いいもの見ぃ~つけた!

「いいもの」は探せばいっぱいあります。独断と偏見による個人的「いいもの」情報発信所です。

< 郷土料理 > 茨城 赤餅

2024-06-10 07:53:54 | 郷土料理

 「赤餅」

 主な伝承地域 金砂郷地区ほか

 主な使用食材 もろこし粉、きなこ、砂糖

 歴史・由来・関連行事
 「赤餅」は、赤もろこしの粉でつくる、赤色をした餅のことである。鎌倉時代ごろ、阿弥陀寺中興開基安養上人が、「赤餅」の原料であるもろこしの種を生国である現在の群馬県より坂東市長須の地に持ち帰り伝えられたといわれている。利根川が大雨により洪水になると川に面したほとんどの作物が水害により不作になってしまうなか、身の丈が高いもろこしだけは水害を避けられた。米が現在のようにあまりとれていなかったため、もろこしでつくった「赤餅」が食べられるようになったと考えられる。
 もろこしは、イネ科の1年草で、夏になると穂がなり、秋の収穫の時期になると、赤紫色に変化する栄養価の高い穀物。これを粉にしてつくったのが「赤餅」で、もろこし粉がないとつくることができない。稲や小麦が育ちにくい地域でも育てられることから、利根川、那珂川(なかがわ)、久慈川流域の農村地帯など、よく水害が起こる地域で栽培されていた。しかし、現在では土地改良により水田がつくられるようになり、つくる人が限られ、安定してもろこし粉を手に入れることが難しくなっている。
 いまよりも天候などに左右され米が満足につくれなかった時代に、「赤餅」はお腹をふくらませるための主食代わりに食べられていたほか、農作業の合間のおやつとしても親しまれていた。

 食習の機会や時季
 昔は、もろこしが収穫できる秋によくつくられていて主食代わりに重宝されていたといわれるが、現在では、もろこし粉が希少なため、食べる機会が少ない。

 飲食方法
 もろこしの粉をお湯でよく混ぜ合わせたら、直径5cm、厚さ1cm程度のだんごをつくり、沸騰させたお湯の中に入れてゆでる。この時、火が通りやすいよう、中央をへこますと良い。赤の発色が良くなっただんごが浮いてきたら、すくい上げ、あんこやきなこなどをまぶしていただく。もろこし粉でつくる餅は冷めるとかたくなってしまうので、温かいうちに食べた方が良い。かたくなってしまった場合は、再度ゆでて柔らかくしてから食べる。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 もろこし粉の入手が難しい現在では、子供たちの中でも食べたことがあるのはごく少数。そのため、学校で地域の食文化を伝える料理授業を実施する中で、「赤餅」がつくられている。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/akamochi_ibaraki.html より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

< 郷土料理 > 茨城 海藻よせ

2024-06-09 09:07:55 | 郷土料理

 「海藻よせ」

 主な伝承地域 鹿嶋市、行方市

 主な使用食材 海藻、醤油

 歴史・由来・関連行事
 「海藻よせ」は、茨城県鹿嶋から千葉県・銚子に至る鹿島灘沿岸で食べられている郷土料理である。鹿島灘は、親潮と黒潮がぶつかる潮目であるため、さまざまな海の幸に恵まれている。日本一の水揚げ量を誇る銚子港では、魚のほかにも海藻も豊富にとれる。その中の一つが、「海藻よせ」のメイン食材となる、コトジツノマタやツノマタである。
 コトジツノマタは、潮間帯の岩上に付着する、高さ20cm程度の海藻である。規則正しく、二又に分枝しながら成長していく。その枝のかたちが琴の弦を支える琴柱に似ていることから、この名がついたといわれる。火にかけるととろみが出て、冷ますと凝固する特性を生かし、古くは石けんや接着剤として使われていたという。
 年末になると、銚子から商人が正月用にコトジツノマタを売りにきたことから、おせち料理に「海藻よせ」がつくられるようになった。

 食習の機会や時季
 南東部の鹿行(ろっこう)地域(鹿島郡の「鹿」と行方郡の「行」が名前の由来)では、正月に欠かせない料理である。さっぱりとした味わいなので、味が濃い調理が多いおせち料理の箸休めとして重宝されている。

 飲食方法
 コトジツノマタをしっかり洗って汚れを落とした後、沸騰したお湯に入れ、とろみが出るまで煮る。とろみが出てきたら、型に流し、冷やしてかたまったら食べやすい大きさにカットしていただく。磯の香りを存分に楽しめるさっぱりとした味わいなので、醤油に加えて、カツオ節やねぎ、唐辛子をのせて食べる。また、「海藻よせ」のアレンジとして、細かく刻んだ人参やごぼうを一緒にかためることで、食べた時の風味や食感の違いを楽しむこともできる。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 鹿行地域では、現在でも年末になると、おせち料理としてつくる家庭が多い。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kaisoyose_ibaraki.html より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

< 郷土料理 > 茨城 鯉の唐揚げ

2024-06-08 08:40:27 | 郷土料理

 「鯉の唐揚げ」

 主な伝承地域 南部地域、霞ヶ浦・行方市・土浦市

 主な使用食材 コイ

 歴史・由来・関連行事
 国内第2位の湖面積を誇る霞ヶ浦では、主に北浦において、昭和40年頃(1960年後半)からコイの養殖を開始し、現在では養殖生産量は全国トップクラスである。古くからコイはタイと並ぶ高級魚として知られ、奈良時代、平安時代には皇族や貴族の間で好まれた。その後は、庶民の間にも浸透し、さまざまなコイ料理が親しまれてきた。コイは”龍門の滝”をのぼると龍になるという言い伝えがあり、立身出世のたとえに使われる縁起物である。また滋養に富む魚であるため、結納などの祝いの席や妊婦に食べさせる風習があった。
 霞ヶ浦におけるコイの養殖は、1年から3年かけて育て上げる。1年目のコイは小骨が口に当たりづらいため、「鯉のあらい」という刺身料理に使われることが多い。また、2歳から3歳のメスは卵を持っているので、「鯉の甘露煮」といった料理に向いている。色々なサイズのコイを手に入れることができるからこそ、その他にも「鯉こく」や「鯉のうま煮」などのコイ料理が浸透していったと考えられる。現在、子どもから大人まで人気があるコイ料理の一つが「鯉の唐揚げ」である。

 食習の機会や時季
 養殖は特に旬がないため、1年を通して食べられている。「鯉の唐揚げ」は、揚げることで骨までそのまま食べられるので、子どもたちにも人気である。学校の給食メニューにも取り入れられている。

 飲食方法
 コイの切り身に片栗粉をまぶし、油で揚げる。家庭や店舗によってつくり方はさまざまで、コイに簡単に味付けをして唐揚げにしたり、揚げた後、タレにくぐらせて食べる。
 コイ料理で重要なのは、生臭さをしっかりとること。何度も水を取り替えながら洗うことで生臭さが消える。この時、お湯を使ってしまうと風味を変えてしまうので、必ず水でおこなうことが大切である。また、コイを捌くところからはじめる場合は、鮮度が重要なので生きたコイを使うこと。そして、内臓を傷つけないようにすることがポイントである。胆汁や未消化の餌が身についてしまうと、臭みが染みついたり、変色してしまうため、細心の注意を払っておこなう必要がある。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 学校給食では、唐揚げ用に調理・冷凍したものを利用し、郷土料理として提供している。霞ヶ浦地域のスーパーマーケットや道の駅などでも、唐揚げが販売されている。また、霞ヶ浦地域の飲食店などでも食べることができる。現在は、霞ヶ浦北浦のコイ養殖業者が、鮮度の良いうちに下処理して真空包装した「凍結鯉フィレ」をつくって販売し、郷土料理が手軽に食べられるよう普及を図っている。
 現在行方市では、小骨を切って骨ごと食べられるように、プロが骨切りし、唐揚げ用に調理したものを冷凍し、学校給食に郷土料理として提供している。「鯉の唐揚げ」は、学校給食で人気メニューになっている。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/koinokaraage_ibaraki.html より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

< 郷土料理 > 茨城 ごさい漬け

2024-06-07 08:14:02 | 郷土料理

 「ごさい漬け」

 主な伝承地域 鹿行地域、鹿島・鉾田

 主な使用食材 サンマ、大根

 歴史・由来・関連行事
 茨城県大洗から千葉県犬吠埼の間で広がる鹿島灘は、親潮と黒潮がぶつかる好漁場である。戦前戦後の昭和時代は、秋になるとイワシが大量に獲れ、家々に配られた。たくさん取れるイワシを11月ごろから塩漬けにし、発酵してきたところで大根と一緒に漬け込んだ。「ごさい漬け」は冬の郷土料理として長く愛されており、庶民の重要なタンパク源でもあった。
 その名の由来は、鉾田の文化第35号(石崎勝三郎著・「ごさい漬け」の語源に関する一考察と製法)に記載があり、ごさい漬けに向く脂肪分の少ない小型のいわしを「こさい」と呼び、それが「ごさい」に変化したとある。他にも、後妻が漬けるから「後妻漬け」、5つの食材(五彩)を使っているから「五彩漬け」と諸説ある。
 かつては家庭ごとの味があり、盛んにつくられていたが、近年では、その手間の多さや温暖化で昔ながらの製法ではできない等の理由から、ごさい漬けを作る家庭も減ってきている。また、いわしの水揚げの減少と、形が崩れて見栄えが悪くなることから、現在はサンマで作られるようになった。

 食習の機会や時季
 以前は、イワシが利用されており、特に背黒イワシでつくったものが美味しいとされていた。イワシの水揚げの減少とともに、サンマが利用されるようになり、新鮮なサンマがあがる11月下旬から2月くらいまで、冬の保存食・発酵食品として食べられている。

 飲食方法
 サンマの頭と腹わたをとり、腹を何度も流水中で洗い、しっかり血と脂を洗い流したら、4等分から5等分にぶつ切りにする。2週間から1ヶ月、塩をまぶして樽に漬け込み、その後、そのサンマを再び水で洗い、血と脂を流す。一口大の半月切りにした大根とサンマ、赤唐辛子、柚子の果汁と皮、塩の順に繰り返し入れて漬ける。冷暗所もしくは冷蔵庫で保存をし、途中水をとり除きながら、2週間後に食べられるようになる。
 そのままでも食べられるが、完成した「ごさい漬け」を一度水で洗って塩気を抜き、醤油を少量たらして食べるのも好まれているという。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 工程の難しさから、一般家庭でつくる機会が減っているが、味を引き継ぐべく、地元の鮮魚店などが、こだわりの方法で「ごさい漬け」をつくり、販売をおこなっている。業務用につくっている食料品店もある。

*Wikipedia より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

< 郷土料理 > 茨城 うなぎの帆引き煮

2024-06-06 07:56:26 | 郷土料理

 「うなぎの帆引き煮」

 主な伝承地域 利根川、霞ヶ浦周辺

 主な使用食材 うなぎ

 歴史・由来・関連行事
 国内第2位の広さを誇る霞ヶ浦は、海との交流もあり、プランクトンが豊富なことなどから、ワカサギやシラウオ、うなぎ、フナなど、さまざまな淡水魚に恵まれた。天然のうなぎも例にもれず、霞ヶ浦や利根川流域でよくとれ、うなぎの名産地として知られている。龍ヶ崎市の牛久沼は、うな丼発祥の地ともいわれ、いまでもうなぎ料理の老舗店舗が軒を連ねる「うなぎ街道」と呼ばれる地がある。
 うなぎといえば贅沢な食材であるが、かつてはこの地域ではよくうなぎが取れたため、茨城県ではうなぎ料理は一般的によく食べられたという。このとき余ったうなぎを冷凍しておき、急な来客などがあったときに凍ったままのうなぎを手早く、豪勢な料理にできるようにと考えられたのが「うなぎの帆引き煮」である。
 「うなぎの帆引き煮」の“帆引き”とは、霞ヶ浦で漁業をおこなっていた巨大で真っ白な帆が特徴的な“帆引き船”を指す。平成30年(2018年)3月には霞ヶ浦の帆引き網漁の技術が国選択無形民俗文化財に選定されている。帆引き船は、風力を利用してひき網を引きながら漁をおこなう。白い帆を広げた何十隻もの帆引き船が湖上に浮かぶ様は、霞ヶ浦の名物であったという。しかし、風がない時は漁ができないことと、帆が非常に大きいため、突風に煽られたときに転覆する危険性も高かったことから、現在では、機械トロール船による漁になっている。その巨大で真っ白な帆が特徴的な帆引き船を模した笹の葉をあしらったため「うなぎの帆引き煮」と呼ばれるようになった。現在、帆引き船は、春から秋にかけて観光用に運用されている。

 食習の機会や時季
 急な来客があるときや、おもてなしの席などでつくられた。
 天然のうなぎは、6月から10月ごろまでが旬といわれている。霞ヶ浦のうなぎは川を下らず、海に出ない珍しいうなぎである。

 飲食方法
 鍋に酒を入れ、煮立ったところにうなぎを入れ、ひと煮立ちさせたら醤油、砂糖を入れてふっくらと仕上げる。煮汁が煮つまってきたら、うなぎを取り出してさらに煮つめ、煮汁をうなぎにかけていただく。多めの酒で煮ると、よりふっくらと仕上がる。大きめの笹を用意し、帆引き船に見立てて飾ってから食べる。
 ごはんにのせてうな丼として食べても良い。また、山椒などの薬味を加えて食べることもある。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 現在は、高級食材のため、昔ほどはつくられていないものの、特別な日につくって食べられることもある。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/unaginohobikini_ibaraki.html より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

< 郷土料理 > 茨城 いわしの卯の花漬け

2024-06-05 17:46:52 | 郷土料理

 「いわしの卯の花漬け」

 主な伝承地域 北部地域

 主な使用食材 イワシ、おから、柚子

 歴史・由来・関連行事
 全国屈指の“農業県”として名高い茨城県だが、その一方で、“漁業県”という一面も持つ。県の沖合は、親潮と黒潮が交差する豊かな漁場で、季節ごとにさまざまな魚介類が水揚げされる。北茨城市の大津漁港・平潟漁港では、サバやイワシなどが多くとれ、大津漁港は県内随一の施網漁港として年間数万トンの漁獲量を誇るほど。水揚げされたサバやイワシは新鮮なうちに刺身や焼いて食べるほかに、丸干しや缶詰などの加工品にもされ、いまでは海外にも多く輸出されるほどである。
 そうした海の幸に恵まれた茨城県で、長く親しまれている郷土料理の一つが「いわしの卯の花漬け」である。「いわしの卯の花漬け」の「卯の花」とはおからを指す。豊富にとれる新鮮なイワシを長く味わえるよう、時間をかけてしっかり酢と合わせたおからに漬けることで長持ちするため、地元では保存食としても重宝されてきた。

 食習の機会や時季
 「いわしの卯の花漬け」はおせち料理としても食べられていたため、各家庭では11月くらいからとれるマイワシを使ってつくっていた。おせち以外にも日常の保存食として食されてきた。

 飲食方法
 新鮮なイワシの頭と内臓、骨を取り出して水洗いをしたら、塩を振って数時間寝かす。その後、水で塩気をとり、10時間以上酢につける。10時間漬けたら、砂糖を加えた酢に、さらに10時間漬ける。しっかり酢漬けすることで保存力が高まる。一方、おからも酢と砂糖を入れて炒った後、冷まして味を馴染ませておく。最後に、酢を切ったイワシとおから、柚子の皮、赤唐辛子、ごま、塩を混ぜていただく。お酒の肴にも、ごはんのおともにも合う料理。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 市内の店舗で販売されているものを購入することができる。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/iwashinounohanazuke_ibaraki.html より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

< 郷土料理 > 茨城 はまぐりごはん

2024-06-04 09:11:24 | 郷土料理

 「はまぐりごはん」

 主な伝承地域 県内全域

 主な使用食材 ハマグリ、しいたけ、人参

 歴史・由来・関連行事
 茨城県大洗岬から千葉県犬吠埼にいたる海域の鹿島灘は、親潮と黒潮がぶつかる潮目であるため、豊富な海の幸に恵まれる。鹿島灘の砂地が続く沿岸部では春ごろになると、産卵前の大ぶりなハマグリがとれる。時に10cmを超えるハマグリがとれ、市場では「鹿島灘はまぐり」の名で高値で取引されている。「鹿島灘はまぐり」は、和名を「チョウセンハマグリ」というが、その名前から輸入品と間違われやすく、平成7年(1995年)から「鹿島灘はまぐり」と名付け、県をあげてブランド化している。
 現在、国内で流通しているハマグリの多くは輸入品で、国産ものはわずか10%ほどと希少な食材となってきたが、そのうちの半数以上が鹿島灘産である。そうした希少な「鹿島灘はまぐり」を守るため、大洗町・鹿島灘・はさきの3漁協では、輪番制で計画的に漁をおこなうなどの管理を徹底するなどの保存活動がおこなわれている。
 いまでこそ希少となったハマグリではあるが、昔は大洗や鹿行(ろっこう)地域の沿岸部でよくとられていため、茨城県では身近な食材であった。とれたハマグリを新鮮なまま刺身や網焼きで味わうものから、味噌汁に入れたり、酒蒸しにするなど、さまざまな調理方法で親しまれてきた。「はまぐりごはん」もはまぐり料理の定番料理として、家庭でもよく食べられてきた。

 食習の機会や時季
 ハマグリの旬は春だといわれるが、「鹿島灘はまぐり」は、6月から7月頃がちょうど産卵前の時期となるため身が肥え、旨味も濃くなるという。
 ハマグリの貝殻は、大きさやちょうつがいのかたちが違うため、一度外すと他の殻と決して合わないことから、結婚式や雛祭り、お正月など、おめでたいハレの席で振る舞われてきた。
 また、ハマグリがたくさんとれていた頃は、時期に関わらず、家庭ごとの味付けで「はまぐりごはん」がよくつくられていた。

 飲食方法
 ハマグリを食べやすい大きさに切り、千切りにした人参、しいたけとともに油で手早く炒め味付けをする。炒めすぎると身がかたくなりすぎてしまうので注意が必要。
 米に炒めた時に残った煮汁と水を入れて炊き上げ、最後に具を混ぜ込んでいただく。各家庭によって味付けや、入れる具材が異なる。ハマグリのぷりぷりとした食感と、旨味を存分に味わえる。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 現在でも、各家庭でつくられている。また大洗駅では駅弁としても販売されており、観光客からも人気を博している。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hamagurigohan_ibaraki.html より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

< 郷土料理 > 茨城 かぼちゃのいとこ煮

2024-06-03 08:04:49 | 郷土料理

 「かぼちゃのいとこ煮」

 主な伝承地域 県内全域

 主な使用食材 かぼちゃ、小豆、醤油

 歴史・由来・関連行事
 茨城県は、市場でも評価の高い「江戸崎かぼちゃ」をはじめ、「那珂かぼちゃ」や「みやこかぼちゃ」などの品質の高いかぼちゃを育てるかぼちゃの生産地である。かぼちゃの生産量も国内トップクラスを誇り、冬至の時期になると、かぼちゃ料理がよく食べられていた。そうしたかぼちゃ料理のなかでよく食べられていたのが「かぼちゃの煮物」である。小豆と一緒に煮る「かぼちゃのいとこ煮」は冬至の定番料理として根づいてきた。
 ”いとこ煮”とは、主に野菜や豆類でつくる煮物のことである。正月やお盆、その他祝いの席でお供えした野菜や豆を、行事の後に煮て食べたことがはじまりだといわれている。その名の由来は諸説あり、“野菜別にめいめいに煮る”から”姪々”とかけ、姪同士はいとこであるからという説。また、“野菜を追々煮る”から“甥々”で甥同士はいとこであるからという説。そして、野菜や豆は畑でとれるもので、いとこのようなものだからという説がある。
 かぼちゃは保存がきくため、あまり食糧がとれない時代の貴重な栄養源となっていた。冬至の日にかぼちゃを食べるのは諸説あるが、野菜の収穫が少なくなる厳寒期を健康に乗り越えられるように願いを込めて、保存していた栄養価の高いかぼちゃを食べる習慣がいまに伝わるといわれている。また、小豆も保存がきき栄養価が高いことから、「かぼちゃのいとこ煮」は、風邪をひかずに冬を乗りきるための郷土料理として親しまれてきた。さらに小豆の赤は邪気を払うといわれ、縁起の良いかぼちゃと小豆でつくる「かぼちゃのいとこ煮」が食べられるようになったと考えられる。

 食習の機会や時季
 かぼちゃの収穫時期は夏だが、長期保存ができるため収穫後は保存し、寒さの厳しい冬に栄養不足を補うために食べていた。なかでも日照時間が最も短い冬至は、体が弱まる時期となるため、栄養価の高いかぼちゃと小豆を煮た「かぼちゃのいとこ煮」を食べる習慣が根づいた。

 飲食方法
 小豆を一晩水につけておき、柔らかくなるまで煮る。また、かぼちゃも5cm角くらいの大きさに切り、醤油、砂糖、塩などの合わせ調味料で煮ていく。途中で小豆を加えて馴染ませてからいただく。手軽なアレンジとして、小豆の甘納豆を使うと調理時間を短縮できる。この場合は、砂糖をひかえると良い。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 現在でも、冬の時期に各家庭でつくられている。冬至の時期になると、学校給食でも提供される地域がある。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kabochanoitokoni_ibaraki.html より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

< 郷土料理 > 茨城 小倉れんこん

2024-06-02 07:41:51 | 郷土料理

 「小倉れんこん」

 主な伝承地域 茨城全域、霞ヶ浦周辺地域

 主な使用食材 れんこん、小豆

 歴史・由来・関連行事
 茨城県のれんこんは、出荷量および作付面積ともに全国一位で、国内50%以上のシェアを誇る。霞ヶ浦周辺は、豊富な水と肥沃な湿地帯に恵まれ、れんこん栽培が盛んにおこなわれている。霞ヶ浦のれんこんの収穫期は、7月から3月頃。この時期になるとれんこんの育成を止めるために、蓮の茎や葉を全て切り倒す。こうすることで、地下に眠るれんこんは、じっくりでんぷん質をため込んでいく。長く泥の中にいることででんぷん質が増えるので、夏のれんこんはシャキシャキとした食感になり、冬のれんこんはほっくりとした味わいになる。
 また小豆も茨城県でとれるため、地元でとれる食材でつくれることから、「小倉れんこん」も長く家庭でつくられてきた。他の地域でも「小豆れんこん」もしくは「れんこんの小豆煮」と呼ばれる郷土料理が存在するが、茨城県は、小豆と一緒に煮込み、“紫峰色(しほういろ)”にするのがポイントである。“紫峰(しほう)”とは、茨城県の名峰・筑波山の別称で、朝夕に陽を受けて山肌が赤く染まることから紫峰(しほう)の山と呼ばれるようになった。

 食習の機会や時季
 穴があるれんこんは"先が見通せる”縁起物の食材として知られ、また小豆もその赤い色が邪気を払うとして、正月や慶事の席に欠かせないものだった。そのため、「小倉れんこん」もお正月に欠かせない料理として、食卓に上がる。

 飲食方法
 皮をむいて5cmくらいの輪切りにしたれんこんの穴に小豆を詰め込んで鍋に入れる。れんこんがかぶるくらいに水を入れ、ゆっくり弱火で2時間から3時間煮こむ。れんこんと小豆が柔らかくなってきたら砂糖と塩を入れて味付けをし、ゆっくり冷まして味を馴染ませてから食べる。この時食べやすく、1cmくらいの厚さにカットすると良い。
 小豆の缶詰などでつくると、“紫峰色(しほういろ)”にならないため、小豆は豆の状態から一緒に煮こんでいくことがポイントである。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 現在も、お正月の時期になると、家庭でつくり、食べられることもある。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ogurarenkon_ibaraki.html より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

< 郷土料理 > 茨城 五目いなりずし

2024-06-01 08:02:29 | 郷土料理

 「五目いなりずし」

 主な伝承地域 県内全域

 主な使用食材 油揚げ、米、人参、ごぼう、しいたけ

 歴史・由来・関連行事
 茨城県では、1年を通じて温暖な気候と豊かな水質を活かして、古来より農業が営まれてきた。白菜、れんこん、ピーマンなど、全国トップクラスの産出額を誇るものも数多く、野菜から肉にいたるまで実にさまざまな食材がつくられている、まさに“農業県”である。地元でとれる農産物を使った郷土料理として「五目いなりずし」も長年親しまれている。
 特に笠間市では、日本三大稲荷の一つとしてあげられる笠間稲荷神社が鎮座していることから、古くから市民や参詣客に「五目いなりずし」を振る舞ってきた。現在もまちをあげて盛り上げている。「笠間いなりずし」の特徴は、”五目”といって想起する、人参やごぼう、しいたけといった具材に加え、地場産のそばやくるみ、舞茸など、幅広い食材を使うことで知られる。色とりどりの具材がのったいなりずしは、とても華やかである。

 食習の機会や時季
 年間を通して、さまざまなシチュエーションで食べられている。大人はもちろん、子どもにも人気の料理である。

 飲食方法
 油揚げは油抜きし、砂糖、みりん、醤油などの合わせ調味料で煮立たせ、味を馴染ませる。人参やごぼう、しいたけといった具材は食べやすく千切りなどにして炒め、味をつけたら、ごはんに入れて均一に混ぜる。油揚げの中に具材を混ぜ込んだごはんをしっかり詰め、口の部分を上にして中身が見えるようにお皿などに並べていただく。
 アレンジは非常に豊富で、米を炊く際にもち米を少し混ぜておこわのようにしたり、夏は枝豆、冬はぎんなんなどを入れて、季節感を味わうのも楽しい。また、茨城県は全国のそば職人から高い評価を得ているブランド品種、「常陸秋そば」の産地でもあることから、そばを使ったアレンジも人気である。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 笠間市では、「笠間いなり寿司いな吉会」という町おこし団体を発足し、笠間いなり寿司教室や笠間初午いなり寿司まつり、いなり寿司コンテンストなど、さまざまなイベントを通して、笠間いなりずしの魅力を発信している。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/gomokuinarizushi_ibaraki.html より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする