まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

北京オリンピック直前の新疆・ウイグル自治区でテロ事件

2008年08月04日 | ニュース・関心事
 昨日の北京オリンピック報道で、地震後の四川省からの聖火ランナーの出発に、少しずつ復旧・復興がすすんでいるのかなと安堵の念を持ちましたが、今回の新 ・ウイグル地区でのテロ事件がオリンピック妨害を狙ったものとすると、事態は深刻かもしれません。

 7月27日開催の鈴木威雄さん主宰の政経懇話会の今回のテーマが「「中国問題」の内幕ー北京五輪を目前」で、講師には東京新聞論説委員の清水美和さん。著書に『中国農民の反乱』や『人民中国の終焉』、『中国はなぜ「反日」になったか』。

 ナショナリズムの高揚の背景には、天安門事件への危機感から中国指導部が進めた愛国主義教育があり、一人っ子政策の中の何の不自由のない若者達の大国意識、そして、社会の開放やメディアの変貌に見られる民主化の進展がある、と。

 一方、市場経済化により社会の多元化がはじまり、民意の変化は最高指導部の意思決定をも左右し、党を変質させた、と分析。その党は、三つに分岐している。党、政府、軍の最高権力を握る、党の青年組織で養成された胡錦濤総書記グループ。

 改革の恩恵を享受した新興富裕層を基盤とする旧江沢民、いわゆる上海グループ。革命の元老を親に持つ、政治的主張でなく経済的利益で結びついた「太子党」グループ。共生団派が最高権力、次期を太子党が狙い、指導部の多数派は上海グル―プという鼎立関係。

 中国の「ナショナリズム」を媒介とする危うさを指摘しながら、一方で日本もまた「ナショナリズム」鼓舞で侵略戦争に突き進みマスコミも加担をしてきた歴史に鑑みて、中国指導部に『聞く耳』を持つ姿勢もある本当の姿を伝えたいとするジャーナリズム精神。

 レジュメの見出しは、1、揺れ動く対日政策、2、ギョーザ事件からみえてくるもの、3、チベット問題でも強行路線が前面に、4、聖火リレー抗議に「愛国熱情」が爆発、5、変質する党内抗争、でした。著書を読みたくなる講演会でした。