を私は見たことがありません。ここにその教科書がありますけど持つだけで重い本です。

私たち19人の日本人歴史家がこれを検分いたまして、重要な8箇所のミスを今日みなさまにお伝えしたいと思います。

たとえば、強制連行はなかったと私たちは強調しているんですが、慰安婦というのは、大多数は朝鮮人の親が娘を朝鮮人のブローカーに売り、それが売春宿のオーナーを経由して売春所に行くと、こういう経路であります。 一部に新聞広告を見て応じた者もありまして、これはつまり強制連行する必要がないということが明白かと思います。

また20万人の慰安婦が毎日20人から30人の兵士たちに性サービスをしたと書いてあるんですが、当時海外に展開した日本軍の兵力は約100万人です。教科書に従えば、接客は1日5回という統計になりますから、20万人が5回サービスすると100万になりますので、兵士たちは戦闘する暇がない。毎日慰安所に通わなければ計算が合わなくなるわけですね(会場から笑い)。そういう誇大な数字が教科書に出されているということです。

次に、「慰安婦は天皇からの贈り物である」という件がある。これは国家元首に対する、あまりにも非常識な表現だろうと思います。

日本の外務省はこれに対して抗議をしましたけれども、これが別の反応を生み出したのであります。

アメリカの歴史学会の19人は、日本政府の検閲は学問の自由を脅かす、外務省のマグロウヒル社への抗議は学問の自由を奪うものだとして、吉見義明さんら日本の歴史家と連帯し、マグロウヒル社を守ろうという声明を3月2日に発表しました。

私たち19人の日本人歴史家、この中には吉見義明さんは入っていませんが、とりあえずマグロウヒル社に誤りを指摘し、訂正の申し入れをしたいと思います。

私なんかも、個人で書いたものに対して読者から間違っていると言ってくることはある。これは非常に有り難いことで、お礼状を書き、次のエディションでは改めます、と返事をするのを習慣にしておりますので、マグロウヒル社も我々に感謝をしてくれるのではないかと期待しております(会場から笑い)。

最後に、私は日本の官憲による組織的な強制連行はなかったということ、慰安所における女性の生活条件は「性奴隷」と呼ぶほど過酷な状況ではなかったことを強調して終わりたいと思います。

大沼氏の冒頭発言

支配的慰安婦像とメディアという点についてお話したいと思います。
慰安婦問題というのは、金学順さんのカミングアウトがきっかけで一躍世界的に有名なニュースになったわけですね。その後、韓国でデモが行われ、あるいはナヌムの家というハルモニがいる家が登場したわけです。

このように我々が持っているいわゆる慰安婦のイメージというのは、新聞・テレビで大々的に流布されたイメージであります。しかしながら私が実際にお会いした犠牲者達や、いくつかの研究書、ルポなどで理解している慰安婦の方々というのは非常に多様であるわけです。

わたしたちも多様で、この中にも右寄り・左寄り。男性もいれば女性もいるし、金持ちもそうでない人たちもいる。慰安婦も、我々と同じく多様なわけです。それらがコレまでメディアでは報じられてきませんでした。

我々はどうしても公=Publicというものを、国家と政府と考えて結びつけやすく、政府と関わらないものは民間と考えられやすいです。その典型は、「アジア女性基金」が民間基金として考えられたことであります。 民主主義国家において、その国民が選挙に行って投票する場合、それは民間人として行動するわけではなく、国家の一員として行動するわけです。

アジア女性基金というのは、まさに日本国家を代表して、政府と日本国民を代表して、その予算の大部分は日本政府の予算で充当され、総理のお詫びの手紙を犠牲者にお渡しし、国庫から支出された福祉費用をお渡ししたわけです。 事務局は国庫の予算で運営されている。国庫から支出されていないのは、我々のような呼びかけ人や運営委員に対するもので、ここからは一切受け取っていない。しかし他の点では、国家の性格を体現する機関であったし、広い意味での公的な機関であったわけです。

そういう意味から言うと、メディアも非常に重要な公的存在であり、メディアの活動は公共性の高い活動であります。 政府の行き届かない問題に感心を誘導、報道し、人々にこれは重要な社会的・公共的な問題だと植え付ける、そして問題解決に向け働きかける。これは極めて重要な活動であります。

マスメディアは非常に巨大な影響力をもっております。そのために時として社会の諸国民を抑圧する行動を営むことがあります。メディアの意義は巨大だが、同時にメディアは非常に公共的責任を負っております。ところがメディアやジャーナリストの多くの方々は、政府の権力性に集中して、自らの権力性には鈍感と言わざるを得ません。(会場から笑いが起こる)

特にCNN、FOX、New York Timesという、国際的にも巨大な影響力を持つメディアは、自己の権力性、自己の報道がもたらすネガティブな影響にも敏感で謙虚であるべきだと思います。

慰安婦問題は、こうしたメディアの権力性それに随伴するこの当事者個々人を抑圧してしまう、そういうネガティブな機能が典型的に現れた事例であります。

アジア女性基金が償いの事業を開始した時にフィリピンの支援団体はこれに対して批判的な態度を取りましたけれども、被害者自身が受け取りたいという意思を表明した場合、それを尊重しました。オランダのNGOは100%慰安婦制度の被害者の意思で受け取るかどうかを決めるべきだという態度でした。

ところが韓国と台湾では、残念なことに元慰安婦の支援団体が強硬に反対して、当事者である被害者が受け取ることを断じて許そうとしませんでした。

私は韓国の挺対協をはじめとする、元慰安婦の方々の支援団体が問題を発掘して公共化した役割を高く評価しますけれども、挺対協その他の支援団体が犠牲者の希望を踏みにじって、償いを受け取るかどうかの判断を妨げたのは非常に大きな誤りだったと思います。

さらに韓国のメディアの責任は重大だったと思います。彼らは慰安婦が受け取るべきではないという挺対協を始めとする支援団体の誤った主張を批判したのではなく、それを大幅に増大して、韓国の社会に徹底させ、そのことによって本当はアジア女性基金の償いを受け取りたいと考えている慰安婦の方々に対する巨大な社会的な権力として、それを抑圧したのです。

当時、韓国には約200名の認定された元慰安婦の方々がおられまして、最終的には61名の方々がアジア女性基金の償いを受け取りました。しかしながら、そのうち7名は最初に公に受け取りましたけれども、その7名が韓国社会で非常に厳しいバッシングを受けたために、残りの54名は全部秘密に受け取りたいという希望を寄せられました。その結果、我々は公に償いの事業を実施することができずに、秘密裏に償い事業を行いました。

熱くなりまして時間をオーバーしてしまいましたが、問題解決に一番重要案なことは、メディアのこれまでの報道姿勢に対する自己反省、これは日本でもそうですし、韓国のメディアにも自己反省が必要だろうと思います。お互いの国に対する世論があまりに硬化しすぎていますが、その責任の多くはメディアにあるわけですね(会場から笑い)

そのことはメディアが努力して解いていかないと、政府だけに期待しているのでは困難だと思います。ご清聴ありがとうございます。

※編集部注:質疑応答は追って追記いたします

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