フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

写実画

2017-11-04 07:08:09 | Weblog

写真画は好きじゃないけど写実画は好き。どう違うのかって聞かれるとはっきり説明できない感覚的なものだけど。魂の揺らめきがあるかないかの違いかな。徹底的に無機的に描く写真画はどうもいけない。かつてスーパーリアリズムと言われた手法でさほんものそっくりなんだ。アメリカあたりの描き方でさ。日本でも大層な評判になったけど日本人の写実の方が好きだね。こちらも本物そっくりに見えるけど有機質なんだ。青い目の瞳と黒い目の瞳では見る目が違うんだろう。若い時は抽象画で有名で晩年は写実に戻った洋画家竹村文男さんが亡くなった。晩年は写実というのがわかるような気がする。見たものを美しく感じたんでしょうね。竹村文男さんは僕らの絵画展にも2回ほど足を運んでくれた。「いやいや、いい絵でした」と言って記録帳にサインして帰って行かれた。物静かで恰幅のいい爺さんだった。絵描きって決して他人の絵を批判しないんだね。こういう描き方もあるのかって感じで見ている。審美ははっきりしてるけど。ちょっとしたことでも自分と違うやり方には興味を示すから見てる人を見てるのが面白い。当たり前のことだろうけどプロの画家って本当に絵が好きなんだね。竹村文男さんも天国に行って大空のキャンバスに描く絵の構想を練ってることでしょう。四十九日過ぎたら描くぞってな感じで。僕らの絵画展に来てくれてありがとうございました。僕らも写実ではありますがナンセ草莽ですから・・・それでも楽しく描いてます。

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