青い花

読書感想とか日々思う事、飼っている柴犬と猫について。

娘・音楽会

2016-02-29 07:07:37 | 日記
先週末に娘の学校で音楽会が催されました。学芸会と違って親は何も準備しなくて良いのがありがたいです(笑)。

本当は先週末ではなく、二月の頭に開催される予定だったのですが、生憎その時期にインフルエンザで学級閉鎖になったクラスがあったので延期になっていたのです。
無事に開催されたのは良かったですが、それでも各クラス欠席者が何人かいたようで、人数が少なく感じました。娘の友達もインフルエンザで欠席している子が二人いましたよ。この時期だから仕方が無いですけど、その子たちも一生懸命練習していただろうに、と残念に思いました。

歌と楽器演奏にミニ芝居(?)で、頑張る子供たちの姿が可愛かったです。娘も毎日お風呂で歌の練習をしていたので、帰り道では達成感に満ち溢れた顔をしていましたよ。
撮影可だったので、動画と写真を撮りました。だけど、ブログに挙げようと思って、映っている人物すべての顔にモザイクかけまくったら、カオナシだらけの気持ちの悪い画像になってしまったので載せるのは断念しました(汗)。


先生が「いっぱい褒めてあげてください」とおっしゃっていたので、ご褒美にケーキをプレゼントしてあげました。
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夜想曲集

2016-02-26 07:02:38 | 日記
カズオ・イシグロの『夜想曲集』は、著者初の短編集。収録されていているのは『老歌手』『降っても晴れても』『モールパンヒルズ』『夜想曲』『チェリスト』の五編。すべて音楽にまつわる物語である。

≪『老歌手』はベネチアを舞台とした、有名な老歌手トニー・ガードナーと共産主義の国から来た若いギタリスト・ヤネクの物語。

ヤネクは、サンマルコ広場で観光客相手に演奏するミュージシャンだが、正規のバンドメンバーではない。共産主義の国(明記されていないが、多分ポーランド)から来たヤネクは、同業者からもその他の地元民からも見下されているのだ。

ある日、ヤネクは観光客の中にトニー・ガードナーがいるのを見つけた。
ガードナーは往年の名歌手だが、流行が目まぐるしく移り変わる資本主義社会ではすでに過去の人となりつつある存在。しかし、ヤネクにとっては変わらない崇拝の対象だ。ヤネクの母がガードナーの熱烈なファンで、ヤネクが音楽の世界で生きていくことを決めたのもガードナーの歌だった。

突然話しかけてきた若い無名のミュージシャンにガードナーは好意的だった。
そして、ヤネクはガードナーから「ゴンドラからバルコニーにいる妻に思い出の歌をプレゼントしたいので、演奏を引き受けてくれないか」と依頼される。熟年夫婦の10代の若者のような可愛らしい計画に、結婚記念日のお祝いかと考えたヤネクだが、事態は全く違っていて…≫

共産主義の国から来たヤネクは純粋で可愛い人だ。
「一流が廃れる事なんてありません」とか「愛が冷めたのなら、悲しいですが二人は別れます。でも、互いに愛し合っているのなら、永遠に一緒にいるのではありませんか。どの歌もそういっています」と素直に語る彼はきっと綺麗な目をしているのだろう。彼はその性質故にガードナーに気に入られたのだろうが、同じ理由でミュージシャンとしては大成しないだろう。

一方、ガードナーは資本主義社会で成功を掴み、今は廃れつつある元スターだ。
人気や名声が才能とは関係がないこと、それらは仕掛けて作り出すものであることを知っている。だから、カムバックのための話題作りにまだ愛し合っている妻と別れて、若い女と再婚することも厭わない。

二人の演奏は素晴らしかった。そして、その晩以降、二人は二度と会うことはなかった。

数ヶ月後、ヤネクはガードナー夫妻が離婚したことを知る。
それでもヤネクはガードナーがちゃんとした男だったと思うし、カムバックを果たそうと果たすまいと、自分にとってはいつまでも偉大な歌手の一人なのだと思うのだ。この変わらない心が尊い。

≪『夜想曲』は、才能に恵まれながらも醜さゆえに不遇をかこつサックス奏者・スティーブと、ホテルの隣室に滞在していたリンディ・ガードナーの物語。このリンディは、『老歌手』のトニー・ガードナーの元妻である。彼女の経歴は『老歌手』の中で、トニーの口からから語られている。

スティーブは間違いなく才能に恵まれたミュージシャンだ。しかし、ミュージシャンが成功するためには才能よりも容姿なのだ。美形かセクシーな悪人顔じゃないと人気は出ない。スティーブのようなどんくさいブ男ではだめなのだ。

マネージャーのブラッドリーからしつこく整形を勧められて辟易しているスティーブであったが、転機が訪れた。妻のヘレンから「実業家と再婚したいのでスティーブとは別れたい。しかし、自分たちだけ幸せになるのは気が引けるので、スティーブが一流の整形外科医の手術を受けられるよう手配させて欲しい。そして、スティーブにミュージシャンとして成功して欲しい」と懇願されたのだ。

術後、スティーブは密かにビバリーヒルズのホテルの特別フロアに連れてこられた。回復するまで、そこに滞在することになっているのだ。

その隣室にリンディ・ガードナーがいた。
リンディは、有名歌手・トニー・ガードナーの元妻。彼女は若返りのための整形手術を受けた直後だった。美貌を武器に地位や経済力のある男を渡り歩くことで名声を得た女。本人の才能は無いに等しい。この世の浅はかさと胸糞の悪さを象徴する存在――。スティーブは、整形手術を受けたことで、自分がまともなミュージシャンからリンディと同じ人種になってしまったことに思い至り、後悔の念に苛まされるのだが…≫

「人生って、誰か一人を愛することよりずっと大きいんだと思う。あなたはその人生に出ていくべき人よ、スティーブ。あなたみたいな人はその他大勢と一緒にいちゃだめ」

39歳のスティーブに50過ぎのリンディが送った言葉だ。
リンディは俗物そのものの女なのだが、七面鳥の中にトロフィーを隠すとか可愛いことをやってくれるので憎めない。何より度胸がある。リンディが先にチェックアウトして、二人の交流は終わる。もう会うことはないだろう。スティーブが成功を掴めるのかはわからないけど、リンディはスティーブにとって幸運の女神にちがいない。スティーブがリンディの幸運を祈っているように、リンディもスティーブの幸運を祈っていると思うのだ。

五編とも丁寧に書かれた好感の持てる物語だった。どの話にも共通しているのは男女間の危機。副題に「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」とあるように、ほろ苦いけど優しい味わい。音楽に詳しくない私でも問題なく楽しめた。
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クリスマスローズ2016

2016-02-24 06:59:13 | 日記

今年も我が家のクリスマスローズが開花しました。


正面顔。


毎年、白は紫より一週間ほど開花が遅いです。


正面顔。

ひっそりとうつむき加減のクリスマスローズは、和洋どちらの庭にも合うし、丈夫で育てやすいので重宝しています。ほぼ放任状態。この季節は花が少ないから特にありがたいですね。
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凜&桜、5歳になる

2016-02-22 07:10:04 | 日記

今月の18日に凜が5歳になりました。桜も同い年ですが野良猫だったので正確な誕生日がわかりません。でも、桜も2月生まれらしいので、毎年2匹一緒にお祝いしています。去年は新しいクッションや玩具、首輪を買いましたが、今年は普段よりちょっと良いオヤツをプレゼントしましたよ。


週末はポカポカ日和でお散歩が楽しかったです。凜、撮影のために無理に座ってもらっている感じ。ナチュラルな写真がなかなか撮れません。


桜はナチュラル。


いつも一緒の二匹。これからも可愛く、仲良くね!
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柳生武芸帳 夜さくら秘剣

2016-02-19 07:20:53 | 日記
『柳生武芸帳 夜さくら秘剣』は、柳生武芸帳シリーズの第二作。原作・五味康祐、脚色・結束信二、監督・井沢雅彦、撮影・杉田正二。主演は 近衛十四郎。

《柳生本陣の柳生武芸帳浮月の巻が、将軍家指南役の地位をねらう疋田陰流一派の霞の多三郎(品川隆二)によって盗み去られた。
霞一派の千四郎(尾上鯉之助)、多三郎、秋葉信助(立松晃)、原田菊二郎(小田部通麿)、しぐれのお銀(藤田佳子)らは大老土井大炊守(阿部九洲男)と結託し、幕閣の永井信濃守(里見浩太朗)、松平伊豆守(徳大寺伸)の失脚を画策していた。

土井大老は将軍家光(山城新伍)に働きかけ、柳生宗矩(北龍二)に水月の巻を差し出させるよう仕向けた。宗矩は苦肉の策として「嫡男十兵衛(近衛十四郎)が乱心し水月の巻を手に出奔、浮月の巻は柳生の庄にあるので、江戸に取り寄せるまで五日の猶予を与えて欲しい」と返答した。

十兵衛は江戸の巷に紛れ込み、土井大老の出方を待った。
土井は、弓削三太夫(南修)に十兵衛の名を騙らせ、辻斬りをさせた。そのため十兵衛は捕手に追われ、大久保彦左衛門(堺駿二)の屋敷に匿われる。そこに忍び込んできた霞の千四郎を斬り、三太夫との対決を申し入れた。
夜の寛永寺境内で十兵衛は、多三郎と信濃守の妹・清姫(花園ひろみ)の前で三太夫と渡り合ったが、勝負は一時お預けとなった。

翌日、宗矩のもとへ、十兵衛の次弟・又十郎と妹・於きの命を引きかえに水月の巻を渡せという手紙が届けられた。二人は兄を助けようとして、逆に土井大老に捕えられたのだ。
宗矩は要求を拒絶する。十兵衛は浪人・根来角兵衛と名乗り土井大老に近づくが、正体を見破られ、さらに清姫が捕えられるのを目にしながら打つ手がない。

そして、家光に武芸帳を差し出す日が来た。
十兵衛は殿中の法度を犯し、家光に目通り、武芸帳の秘める天下騒乱の因を説き、土井大老の陰謀を告げた。真相を知った家光は、十兵衛に「土井の野心と新陰流を潰さんとする魔剣を切れ」と命じた。そして、信濃守に土井大老邸で夜桜の宴を張るよう手配をさせた…。》

原作は霧の多三郎が主人公だが、このニュー東映版は十兵衛が主人公になっている。十兵衛を演じる近衛十四郎のチャンバラが見どころなのだ。逆手二刀流は時代劇ファンなら必見。通常より長めの刀を使ったキレの良い刀さばきは、娯楽性に特化した豪快さで抜群の見ごたえである。夜桜舞い散る中での華麗な切り合いは、カラーだったらさぞや豪華絢爛だったことであろう。
本作では、大久保彦左衛門がお笑い要員となっているが、私としてはバタバタ五月蠅い大久保よりも、乙女たちが傘を回しながら踊るシーンの合間にふん縛られた又十郎たち三人が神妙な面持ちで正座している姿が差し込まれているのがマヌケで可笑しかった。又十郎の活躍って、土井の懐から落ちた巻物を拾ったことだけだったなぁ…。

とにかく、短い尺においしいところをギュッと詰め込んだバラエティパック的な仕上がりなのだ。作り手が無粋な芸術論や社会風刺などに走ることなく、純粋に観客を楽しませることに集中している良質な娯楽映画なのである。特に教訓は無いので、人生を語るのがお好きな人には、本作はお勧めできない。

娯楽作品としては文句なしの本作であるが、あえて、ちょっとだけ突っ込んでみると――。
十兵衛vs弓削→十兵衛、勝利→十兵衛、土井に巻物を叩きつける→家光、十兵衛に土井を切るよう命じる→大乱闘、という流れなのだが…。
立ち回りが賑やかなのは良いのだけど、いくら将軍自らが許可しているとはいえ、将軍に当たりそうな距離で大人数が刀を振り回して良いのかな?家光を安全な場所に移してからの方が良いのではないのかな?と少し心配になってしまった。まぁ、なし崩し的に乱闘になった方が、緊迫感が出て面白いのでしょうけど…。
何にせよ、誰もが目の前の敵との切り合いに夢中になっていて、家光のことをちゃんと守ってないのは、由々しき問題である。信濃守なんか「上様は私がお守りする」とか言っていたくせに、いざとなると自分のことでいっぱいいっぱい。家光は自分で自分の身を守っていたのだ。というか、途中からは将軍なのに一戦闘員扱いだった。とにかく、いつ家光がバッサリやられてしまうのかと彼の生存確認に忙しく、十兵衛の美しい刀捌きに集中できなかった。

近衛十四郎のチャンバラは流れるような身のこなしが華麗で、あれだけの長い尺を動き回っていてよく息が上がらないなぁと見惚れた。それだけに所々で使用されるニョ~ンとしたワイヤーアクション(?)は、せっかくの流れをぶった切っているだけなので要らなかったなぁ、とやや残念。

ラストの談笑は天下の一大事の直後にも関わらず、大久保が今更のように槍を持って現れたり、十兵衛の嫁取り話になったりと、目の前に死体がゴロゴロ転がっている状態なのにノホホンとした空気。事件が知れ渡らないように後始末する人たちが大変なんじゃないかな?やっぱり「大老急病死」で片づけちゃうのかな?

それから、宴開始直後から庭の植え込みに潜んでいた多三郎とお銀のことは、あえて見逃してやったということで良いのだろうか?この二人、何しに来たのだかさっぱりわからないところが、又十郎に匹敵するマヌケぶりだった。
そんなユルイ締め方も含めて「めでたし、めでたし」と楽しむのが、本作の正しい鑑賞法なのであろう。
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