小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



30年前、いこいの森で見たダムを確かめるために坊所川を遡り小さなダムまでたどり着いた。記憶の中のいこいの森ダムは、打ったばかりの堤体のコンクリートが夏の日差しに照らされ白く大きく見えた。本来、いこいの森からダムに向かえばすぐにたどり着けるのだが、いこいの森ダムを下から見たことが無かったのと、同じようなダムがいこいの森ダムの下流にいくつか点在している可能性もあるので坊所川を下流から遡った。いこいの森の林間運動広場前から坊所川に下り、沢沿いを上流に少し進むと小さなダムにたどり着いた。大きさからして砂防ダムでは無く治山ダムのようだ。このダムがいこいの森ダムの可能性もあるが、記憶の中のダムと大きく印象が異なるので、いこいの森ダムの下流にある治山ダムだと判断して、再び坊所川沿いの林道に戻った。先ほどの治山ダムの堤体に取り付けられたプレートによると、昭和55年の着工で昭和57年の完成。ダムの名前は付けられていなかった。林間運動広場先から林道と坊所川が離れてしまったので沢沿いの様子が分からなくなった。しばらく進むと道路と合流。坊所川沿いの林道をずっと上がってくると、わんぱくランド先の道路に合流した。いこいの森の管理棟のすぐ近く。いこいの森の管理棟前に到着。中学時代のキャンプ以来、久しぶりに訪れた。管理棟前の地図を見ると、ちゃんといこいの森ダムも記載されている。ダムがあったという記憶が正しくてほっとした。いこいの森の中を流れる坊所川。この下流に目指すいこいの森ダムがある。期待が高まる。いこいの森の中を流れる坊所川の右岸側はバーベキュー場、左岸側はキャンプファイヤー場になっている。左岸側から下流に向かった。キャンプファイヤー場からすぐにいこいの森ダム周辺に出られると思っていたらなんと藪に行く手を阻まれた。迂回路も見当たらないし、この藪を漕いで坊所川沿いを下らないといこいの森ダムにたどり着けない。30年前は沢遊びの時に、簡単にダムまで行けたのだが。藪を漕ぐこと5分。くもの巣と埃まみれになり、両足ともびしょびしょに濡れてやっといこいの森ダムに到着した。目の前のいこいの森ダムは、記憶の中のダムとまったく違い、堤体は黒ずみ周辺は藪だらけで荒れている。30年前は出来たばかりの堤体周辺は開けていて、沢の水がダムのように溜まっていたのだが。しばらく呆然と眺めていたが、先ほど下流で見た治山ダムと、このいこいの森ダムが同じかどうか確かめなければならないことに気づいた。とりあえずいこいの森ダムのクレスト部分から下流方面を撮影。先ほど撮った写真と見比べるが釈然としない。藪の中を再びキャンプファイヤー場まで戻り、いこいの森ダムの下へ向かうルートを探した。キャンプファイヤー場の上にあるアスレチック施設の斜面沿いに遊歩道を発見、大きく迂回していこいの森ダムの下に向かった。途中、金網越しにいこいの森ダムが見えた。滑りやすい遊歩道を下り、どうにかいこいの森ダム下流の坊所川左岸に到着。見覚えのある沢沿いの風景、堤体にぶらさがった流木が一番最初に見た治山ダムと同じである。なんともあっけなくいこいの森ダムの探索が終了した。30年の時間がダムと周辺の景観を大きく変えていて、なんとも感慨深い散策となった。

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