小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



子供の頃は路地の所々に木製の電柱があったが、それも近頃はすっかり目にする機会が少なくなった。小田原駅近くの商店街に何本かの木製電柱が残っているが、先日浜町を散策中に古い木製電柱を見つけた。本町の間中病院横から浜町へと続く一番海側の道路沿い。浜町3丁目地内に一本だけ木製の電柱が残っている。昭和時代のものと思われる木製電柱は陽に焼けて、先端部分は曲がりだいぶ老朽化しているが、電力線や電話線などの架線を支え現役で使われている。電柱は大まかに2種類あって東京電力が設置した東電柱とNTTが設置したNTT柱がある。見分け方は電柱名のプレートが下にある方で、この木製電柱の上はNTTの「千度小路11」。下は電力会社の明記は無いものの「浜町407」。おそらく東電柱と思われる。東電柱には通常設置年が記載されていて良く見ると浜町407のプレートには60 8 13の表記もあるのでひょっとすると1960年に設置された電柱なのかもしれない。古い木製電柱だけあっていくつものバンドや金具が取り付けられていて電柱上部は随分とゴチャゴチャしている。こんな古い木製の電柱だが、中ほどには光ファイバーのクロージャーが設置されていたり、その上にはCATVのタップがあったりと、デジタル通信の架線を支えている。古ぼけた電柱と現代のデジタル通信の対比がなんとも面白い。平成になって四半世紀が経過した今となっては市内に現存する木製電柱も残り少なくなってしまった。すぐ近くの国道は架線が地下埋設化され電柱は姿を消してしまったが、この味のある木製電柱はこれからも長く使われ続けることを願っている。

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